銀座キルフェボン

食べに行ったわけではないのですが。
土曜日の夜は銀座のやまとで食事。薬膳鍋のお店だが昨年末に新しい味の鍋をだしていたのを思い出して行ってきた。白スープなのだけどラーメンでいうと塩とんこつ。さっぱりしていておいしかった。ラーメンと同じくしっかりした味を楽しみたい場合は昔からある味がオススメ(しめの中華麺は白で食べた方が美味しいと思ったが)。
帰りになんとなく歩いているとキルフェボンの前を通る。あまり彩りのない銀座の中のとおりにあって一軒暖かい色で輝いていたので写真を撮る。入り口に咲いている花は桜ではなかった(遠目に見て桜かなと思ったのだが)。
来週には4月にはいるけどまだ寒い最近、早く花見を楽しめる気候になってほしいところ。
(最後の写真は数年前にいったここキルフェボンのタルト)

最後の授業

最後の授業 ぼくの命があるうちに
ランディ パウシュ (著), ジェフリー ザスロー (著), 矢羽野 薫 (翻訳)
この本は発売前から一部で話題になっていたと記憶している。確かtwitterで誰かがこの本に触れていたからだったと思うが気になって手にした。彼の病状や当時の余命というのは話題になっている中でわかっていた。彼のバックグラウンドでありキャラクターでありというのは全くわかっていなかった。
映像が始まる。
教授らしくない?最後の授業らしくない?(教授の服装であり、最後ということでありに思い込みがあった。が、彼はポロシャツとチノパンだった)の出で立ちに、そういうものなんだと思いを改めて見ていた。
第一声と同時に感動を覚えた。
授業が始まってすぐに感動を覚えた。余命2ヶ月余りの癌に侵された人間がこれほどエネルギッシュなものなのかと。ユーモアに溢れ、微塵も陰りを感じさせないほどに燦然と輝くものなのかと。小柄な(おそらく)彼が大きく感じられ、その声には魂が込められているように感じられ、一瞬にして彼の世界に入りこんでしまった。
そしてプレゼンテーションが圧倒的にうまい。
そう。プレゼン自体がうまい。ストーリーの構、資料の構成、スライドでつかわれている言葉。すべて配慮が行き届いているように感じた。そしておそらく数分に一度は会場を沸かせている、笑いをとっているのだ。本筋からそれるが日本の大学でこのようなプレゼンテーションを学生の前で披露する教授はあまりしらない(知っている数名はいずれも海外の大学での教授経験を持っている)ってこの講義と比べるのは少々違う。
あっという間の90分だった。
このDVDであり本は頭で何かを学ぶ類のものではない(書籍の方はDVDでの講義+その裏側が書かれている)。ただ、”今の自分が自分の限界なのか?””今の自分は本当に自分らしい人生を謳歌しているか?”という問いを強烈に自分の内側に生じさせる、自分の心を突き動かすものであると思う。
自分の夢にむかってまた走り出そうと思う。

富の未来

富の未来 上巻
富の未来 下巻
A. トフラー (著), H. トフラー (著), 山岡 洋一 (翻訳)
4年近く前の発売時に買っていたのだけど本腰いれてひらいてはいなかったこれら著作。本日ひたすら自分に情報をインプットする中でヒントになりそうな分野であったのでついに開いた。今回は目的を絞っての情報サーチだったため全体についてキチンとコメントはしない。ただ上巻にあった知識等に関する定義と、下巻にある日本についての洞察は目的関係なく興味をひいたのでそこに触れたい。

P.192
データは通常、状況から切り離された個別の項目だとされる。たとえば、「三百株」はデータである。データとそれを取り巻く状況とを組み合わせると、情報になる。たとえば、「われわれは医薬品会社Xの株式を三百株持っている」というのは情報である。
情報を組み合わせてもっと幅が広く、もっと高い水準のパターンを組み立て、それを他のパターンと関連づけたときに、知識と呼べるものになる。たとえば、「我々は医薬品会社Xの株式を三百株もっており、相場全体が上昇するなかで二ドル高くなったが、出来高は少ないし、連邦準備制度理事会が利上げする可能性が高い」というのは知識である。

(情報と知識の定義の違いが曖昧に感じるが)

P.234
何かが真実かどうかを判断する際には、少なくとも六つの競合する基準が使われている。
常識
一貫性
権威
啓示
時の試練
自然科学

P.235-250
科学と技術だけで先進的な経済が生まれるわけではない。そして知識集約型の経済で成功を収めるには、製造業だけを基盤にするわけにはいかない。先進的なサービス業も必要である。日本は、製造業の進歩を速め、世界全体で供給連鎖の速度を速めてきたが、コンピュータと情報技術、新しいビジネス・モデルと経営減速をサービス業に適用する点では、動きがはるかに遅い。
(中略)
要するに、日本の経済発展が不均衡なことから、かなりの程度の同時性のズレが生まれており、いまだに日本経済全体に歪みが生じている。製造業とサービス業でいまだに同期がとれていないのだ。
(中略)
技術系のベンチャー企業はベンチャー・キャピタルを必要とするが、日本ではこれが不足している。ベンチャー企業に適した環境のひとつは金融の民主化であり、資金調達にいくつもの道があって、それぞれが競争しあっていることが重要だ。(中略)経団連の白髪の紳士が重い腰を上げてデジタル・ニューディール構想を提唱したが、成果は上がらなかった。
(中略)
日本の集団決定方式は今後衰えていくだろう。高速の変化から圧力を受け、個性を重視する若い世代が力をつけていくからだ。
(中略)
日本はこれまでくり返し示してきたように、きわめて創造的な国であり、他国がまだ気づいてもいない問題で、小さくはあるが鮮やかな解決策を見つけだしてきた。いま山積している問題を解決するには、この創造性と新しい方法を考え実験する意欲を、もっと大きな規模で発揮する必要があるだろう。

「共感」で人を動かす話し方

ロジックだけでは思いは伝わらない! 「共感」で人を動かす話し方
菅原 美千子 (著)
昨年、パートナーからsagadの強みは人間力だと言われた。おまえは人を動かすのがうまいと。嬉しいがどうにも自覚がない。単体での力が甘いということだなと解釈している。とはいえ気になる自分の強み。こういう状態でソフト系の話にいまいちど触れてみようと手にとった本の1つがこれだった。
人を動かすのが下手な人は何人か目にしたことがあるがそれがレアなケースであって自分がうまいわけではないというのが自分の中の理解だ。ちなみに人を動かすのが下手だと思える人の特徴を次にぱっと思いつく範囲でランダムに書いてみる。全て私の独断だ。

・自分は(相手より)正しいという前提にたっている
・相手の能力を過小評価している
・性悪説に基づいて相手の反応を解釈している
・相手にレッテルを貼り、そのレンズを通して相手をみている
・相手の反応(事実)よりも自分の考え(思い込み)を優先し、その矛盾にフラストする
・目標達成は自分の仕事であり相手はその手段だと思っている
・相手の背景に関心がない(自分と関わる部分だけをみている)
・感情はノイズだと解釈する(重要性は頭で理解しているが)
・感情を併せて人に頭を下げることができない

書きながら、自分もそういう時があるなと反省する。
ということで本の内容へ。
とてもわかりやすい。平易な言葉で書かれていて、かつ具体的なところに踏み込んで書かれている。
まず最初にここから入る。

P.24
アリストテレスは、相手の行動や考え方を変えさせるためには、次の3つの要素が必要だと説きました。
①論理(ロゴス)
②感情(パトス)
③信頼(エトス)

で、特に論理以外の2つについてどのように扱えば良いのか、フレームワーク、事例、tipsが書かれている。共感を得るためのストーリーの種類・フレームワーク・組み立て方、その伝え方・事例、リーダーとしての振る舞い(部下の共感を得て動かすため)、普段の会話でのコツなどなど。
これまで手にしてきたソフト系の本の内容をわかりやすくまとめたように感じた。入門編に適した一冊ではないだろうか。
特に印象に残った部分を次に抜粋する。

P.110
信頼はどこから生まれるのでしょうか。それには3つの要件を満たす必要があります。
①その人の話を信じられる
②言行一致
③一貫性がある

P.119
リーダーとしてのファウンデーションをつくるための自分への問いかけ
・リーダーとして、これだけは必ず守るというルールを一つ挙げるとしたら?
・リーダーとして、一番大事にしたいことは?
・チームメンバーからどういうリーダーだと思ってもらいたいか?
・リーダーとして、何があってもこれだけはしない、と思うことは?
・リーダーとして、メンバーのモチベーションを上げるためにできることは?
・チームメンバーが、リーダーとしての自分に期待していることは何だろうか?
・チームでこの1年間つくり出したい成果は何だろうか?

八坂神社

京都の夜は祇園のとり安へ(Twitterでつぶやいていたので一部重複)。その後は八坂神社に足をのばす。まだ桜は咲いていなかった。次に来る頃には桜の季節も終わっていると思うので少々残念。しだれ桜を見たかった。
神社の中を少し歩いた。目に映るその風景の中に大学時代の自分や友達の姿が鮮明に思い出された。