5th Termのクラス -企業投資と新興国に焦点を当てる

来週から5th Termだ。始まりは4th Termと同様Intensive Moduleから。場所はBarcelonaを選んだ。さて、MBA生活の最後を飾る5th Term、僕は次のクラスをとる。焦点を当てるのは2つ。企業投資と新興国だ。そしてそれら一連のクラスを選択した後、他に興味を持ったクラスは最大限組み込んだ。

企業投資
・Mergers & Acquisitions
・Venture Capital & Private Equity
・Financing Entrepreneurial Opportunities
・Search Funds -Managing Creativity

新興国
・Emerging Economies
・Globalization & Strategy

他に興味を持った
・Management in the Service Sector
・Marketing in High-Tech Industries
・Negotiation

これまで新規事業創出であったり新興国参入・成長戦略策定といったコンサルティングの仕事をしてきたが経験の幅の薄さを感じる。コンサルティングと実際の行動の違いなのかもしれない。スタートアップや事業会社での新規事業開発の経験から強く感じたことだ。

特におカネまわりの経験が薄い。おカネをどう集め、どう使うかを考え実行する経験。おカネを集める上で必然的に関係してくる投資側の論理。

当事者目線で学びたいと思う。

新興国展開に関する話も同様だ。コンサルティングに活かすためではなく、例えば自分がある企業のインドへの事業展開を担当したらどうするべきなのか、卒業直後にそれを担うことが決まっていたら各クラスから何を学ばねばならないのか、そう考えて学びたい。

その他は興味を持った科目をできる限り組み込んだ。

製造業のオペレーションと比べてサービスのそれをマネージするかというのは自分の中で理解が浅い。一方で適当なスペックのものを効率的に生産できれば事業はうまくいくという時代ではない。ほとんどの産業において。その製品を通じて、その製品に纏わる物語を通じて、どのような経験を提供できるのかが大切になっているのだろう。その経験をかたちどるサービスはどうすればデザインし、提供し続けることができるのか。それを学びたい。そもそものサービス業のマネジメントにも興味がある。製造業より格段に複雑性が高いと考えられるから。

ハイテク産業でのマーケティングはスタートアップでの経験から興味を持った。一般的なマーケティングの話ではなく、この産業におけるマーケティングのキモもしくは汎用的な物の考え方は手に入れておきたい。

交渉。英語での交渉力を磨きたい。このクラスのみでできるわけはないが、その後自分で継続的に磨けるだけの受容体は身につけておきたい。

Start 4th term in Barcelona / バルセロナでの新学期が始まった

The 4th term starts from today in Barcelona (though I already did the intensive module in Sao Paulo). I felt that I came back to my place when I reached the campus and met with friends.

All of the classes in 1st year were required, on the other hand, ones in 2nd year are elective. I decided my classes in 4th term following the criteria, Emarging Market, Entrepreneurial Management, and Leadership.

For Emerging Market, I did the intensive module in Sao Paulo. I learned about the context of business environment in LATAM, Finance and Marketing in emerging market, and cross cultural management. I brushed up and honed my past experiences in terms of entrance and growth strategy formulation to emerging market for my client companies.

For Entrepreneurial Management, I opt 2 classes, Working for Start Up and Leading Growth: Strategies and Challenges. The former is, as its name suggests, to work for a certain Start Up company. It is just like a part time internship with a half credit. The latter is to learn about required things for both start up and established companies to grow through case study and consulting project.

For Leadership, I opt the class, Personality and Leadership. I will clarify my values, strengths and weaknesses, and leadership style through counselling by professional etc. I have reviewed my professional and personal life several times (i.e. essay writing for MBA) and will do so in my future; however, I found new things about myself through the 1 year at IESE and therefore would like to organize them to control myself better.

To complement Entrepreneurial Management, I opt 2 classes, Management Control and New Product Development. They don’t focus on Start Up and I will learn how companies continuously implement their strategy and incubate their new growth opportunities. My past experiences are for large enterprises; thus, I would like to hone them to understand the difference between Start Up and established company clearer.

Anyway, I would like to stretch myself as much as possible.

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今日からバルセロナでの新学期がスタートした。既にインテンシブモジュールをサン・パウロで終えてきているのだが、キャンパスで沢山の仲間と再会すると、改めて、始まったんだな、帰ってきたんだな、という感じがする。昨日サン・パウロから久しぶりにバルセロナの自分の家に帰ってきた時もそうだったが、とても懐かしく感じる。バルセロナが自分の居場所になっているんだなと感じる。離れて初めて気がつく。

 

1st yearが全て必修だったのに対し、2nd yearは全てが選択だ。僕は、3つの軸で科目選択をした。Emerging Market | Entrepreneurial Management | Leadership だ。

Emerging Marketはサン・パウロでのインテンシブが該当する。Latin AmericaのContextに加えて、新興国でのFinanceやMarketing、Cross Cultural Managementの勘所を学んだ。過去のIndiaを中心に新興国への参入戦略、そこでの成長戦略立案のコンサルティングの経験を整理できた。

Entrepreneurial Managementは次の2つのクラスが該当する。Working for Start UpとLeading Growth: Strategies and Challengesだ。前者はその名の通りで、Start Upで働く。パートタイムのインターンシップの経験に単位がついてくるようなものだ。後者はケーススタディと実企業へのコンサルティングプロジェクトを通じて企業を成長させるのに必要な戦略とその実行を学ぶ。成長著しいStart Upとそのフェーズを過ぎた成熟企業双方に関する経験ができるクラスだ。

Leadershipは次のクラスが該当する。Personality and Leadershipだ。自身のリーダーシップスタイルを強めるために自身の過去であり強み弱みをプロフェッショナルからのカウンセリング等を通じて明確にしていく。自分を省みることは仕事を通じてもまさに留学準備を通じても何度となくしてきたことだ。これはこれからも時折繰り返すことだと思う。そうであっても、この留学期間中に一度まとまった時間をとって客観的な視点も入れてやっておきたいと思った。IESEに来てからの1年で新たに見えた自身の強みや弱みもある。それらを持った自分とどううまくつきあっていくべきなのか一度こたえを出したい。

また、Entrepreneurial Managementに関連して次の2つのクラスを選択した。Management ControlとNew Product Developmentだ。Start Upに焦点を当てたクラスではないが、企業がどのように体系だてて戦略を実行し結果を出し続けていけるか、新たな成長の種を生み出し続けていけるかを学ぶ。自身の経験が大企業に関連するものに集中しているので、その経験を整理し磨くほど、Start Upで必要なそれとの違いを明確に理解できると考える。

 

さて。既に始まっているMBA後半ではあるが、改めて目一杯ストレッチしていきたい所存。

長い時間同じ環境にいるということ、とまっているということ

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同じ環境に長い時間身をおいてからその外に出ると、自覚せぬ間に当たり前になっていることが思いのほか多いことに気づく。コンサルティングを生業としていてプロジェクト毎に異なる業界で異なるテーマを扱っていても、提案も合わせたら結構な数の、多様な課題と向き合ってきたといっても、コンサルタントというプロフェッションであり、プロジェクト型のワークスタイルでありに長時間従事していたら、その外に出て初めて気づくことは多い。

ふと怖くなる。2つの意味で。ひとつは自分のケイパビリティが偏っていたということに気づいた、即ちそれに今まで気づいていなかった怖さ。自分が、自分が謙虚でいる以上に小さい存在だと今まで気づいていなかった怖さ。もうひとつは、ケイパビリティだとか自分の幅とか言う考え方をしている怖さ。そんなものを気にしてどうという話ではなく、自分が世に出したいインパクトがあるなら、自分を賭して解決したい課題があるのなら、ケイパビリティが偏るなどという話はどうでもよくて、偏ってるなら身につける、身につけている人をチームに巻き込むか、行動が全てのはずなのに、そこを怖いと言っていられるモラトリアムにいるんだという怖さ。

怖いという表現をしたが、今より早く気づけるタイミングはない、軌道修正をかけられるタイミングはない。そしてこうしたモラトリアムにいるからこそ種々の圧力なく自分の人生を考え、自分が生を受けた世界を、時代を広く捉えられるはずだ。

ひとまず、つくりだした機会に全力でこたえ、自分を変えて行きたいと思う次第。

 

IESEでのケーススタディをまとめる。日々クラスで何が起こっているのか。

クラスでもっと貢献するにはどうしたら良いか、学びを深めるにはどうしたらいいか、IESEへやってきてから何度となく考えている。が、そもそもクラスで何が行われているのか、ケースディスカッションについて特段触れていなかった。そもそもケースインテンシヴなカリキュラムは自分がMBAに進むに際して一つ大切にしていたポイントでもあった。その期待と現実を比較しながらまとめたい。いくつかのパーツは既にこのブログに記した内容と重なっている。

まずそもそもケースインテンシヴといってもどの程度のものなのか。1st Termで言えばLeadershipやMarketing Management等のクラスは100%、Financial AccountingやDecision Analysisといった基礎知識が大きく求められるクラスにおいてもケーススタディの比率は前者で40%、後者で80%程度であった。ケースの比重に応じてクラスに臨むに際して求められる準備のレベルも高まる。この点は良いチャレンジになっていると感じている。

1st Termでの経験を通じて3つ新たな気づきを得た。クラスディスカッションへ貢献する難しさと楽しさ、学びの深さは自分が規定する、ケースディスカッションを楽しむ仕組みの存在とその大切さの3つだ。


まず、クラスディスカッションへ貢献する難しさと楽しさ。1クラス75分の中で70人程度のセクションが議論を交わす。ケーススタディ中心のクラスが多いと言うことは、クラスディスカッションへの貢献が成績に占める割合が大きいということ。高いもので50-60%になる。クラスを開始し、ひとたび教授がクラスに問を投げかけるとクラスの1/3から半数程度が手を挙げる。そこからディスカッションのフローが始まる。難しいのは、その非常に柔軟性の高いフローの中で自身の主張を立てポジションをとることだ。多くの意見が様々な角度から出る。ケースの情報を提供するだけのものもあれば、鋭い示唆を含むものもある。ケースの枠を超えた各人のバックグラウンドに根ざした実体験もある。教授が強く指揮をとることはあまりない。ポイントポイントで軌道修正をすることもあるが、問を深め、広げ、クラスの議論をゆるやかにコントロールする。後は学びのポイントを強調する、議論が散らかりそうになった時に整理する、という具合だ。オーケストラというよりはジャズに近いイメージだ。なので、自分がいかに筋の良い意見、面白い意見を持っていても、議論のフローを理解していないと発言は難しく、流れを外す/変えるような意見であれば(往々にして重要な学びはそのような意見から生まれる)それを貫くだけの裏付けが求められる。

それを成し遂げることが楽しいのだと感じている。自分の投じた意見、奏でた音に周りが加わって価値のある議論が生まれていくことは本当にエキサイティングであり楽しい。反面、それができないときは悔しい。


次に、学びの深さは自分が規定するということ。上記のようなディスカッションが75分なされ、教授が最後に簡単にラップアップし、時折ケースの後日談を話し、クラスは閉じる。そこから何を得るのか、それは自分が何を求めてそのクラスに臨んだのかが規定する。予習を十分にせずに臨んだクラスから得るものは少ない。自分の中にそのクラスから何を得たいのか、クラスで何を問いたいのかが不明確だからだ。問なくして答えは得られない。目標なくして成果は得られない。感覚値だが予習には1ケースあたり2-3時間程度使っている。

そして、その75分間のクラスをいかに濃いものにするのか、それは自分のクラスへの貢献が規定する。クラスの議論の質が良くないと感じた時、浅いと感じた時、それを良い物にするかどうか、深めるかどうかは自分にかかっている。自分と同じ意見をもった他のクラスメイトが動くことも勿論ある。しかし全てがそうではないし、そうであってはならない。その感覚、意見の違いこそが自分の存在意義なのだから。他人と全く同じであるなら、周りからして自分がそこに存在する価値はない。自分の得たい学びにたどり着くためには、自分の準備と貢献が求められる。そしてその経験を通じて、自分のクラスの中でのポジションがつくられる。


そして、ケースディスカッションを楽しむ仕組みの存在とその大切さ。上記のようなケースディスカッションなので、常に張り詰めた空気の中でシリアスに議論がなされているかというとそうではない。クラス中の笑いを誘うような意見を出すクラスメイトもいれば、突き詰め考えに考え抜いた結果当たり前の事柄がすっぽり抜け落ちてしまうような“天然”の意見を口にするクラスメイトもいる。そういった発言をした人に対して何が起こるかというと、賞(?)が与えられる。背景は把握していないのだがカウ(牛)のぬいぐるみが渡される。毎週金曜日のクラス後に、月曜日からノミネートされてきた今週の面白発言がおさらいされる。それに対してクラスで投票し、翌週カウが誰のもとに置かれるのかが決められる。当人のネームプレートの横に置かれるので、教授に対しても“彼女/彼は面白いことをいったんだな”とひと目でわかる。更には、一学期であれば期末にクリスマスボールというクリスマスパーティがあり、その場でセクションを跨いだのCow of the yearが決められ、賞が与えられる。

また、教授によっては、“同じ意見を言ったら1€ペナルティ”というルールを設けられる。議論が白熱していると、そして日々の学習で疲労が蓄積していると、周りの議論を十分に追わずに自分の意見を言うケースが発生する。それを予防する効果がある。似た発言があった際には、最初の発言者へ“今の彼女/彼の意見は君と同じかい?”と確認し、同じであったらペナルティが発生する。ペナルティの判断が生徒に委ねられている。その瞬間の微妙な空気はいつでも面白い。また、その逆で教授が生徒の意見を聞いていなかったケース、もしくは教授の携帯電話がクラス中になったケース等は、教授も同様にペナルティを受ける。そのお金はぶたの貯金箱へ貯められ、外部団体へ寄付される。

こういった、シリアスな議論を重ね深めていくことだけに偏らず、それを楽しめるちょっとした工夫がなされていることは自分にとって新鮮であった。また、議論が白熱・迷走した際にこの仕組の大切さを強く感じている。

日々こうしてクラスを3つ行い、加えて月曜と金曜にはスペイン語をクラス後に3時間ずつ学習しているというわけだ。

あなたの表情がそう言っていない

今週も引き続きスペイン語のクラス。先生の行動から得られる気づきは多い。今日も1つあった。
クラスで文法について説明をしている際不明な点があったので質問をした、返ってきた答えを踏まえ新たな質問が浮かんだ。クラス全体に向けて”わかった?”と確認がなされた。新たな質問は細かい内容だと思っていたので流そうかと思っていた。しかし気になっていた。周りからも新たな質問はでなかった。すると先生はクラス全体に対して、
”私からはクラス全員の顔が見えます。本当にわかっている人には”わかった”という表情があります。私は●●年スペイン語を教えています。私には”わかった”という表情がわかります。わかった人は無表情で”わかった”と言ったり、ただ頷いたりはしないのです。このクラスにはまだ”わかった”表情になっていない人がいます。さあ質問して下さい。それにこたえるのが私の仕事です。一切ためらうことはありません。質問をしてください”
と言った。(一部意訳・補完)
他のクラスメイトはわからないが僕には質問があった。それを投げかけると、先生は明確に答えた。そのやり取りに付随して生まれた他の質問に対しても明確に答えた。そして、
”わかった?”
と再度確認し、クラスを見渡し、次はそのままクラスを進めた。
これは自身のミッションを適切に定め、相手への思い、自身の職務に対する覚悟を示す行動だと思う。
それは、自身のミッションが、”相手に”わかった”と言わせる/頷かせること”なのか、”相手にわかってもらうこと”なのかだ。前者であれば、言葉のとおり。相手がわかったと言えばいいし、頷けばいい。後者は違う、そこを疑う必要がある。相手がわかったと言おうが深く何度も頷こうが関係ない、本当にわかっているかどうか、その判断基準を設けそれを満たさないならば満たすまで力を注ぐということだ。
その判断基準は、わかっているのならこれに答えてみて?と軽く問いを投げかけることかもしれない、試験もその手段に入るだろう。しかしこの先生はそういった手段はとらずに”わかった”という表情を基準としてクラスへ改めて問いかけた。
それを基準にできるということは何を示すのか、それは、過去●●年間にわたってクラスメイトそれぞれの表情からも考えを読み取り続けてきたということと、”わかった”表情にクラスを至らしめその表情を認識できる程自分の目に焼き付けてきたこと、そして今この瞬間もクラスメイトそれぞれの表情の動きまでみてクラスに臨んでいるということを示す。
そしてその基準を持って、クラスをとめてでも問い直す姿勢は、このクラスをわからないことを残したまま出ていかれたら自分は仕事をしていないことになるのでそうさせないという覚悟と、自分はどんな質問にも答えられるのだから一切ためらわずに全てをぶつけてこいというプライドを感じさせる。
自身にミッションを定める活動の中で、相手の発するnon Verbalのメッセージをシャットアウトして言葉を拾うだけで済ませていないか。それを疑える程積極的に相手を理解しようとする姿勢を持てているか。その結果のすべてを受け止める覚悟と力を持っているか。
学ぶとともに自身を省みる。