組織論再入門

組織論再入門
組織のデザインに関する一連のプロセスとポイント、また組織の背景にあるリーダーシップであり戦略へのコミットメント、モチベーションのコントロールにいたるまでがわかりやすくまとめてある一冊。方法論はこの本でなくても学べるが、読んでいて心に響くのはところどころに書かれている著者の考え方。たとえば、

組織というものは、あくまでも血の通ったものであり、人と人とのかかわり合いの中に組織の本質がある。人間不在の組織論は厳に慎むべきだ。

という言葉。組織の設計自体は少数の人間で書こうと思えばかけてしまう。しかし真に大切なのは、その組織設計の裏にある意図がどれだけその組織として動く人間の心に響くか / 環境の変化・戦略の変化に応じた組織の変化に対するコミットメントが得られるかだ。
単なる組織設計・プロセス設計にとどまらない、大切な考え方も伝えてくれる一冊だと感じている。

ビジョナリービジネス

ビジョナリービジネス
ベンチャーを立ち上げ、成長軌道にのせるまでの、経営者としてのマインドの持ち方について書かれた一冊。利己的なビジョンではなく社会に対してであり自分の周りに対しする貢献という観点からのビジョンを持つべき、そしてそのビジョンの達成が具体的に思い描けるビジネスプランを持つべきだという考え方を軸に、利益配分の考え方や意思決定権限の持ち方等についてまで書かれている。
僕自身は起業した経験はないが、周りにいる何人かの起業された方を見ていると、どなたも利己的なビジョンではなく崇高なビジョンを持たれて、そのビジョンに重なる手段として起業を選択しているように見られる。一部、ごく小さくではあるものの事業の手伝いをさせていただいたことがあったが、そのときも自分が動いたのはお金やネットワーキングなどということのためではなく、純粋に社会に対する問題意識、それを変えたい/より良いものにしたいというシンプルで筋のとおったビジョンとその人自身の人柄に惹かれてのことだった。
これからも、起業された方に限らず、自らであり社の理念・ビジョンに従って行動を貫かれる方のサポートができる存在でいたいと思うし、自らの理念・ビジョンに従うために起業という選択肢が最善であったときに、それを選択できる力を備えていたいと思う。

ぶらり丸の内

先週土曜日は台風が近づいたこともあって大雨。うってかわって日曜日は雲ひとつない快晴。特に予定もなかったのだけどあまりの天気の良さに誘われてぶらりと丸の内~銀座へでかけた。
ちょうど19(金)から丸の内仲通りガーデニングショーが始まっていたようで、丸ビルの中では生け花の実演がなされていたり苗が配られていたり。仲通りはところどころに作品が飾られていたり。天気のよさとあいまって、眺めていて心が癒された。
生け花やガーデニング、やったことはないのだけど見ていて面白そうだなあと思った。自分の感性を意図に落とすことを意識せずに、そのままの形で表現するという行為に癒しを感じる。ロジックは発想を縛るものではないと考えているのだけど、それでもやはり普段”なんで?””でなに?”というコミュニケーションを繰り返していると自然と自分の発想を、ロジックを組んで説明できる範囲に抑えてしまっているような感覚を覚えるし、そういうときの発想は往々にしてブレイクスルーのない常識的な範疇に収まってしまうことが多い。
平たく言えば”退屈な”思考だ。ロジカルであることが目的になっているんだろうな。本末転倒。ロジックをどう組むかなんていうことが瑣末な問題に感じられる程に、それらで支える目的・そこに向かう意志を強く・明確にしていきたい。
写真にしてもそうだけど、自分の感性をそのまま自由に使える趣味/それに使える時間を増やしていきたい。
ぶらりとそのまま銀座に抜けてITOCiAマロニエゲートで少し買い物。
本格的な秋、そして冬の訪れを待ち遠しく感じる今日この頃。

今日は朝早くおきてオフィスへ。夜の静かな時間の方が集中できると考えていたのだけど、朝の静かな時間に、穏やかな日差しを浴びながら考えを巡らせるのもいいものだと感じる。同じ時間でも夜に比べて朝のほうが心にゆとりを持てる気もするし。
これから寒くなる、朝布団から出るのがおっくうになるけど、少し朝型の生活を心がけてみようかな。
何はともあれ、今日も一日がんばろう。
今、これまでとはまた違ったチャレンジが求められているのだと感じる。過去の自分にに囚われることなく過去の自分をブレイクスルーしていく必要を感じている。
頭の中にたまに出てくるドラッガーの言葉
”自分に求められている貢献に焦点をあわせろ”
(ポジションが変ると求められる貢献が変化する。その変化を捉え、焦点をあわせることができなければそのポジションでパフォーマンスをあげることはできない)
意味合いだけ覚えてるので正確な彼の言葉ではないけど、つくづく考えさせられる。自分の行動を確かめさせられる一言だ。
少し調べてみたところ1966年の彼の論文の中で上記内容が書かれているようだ。言葉にすると軽くなってしまいそう・当たり前のようだけど、物事の本質というのは時間を経てもかわらないものなのだと改めて感じる。

オーバーアチーブ

オーバーアチーブ
マネージャと今後のキャリアや自分の強み/弱みについて話しているときに教えてもらった一冊。ハイ・パフォーマーという存在がどのような要素からできあがっているか、その要素を鍛えるためにどういったことを日々考え、行動していけばよいのかが具体的に書かれている。
ハイ・パフォーマーとは、

●組織の中で働きながら、組織に埋没せず、仕事の質とスピードを追求し、期待に応え、

●さらには期待を超える結果を出すことにこだわり、

●その一方で、チームを牽引し、チームの全体の組織力を高める高能力人材

ハイ・パフォーマーは気概、着眼・解の導出力、チームへの影響力の3つの要件を満たす

気概: 困難があってもやり遂げる意思、期待に応えることさらにはそれを超える結果を出すことへのこだわり、強い向上心など、心構えは行動の基軸となるもの

着眼・解の導出力: 問題を定義し、解決策を導き出す力。パフォーマンスの良し悪しは、依頼内容などの案件に対して、いかに速く優れた解を導き出せるかにかかっている

チームへの影響力: 一人がいくら立派な解を導出しても、それがチームに伝わり、遂行されて結果が出なければ意味がない。周囲の賛同を得られる人間的魅力も必要

一般的にハイ・パフォーマーをみると8つの共通点が存在する

<仕事に取り組む姿勢>

1. 能力を発揮する場を望んでいる

2. 「自分の仕事」という意識が強く、責任感が強い

<業務遂行能力>

3. 理解力を高める工夫がある

4. 優先順位の判断が的確

5. 時間管理能力がある

6. 資料の体裁が整っていて、表現力が豊か

<組織との関係>

7. コミュニケーション能力に優れている

8. 組織の中にいながら、個性を埋没させない

タフな状況になると、期待に応えることに集中しがちだけど(大事だが)、そんなときでも期待を超えるにはどうしたらいいんだろう?何ができるだろう?っていうことに思いをはせる余裕は持っていたいと思うこの頃。そこまでイメージを持って仕事に望めたほうが面白いし、結果としてタフな状況も乗り超えていけるような気がする。