組織論再入門

組織論再入門
組織のデザインに関する一連のプロセスとポイント、また組織の背景にあるリーダーシップであり戦略へのコミットメント、モチベーションのコントロールにいたるまでがわかりやすくまとめてある一冊。方法論はこの本でなくても学べるが、読んでいて心に響くのはところどころに書かれている著者の考え方。たとえば、

組織というものは、あくまでも血の通ったものであり、人と人とのかかわり合いの中に組織の本質がある。人間不在の組織論は厳に慎むべきだ。

という言葉。組織の設計自体は少数の人間で書こうと思えばかけてしまう。しかし真に大切なのは、その組織設計の裏にある意図がどれだけその組織として動く人間の心に響くか / 環境の変化・戦略の変化に応じた組織の変化に対するコミットメントが得られるかだ。
単なる組織設計・プロセス設計にとどまらない、大切な考え方も伝えてくれる一冊だと感じている。

ビジョナリービジネス

ビジョナリービジネス
ベンチャーを立ち上げ、成長軌道にのせるまでの、経営者としてのマインドの持ち方について書かれた一冊。利己的なビジョンではなく社会に対してであり自分の周りに対しする貢献という観点からのビジョンを持つべき、そしてそのビジョンの達成が具体的に思い描けるビジネスプランを持つべきだという考え方を軸に、利益配分の考え方や意思決定権限の持ち方等についてまで書かれている。
僕自身は起業した経験はないが、周りにいる何人かの起業された方を見ていると、どなたも利己的なビジョンではなく崇高なビジョンを持たれて、そのビジョンに重なる手段として起業を選択しているように見られる。一部、ごく小さくではあるものの事業の手伝いをさせていただいたことがあったが、そのときも自分が動いたのはお金やネットワーキングなどということのためではなく、純粋に社会に対する問題意識、それを変えたい/より良いものにしたいというシンプルで筋のとおったビジョンとその人自身の人柄に惹かれてのことだった。
これからも、起業された方に限らず、自らであり社の理念・ビジョンに従って行動を貫かれる方のサポートができる存在でいたいと思うし、自らの理念・ビジョンに従うために起業という選択肢が最善であったときに、それを選択できる力を備えていたいと思う。