読書進化論

読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~
勝間 和代 (著)
Webと本との使い分け、本との付き合い方、本・ブログを書くということの意義とその勘所、出版業界の改善点、といったところについて書かれている。平易で読みやすいし、面白そうな本がいくつも紹介されているのでうれしい。
本の内容とそれるところがあるが、印象に残ったのは勝間さんに対するプロノバの岡島さんからの印象。”実は壮大な社会実験をしているだけなのでは(p.187-188)”と。その言葉にうなづいた。
純粋に学び、学んだことは徹底的に活用・検証し、その結果から学ぶ、次に活かすために学ぶ、活用・検証の結果は還元する。
それを繰り返しているのかなと。本を書く中でも、Webとの違いといったところから本ならではの価値を定義して、それを取り扱っている出版業界の取るべき戦略というか方向性を描いてみたりとか。それを自分の出版のプロセスで検証してみたりとか。
本の内容通り越して、シンプルで面白そうな人だなと感じた。
最後に本の内容について、印象に残った部分をいくつか抜粋。

目次
勝間式「相手がわかりやすく読みやすく書く」ための4つの技術
技術1. 「自分の事例」「アンソロジー形式」を利用して、親しみを持たせる
技術2. 「役に立つフレーズ」を必ずいれ、読書だけに経験を閉じない
技術3. 「共通体験」や「流通していることば」を使って行動を促す
技術4. 「コンテンツ力」と「編集力」で進化していく

P.36
本を味見してみるのです。そのとき、「あ、この著者ともっと話がしてみたいな」、と思えるかどうかがポイントになります。

P.72
アジェンダを設定しないミーティングが、だらだらしがちなのと同じで、本を読むときには、その本の著者とどういう話をしたくて、何を質問したいのか、という意識を持つことが重要なのです。

目を見れば

人の目や顔の筋肉の動きをよくみている(いつも目を合わせている/凝視しているというわけではなく)。言葉よりも多くのことを伝えてくれるように思う。バイアスかもしれないが言葉よりその表情のメッセージが本音に近く感じる。勿論それが正しいとは限らないし、自分に向けたメッセージだとも限らないのだけど。
なんでこんなことを言い出したかというと、人と対面でコミュニケーションをとるときに大切なことが2つあるかなと今日思ったのだ。1つはメッセージを受け取る側として、相手が背負っているもの(相手のふるまいをそう動機付けるもの)を理解すること。1つはメッセージを発信する側として、目の前の相手に集中すること。
具体的な話は省くのだけど、すれ違いがすれ違いを生んでいくコミュニケーションは望ましくない。たくさんのものを背負って走っているときはなおさら頭の切り替えが難しくなるのも事実だけど、相手と面と向かってコミュニケーションをとるときは、そういったもろもろのものは横において、そのコミュニケーションでありその目的でありに集中していたいと思う。