現代の経営戦略

マッキンゼー現代の経営戦略
大前 研一 (著)
いつ頃だろうか。この本の存在を知った頃には既に絶版となっており、オークションで5-8万円程度でやりとりがなされていた。一度中身を見てみたい、と思っていたら今度は復刊。しかも1,890円。ということで偶然のタイミングにも後押しされて復刊直後に入手、ようやく読了。
この本はとても良い。大きく6つのアプローチが紹介されているがどれもが極めてオーソドックスな内容であり、奇を衒った内容は一切ない。直球。かといって一般論、論理一辺倒にならずに事例を交えながら具体的に語られている。

章立て
序章 新しい企業環境とその戦略的意味
第1章 PMS – 製品・市場戦略の効果的立て方、考え方
第2章 PPM – 戦略的経営計画の立案および実施の方法
第3章 PIP – 抜本的収益性改善のための系統的アプローチ
第4章 OVA – 競争力増加のための間接費削減法
第5章 SFM – 効率的な販売戦略展開の方法
第6章 TPM – 技術開発戦略の効率的管理
終章 戦略的組織とは?

この本にあるセミナーがMcKinseyによって催されたのが30年前。勿論古いところもあるし、使えるtoolの変化はドラスティックだ。この本は全てのチャートイメージが手書きだが今手書きでプレゼン資料をつくることはレアだと思う。仕事における調査方法にしても然り、経営管理のツールもそうだろう。KGI / KPIが自動的に収集され意思決定に必要な材料が最大限迅速に揃えられる、経営の見通しを立てて将来を予測しつつマネジメントする企業も増えているだろう。
にしてもwhatの部分はそれほど変化がない、上記各章にて説明されている手法は今でも十分に活用する価値がある。それは上記のようないくつかの部分でドラスティックな変化を経てもなお経営管理の考え方そのものにおいて変化がないからではないだろうか。
上記にある各テーマについて、自分が責任を背負って取り組むとなったときに考え方・手法について少しでも疑問のある人は読むべき1冊であると思う。