魚眼レンズライクな写真

今日は夕方京都へ移動。何度となく見ているのだけど、ふと気にとまったこの建築。写真におさめた。
iPhoneを使っている。iPhoneについているカメラの性能は良くない。携帯のカメラに性能は求めていないが。そんなときでもこうして目の前に広がっている風景であり建築物でありをとろうとすると画角の広いレンズが欲しくなる。
そんなときに使うのがiPhoneアプリのAutoStich。つぎはぎの写真をつなげてくれるアプリだ。何枚かとるのが手間に感じるかもしれないが遠くを撮る分にはピントを気にすることもそれほどないし3*3で9枚程度写真をとって後はこのアプリに任せればうまくしあげてくれる。
使用頻度は低いが気に入っているアプリだ。

市場からいなくなる日

写真を撮るのが好きだ。もとをたどれば初めて手にしたデジカメはSonyのCybershotだった。200万画素程度のサイズもとても小さいもので、”ビジュアルブックマークしよう”というキャッチフレーズに惹かれたのを覚えている。(参考:http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200206/02-0627/
その後いくつかのデジカメを経て、SNSやブログに触れる機会が増えるに連れていつの間にか写真が趣味になっていた。そしてデジタル一眼レフを手にした。初めてのものはNikonのD40x。色々いじったりレンズを買っているうちに物足りなさを覚えるようになりD300を手にした。気がつけばレンズも増えた。今もそれをつかっている。腕はなかなか上達しないが明確な意図をもって上達しようという考えも特にない。自由に感じるままに撮るレベルが心地良いので。
ふと価格.comでD300のページをみた。新製品はまだ発表されていないものの、D300はそろそろ市場から姿を消そうとしているようだ。価格.com上だと取り扱っている店舗も残すところあと1つになっている。
発売当初から手にしている人もいれば、そうでない人もいる。まだまだD300についての質問を投げかけたり情報交換をしている人もいる中で、寄せ書きのようになっているレスをみつけた。
http://bbs.kakaku.com/bbs/00490711094/#11028825
これだけ愛されている製品というのは幸せだと思う。そしてこの開発・製造・販売に関わった人々もきっと幸せなのではないかと想像する。冥利に尽きるだろうと。
コンサルタントは自分たちで製品をつくることはない。クライアントと共に作り上げた戦略やその過程でお互いに身につけた知識や暗黙知にはかたちがない。文字や図や、データこそあれ。
それらがいつまでたっても大事に抱えられているというのも考えようによっては幸せではない。実行して、結果をだして、それらとさよならして次の一歩をはやく踏み出してもらうことが幸せだと思うから。僕たちもクライアントも同じ課題といつまでも対峙しているわけではない、お互いに成長して、より高みを目指していかねばならないと思う。
それでもその土俵に登るまでは、今回こうしてつくりあげた戦略でありオペレーションでありには、魂を込めて、苦しいときがあっても握りしめて実行しきって欲しい(臨機応変に)。
最終報報告前夜、ふと思った。
#ってタイトルがふさわしくないか。。

チームであることの意味

ひとりでやる仕事は限られている。そしてひとりでやるプロジェクトはない。参画するコンサルタントがひとりのプロジェクトはあっても。複数人でチームを組んで動く。その中で大切にしたいのが、そのチームであることの意味だ。つい忘れてしまいがちだが。それはチームの能力を最大化する、チームメンバーの成長を最大化するのに必要な要素だろうと思う。
ここに気付いてない人間は、チームだからこその成功経験を持っていないのか、isolateされた環境で能力を最大限発揮できるタイプで周囲に干渉しないか、個々人の能力最大発揮は個々人の責務であるという考え方をもっているかといったあたりだろう。
メンバーとして動く分には、ひとりで仕事をする分には上記でもまだいいがマネージャでありパートナーであり、人・組織を率いる立場になるとそうはいかない。そして冒頭のにも書いたが一人でやる仕事は限られている。
そうこう書いている自分もタフな状況ではついチームであることの意味であり、チームとしてのパフォーマンスを最大化するところへの意識が薄れてしまうことがある。
自分が優秀であること、価値があることは前提として(そうあるための努力は怠らず、でないと自分が要らなくなってしまう)、チームにも意識を伸ばして走っていきたいと思う。

ディスカッションの質

今のチームは定期的に集まって勉強会をしている。テーマは色々あるのだけど、それぞれの講師がそれぞれの分野のプロフェッショナルだし集まる人間もコンサルタントで日々プロジェクトで格闘してる集団なのでとても面白い。
ディープな内容になってくると理解に少々の時間を要することもあるが基本的に全員が理解・レスポンスが早い。そして当たり前だけどそれぞれの意見にはそれぞれのロジックが通っていて前提に関する議論であり、その置き方に関する議論であり、勿論ロジックそのものの議論、ファクトの解釈の仕方の議論、そもそものケースに関する議論、というように盛り上がるポイントは無数にある。
そんな中で切れるのはやはりパートナーだったりするのだけど、彼がまた面白い。切れ味や自分の意見におけるケースの解釈の仕方、前提の置き方、ロジックの組み立て方、いずれもシンプルに鋭いところをついているのだけど、他人の意見に対するリアクションがしなやかなのだ。
ディスカッションのレベルを3つに分けると大体次の3つになる。
・相手の話が構造的に理解できないし、自分の意見を構造的に話せない
・相手の意見は構造的に理解できないけど、自分の意見は構造的に主張できる
・相手の意見を構造的に理解できるし、自分の意見を構造的に話せる
彼は3つ目。更にいえば相手が意図していない背景や構造も自分の中で組み立てて解釈し、相手の意見の良し悪しを逆に相手に教えてあげながら自分の考えをキチンと主張するのだ(基本的に自分に素直なので、あまりに意味が分からない場合は一蹴(たまに無視?さえ)するのだけども(苦笑))。
コンサルタント(特に若手-中堅)には2つ目で満足している人間が案外多いように見える。クライアント相手であれば3つめの段階にとどまろうと努めるのだけど仲間内でのディスカッションとなった途端に2つ目になるパターン。
表面上の相手のエラーをついて、あとは自分の主張一辺倒になるパターンだ。
コンサルタントである以上、構造的にものを考えられない・話せないというのは致命的なのだけど、勿論ロジックだけがコンサルタントとしての武器ではない、これは犬の躾みたいなものだ。中には躾はなってないけど嗅覚が優れているものもいればその他様々な長所をもっている人間もいる。また多くの場合組み立てるロジックの違いは、目的の置き方の違い、状況の解釈の違い、前提の置き方の違いに拠っている。
そんな中でロジックが通ってる/通ってないというレイヤーでディスカッションをするというのはあまりに勿体無い。ましてや相手のロジックが自分の中で通らないだけで耳をふさいでしまうというのは多様なチームである価値を毀損している。そもそもに立ち返ってディスカッションし、更に価値を付加する機会を放棄している。
パートナーのしなやかなさばき(根元にあるのは純粋な知的好奇心かな)をみて、自分も時折つい忘れてしまいがちな、相手の意見をしっかり理解する、自分から価値をみつけにいく姿勢の大切さを改めて思い出した。その姿勢がディスカッションの質を高めるし、なによりチームの力を高めるのではないかと思う。

現代の経営戦略

マッキンゼー現代の経営戦略
大前 研一 (著)
いつ頃だろうか。この本の存在を知った頃には既に絶版となっており、オークションで5-8万円程度でやりとりがなされていた。一度中身を見てみたい、と思っていたら今度は復刊。しかも1,890円。ということで偶然のタイミングにも後押しされて復刊直後に入手、ようやく読了。
この本はとても良い。大きく6つのアプローチが紹介されているがどれもが極めてオーソドックスな内容であり、奇を衒った内容は一切ない。直球。かといって一般論、論理一辺倒にならずに事例を交えながら具体的に語られている。

章立て
序章 新しい企業環境とその戦略的意味
第1章 PMS – 製品・市場戦略の効果的立て方、考え方
第2章 PPM – 戦略的経営計画の立案および実施の方法
第3章 PIP – 抜本的収益性改善のための系統的アプローチ
第4章 OVA – 競争力増加のための間接費削減法
第5章 SFM – 効率的な販売戦略展開の方法
第6章 TPM – 技術開発戦略の効率的管理
終章 戦略的組織とは?

この本にあるセミナーがMcKinseyによって催されたのが30年前。勿論古いところもあるし、使えるtoolの変化はドラスティックだ。この本は全てのチャートイメージが手書きだが今手書きでプレゼン資料をつくることはレアだと思う。仕事における調査方法にしても然り、経営管理のツールもそうだろう。KGI / KPIが自動的に収集され意思決定に必要な材料が最大限迅速に揃えられる、経営の見通しを立てて将来を予測しつつマネジメントする企業も増えているだろう。
にしてもwhatの部分はそれほど変化がない、上記各章にて説明されている手法は今でも十分に活用する価値がある。それは上記のようないくつかの部分でドラスティックな変化を経てもなお経営管理の考え方そのものにおいて変化がないからではないだろうか。
上記にある各テーマについて、自分が責任を背負って取り組むとなったときに考え方・手法について少しでも疑問のある人は読むべき1冊であると思う。