企業分析力養成講座

デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座
山口 揚平 (著)
同じチームのコンサルタントが面白かったとススメてくれたので手にした一冊。全体にとってもシンプルでわかりやすく書かれていてすぐに読める。しかも最初の章で分析のガイダンスがあり、それ以降分析のマトリクスの象限に応じた企業のケーススタディが書かれているので、ガイダンスを読めばポイントを理解することができる。
特にいいなと思ったのは次の4つのマトリクス。
・因果のマトリクス
・企業を分析する9つの視点のマトリクス
・ROIC要素とビジネスシステムのマトリクス
・キャッシュフローマトリクス
正直なところ、普段のコンサルティング(新規事業戦略系のコンサルティング)の中で財務の視点を軽くみてしまいがちなところがあった。改めていきたいと思う。不確実性が極めて高いということと、財務の観点で見る必要がないということは全く持って違うのだ。

うーん。ああ、そうそう!やっぱこれだ!!

金曜日の夜は、チームでのケースディスカッション。誰でもがリアルケースを持ちよって、参加者でディスカッションをする時間だ。参加メンバーはパートナーから若手まで幅広い。今回のケースは、自分がここ最近仲間で考えていた内容。ある領域のコンサルティングをもっとうまくやるためにはどうしたらいいのかというもの。
1時間あったので冒頭で概要をプレゼンテーションしてからディスカッションに入ろうと考えていた。そしていずれにしてもdetailにはいる前にパートナーとディスカッションしたかったのでここでは全体像~各要素の概要で話をしようと。
1ページ目に入った瞬間からパートナーの鋭い指摘の連続。自分達も考え途中の内容だし、問いは設定できても仮の答えも用意できていないところもある。8割が自分達も認識している問題or方向は同じだけどもっとうまく前に進めるアドバイス、2割が自分達で認識していなかった視点(新たな問い)、といったところだろうか。
あっという間の1時間(ほぼパートナーのレビューとなっていた)。収穫を見るととっても良い時間だったのだけど過ごし方がイマイチだった。カンタンに言ってしまえば話を聞いて吸収するのはいいんだけど、自分から発信できた内容が少なかった。勿論言い合うことが目的ではないのだけど、にしても相手からしたら張り合いなさすぎたかなと思う。
最初は、”うーん。もっとうまくやらいとなー”っていう反省の気持ちだったのだけど、ご飯を食べてほっと一息ついていたらだんだんとその気持ちが変わってきた。
詳細を省いて気持ちにフォーカスすると、何言われっぱなしで終わってるんだよ、オレが負けるわけねーだろっていう極めて自己中心的で稚拙なのだけど感じていてアツい・面白い気持ちと、issueをはずさずシンプルなフレームで徹底的にディスカッションして白黒つけていくっていう基本を忘れていたなーっていうひやっとした気持ち。
さて。次からはこれらの気持ちをうまく使って、基本を忘れずキチンとぶつかってやっていきたいなと思う。そもそもの目的は忘れずに。その面白さを過去にしっかり味わっていたこと、それが楽しくて、大好きだったことを思い出して、懐かしい感情が自分の中に戻ってくるのを感じるのだ。
#パートナーは今回のディスカッションに満足していたとのこと。いやいやこれからはこんなもんじゃないぞっ。

叱る

叱るって難しいけど大切なことだなあと感じる。
叱るのを難しく感じるのは、前提として正とするものが本当にそうだと言えるのか確信を持つのが難しく、じゃあそれが正しいとしてそれが自分もできていなかったら叱ることなんてできないんじゃないかという自己への疑いを払拭するのが難しく、そもそもその相手の振る舞いにそこまで介入していいものなのかという距離を測るのが難しいからじゃないかと思う。
逆に言うと、叱っている相手というのは、叱られている人間にとって、自分の中に確信できるものをもっていて、それに重なることができていて、叱られている自分との距離を近いものだと考えてくれているのだと映る。
勿論シチュエーションと内容、叱る人間に対する納得感があってこその話だと思うのだけど。