プレゼン資料をつくるときすぐ使える2冊

この2冊をおさえればプレゼン資料の見栄えを良くできる。資料の見栄えが醜くて読まれない、見られない、価値が伝わらない、という事象は回避できる。
プレゼンテーションも資料もシンプルなほどよい。

プレゼンテーションをシンプルにしようとすれば自然とその構造の無駄をなくそうとする。行ったり戻ったりをなくそうとする。

資料をシンプルにしようとすれば自然とその資料・ページで言いたいメッセージをシンプルにしようとする。メッセージをシンプルにしようとすれば自然と何が本当に自分が言いたいことなのか研ぎ澄まそうとする。

その過程で、シンプルでない構造がどれだけ聴き手を混乱させ、コンテンツの価値を毀損しているかを知る。

シンプルでない資料がどれだけ自分の伝えたいメッセージの邪魔をし、コンテンツの価値を毀損しているかを知る。

構造でありデザインを良くすることは聴き手に対する最低限の敬意であり礼儀だ。

敬意を払い、礼儀をなすだけでは価値はうめない。

しかし価値があっても相手に敬意を払わず、礼儀を欠いて損をするケースは多いのではないか。

ノンデザイナーズ・デザインブック [フルカラー新装増補版]
Robin Williams (著), 吉川 典秀 (翻訳)

プレゼンテーションZen 第2版
ガー・レイノルズ (著), Garr Reynolds (著), 熊谷 小百合 (翻訳)

プレゼンテーション資料の質を最低限担保する2つのロジック

Marketing Planning and ImplementationのクラスのアサインメントであったMarketing Planのプレゼンも何とか終わった。このアサインメントを通じて得られたチームワークに関する気付きは別途振り返りたい。

今日はプレゼンテーションの資料をつくる際に、これを抑えておけば最低限の質を担保できる2つのロジックについて簡単に書いておきたい。

Horizontal Logic
Vertical Logic

の2つだ。それぞれの説明に入る前に前提を書く。

プレゼンテーションの各スライドに、そのスライドで伝えたいメッセージが明記されていること

2つのロジックについて説明する。

Horizontal Logic
プレゼンテーション資料のヘッドライン(明記した書くスライドのメッセージ)をつなげるロジック。例えばPowerPointであればOutlineモードにすると簡単に一覧できる。この書くページ数十文字のメッセージだけを読んだ時に、ストーリーとして繋がっていない、ロジックが通っていない場合、その資料はあなたがプレゼンテーションを通じて伝えたいメッセージを十分に支えていない。

Vertical Logic
プレゼンテーションの各スライドのヘッドラインとボディ(ヘッドラインの下の空白。スライドの大部分を占める)をつなげるロジック。例えばPowerPointであればスNormalモードにすれば一目瞭然であると思う。ヘッドラインに書いてあることをボディにあるサブメッセージ(表現方法はグラフかもしれないし、表かもしれない)の関係を見た時に、ロジックが通らない場合、そのボディはあなたのヘッドラインを支えるのに必要十分になっていない。

最低限、上記2つのロジックを担保することで、最低限、ロジック・ストーリーに飛躍のないプレゼンテーション資料がつくれる。

このロジックに従って資料をつくっていると、自分の言葉遣いに対する感度、グラフや表に対する感度、色使いに対する感度があがるはずだ。自分が伝えたいメッセージを表現しない、価値のない言葉は使わなくなる、メッセージを支えるのに適当でないグラフは表は使わなくなる。グラフは表の形・レイアウトは勿論、その中に含める情報とその順序も然りだ。そして色使い、なぜこの要素とこの要素の色は違うのか、なぜグラデーションなのか、なぜその色なのか。全てがメッセージを支えるという目的に照らして評価されるはずだ。

ロジックを考える順序も上記の通り。まずHorizontalプレゼンテーションの目的を達するために必要なロジックとストーリーを考える。そのメッセージをスライドに割り当てていく。次に、各スライドのボディに必要なサブメッセージを展開し、それを伝えるのに適した表現方法(グラフ・表・テキスト)を選択する。ここには例えばグラフであれば種類、盛り込む情報の決定も含む。最後に見た目直し。各スライドのメッセージを明確にサポートするために色使いのメリハリ、テキストの大きさのメリハリ、オブジェクトの位置のメリハリをつける。
#これはエンターテイメント系のプレゼンには向かない。

プレゼンテーションで気をつけるべき2つのこと

最近Communicationのクラスが面白くなってきた。コンテンツの構成を工夫すればとても良いクラスになると思う。

今日受けたフィードバックも織り交ぜてプレゼンテーションで気をつけるべきことを書きたい。Audienceの理解や資料等は除き個人のふるまいについて。

2つしかない。Verbalとnon-Verbalだ。個人のふるまいはこの2つの要素が構成する。

そして気をつけるためにするべきことは、自分のふるまいを自覚することだ。

前提としてAudienceの理解があり、その彼・彼女らにとってほしい行動があり、そのためのメッセージとそれをサポートする資料が存在する。目的達成を自分のVerbalとnon-Verbalの全てが一貫してサポートしている必要がある。
いかなる時にも、自分がコミュニケーションをとるその場面には上記が存在する。

例えば、相手が思い通りにならないときに怒る。Verbalでは怒っていることは伝えないが、non-Verbalでそれを伝える、しかめっつら?無表情?硬い腕組み?粗雑な物の扱い?パターンはいくつもあるだろう。

それはあなたがそうすれば相手が自分の望む行動をとってくれると思っているからだ。それが適切なのかどうかを判断するためには、そして適切でなかった場合に改善するためには、まず自分が相手に置いている前提ととっている戦略を自覚しなくてはならない。逆に言えば、自覚すれば自分の良し悪しを判断し、改善に着手する機会を得られる。

ということで、今日のクラスは各人のプレゼンテーションを見て、彼・彼女のVerbal、non-Verbalが誰をAudienceと設定していて、どのような戦略でメッセージを伝えようとしていると感じたかをフィードバックするというものだった。

TOEFLのSpeakingの学習と同じく、自分のプレゼンテーションを録画して見ることも、他人のプレゼンテーションをみてそれに対するフィードバックをすることも、コーチからのフィードバックを聞くことも、良い学習方法であると思う。プレゼンテーションの得意なタイプはひとそれぞれ。幅を広げるためには上手い人を真似るのがまずは早いし間違いない。

上記のフィードバックの観点から離れているのだが自分が得たフィードバックのうち今後チャレンジしたい点は2つあった。

・もっとRelaxしてプレゼンする
・もっとAudienceと仲良くする

新しい視点だと感じた。自分を振り返るとプレゼンテーションのほとんどが何らかの報告とセミナーでの講演や研修でのファシリテーションだ。相手は目上の方や年上(ご年配)の方であることが多く、仕事となれば尚の事、フォーマルなプレゼンテーションを心がけるようになっていた。そして自分の中でこれが無意識にプレゼンテーションの際のAssumptionになっていた。

しかし幾人ものプレゼンテーションを見て、コーチのパフォーマンスを参考にしていると、フォーマルなプレゼンテーション=Relaxしてはならないという式は成り立たない。=Audienceと仲良くしてはならない、というのも然りだ。そして確かに、Relaxすることも仲良くすることも、メッセージを伝える上で、相手を動かす上で、とても有用な手段であるケースがあると思える。

こうやって、自分が知らぬ間に引いていた境界線を自覚して、その外に飛び出すのはいつだってワクワクする。

プレゼンの幅、広げていきたい。

自分のプレゼンテーションを振り返る

僕はプレゼンテーションには2種類あると捉えている。ひとつはエンターテイメント系のプレゼン、ひとつはレポート系のプレゼン。きれていないけどこんな感じではないかと思う。前者のイメージはスティーブ・ジョブズのプレゼン。後者のイメージはコンサルタントの報告会でのプレゼン。
伝えたいメッセージがあり、プレゼンの後に聴き手に起こしてもらいたいアクションがあるという点で両者は同じだ。しかし、方法は大きく異なる。
エンターテイメント系のプレゼンで必要なのは、聴衆を惹きこむ掴みであり、ダイナミックで象徴的な文字・数字・イメージであり、時に照明や音楽をも巻き込んだ演出であり、何よりそれらが織りなすひとつのストーリーだ。無味乾燥な構造・ロジック・ファクトでは訴えかけられない、伝たわったと感じてもらえないものがある。伝わらない時点でどのようなロジックもファクトも無価値だ。一切の無駄なく、紡いだストーリーを相手に伝える。
レポート系のプレゼンで必要なのは、全体の構造・ロジックであり、メッセージが十分に分解され、その各パートが定性・定量的な事実で支えられており、要するに何であるのかが一貫して明瞭になっていることだ。ダイナミックで象徴的な文字・数字・イメージだけでは何が言いたいのかわからない、相手の解釈がぶれる、照明や音楽は、全体の構造・ロジックと関係がないのであれば無価値、むしろノイズでしかない。一切の無駄なく、研ぎ澄ましたメッセージを事実とともに伝える。
結局どっちがいい悪いなんて話ではない。それは聴衆に依存するからだ。
だからプレゼンテーションをする際にまず第一に知らねばならないことは聴衆が誰かだ(プレゼンをする時点で自分が伝えたいことは明確に自覚している前提)。そこなしにプレゼンテーションはつくらないほうが良い。
という聴衆に関する前提が与えられて、テーマが設定されて、プレゼンをするというコミュニケーションのクラスがこの2nd Termにある。チームでプレゼンテーションをするのだが、その様子はビデオ撮影され、その場でも他のクラスメイトやコーチからのフィードバックが得られるが、後から自分で自分のプレゼンを見て復習することもできる。
自分のプレゼンを見ていて思うのは、レポート系プレゼンに偏っているということだ。
チームプレゼンなので持ち時間は短く、用意する資料も決して難しい話ではない。また、チームのプレゼンテーションのメッセージや資料の一貫性は自分の関心の範囲外に置いているのでそこはいい。自分のメッセージとそれを支える自分の資料と自分のパフォーマンスにフォーカスしている。
このクラスは一貫してエンターテイメント系のプレゼンテーションを是としており、そこは僕は一貫してdisagreeなのだが、それと自分に必要なプレゼンテーションの幅の話は別。
明確なメッセージとロジックはあるとして、加えてジェスチャーや声の抑揚をつけて、アイコンタクトを個々人とじっくりとって、語りかけるようにプレゼンをしているイメージでいたのだけど、全然小さい。中途半端。
もっと大げさに表現して行かないと自分の理想のプレゼンテーションには届かない。エンターテイメント系のプレゼンテーションが求められるシチュエーションになったら尚更だ。
これはとても貴重な気づきだ。その他にも客観的に自分、そして自分のチームのプレゼンテーションを見て改めて学ぶことは多い。
勿論英語がもっとできたらいいと思う。ただ、それはプレゼンテーションのできそのものを制限しない。即興的な質疑であったりが生じた際にレスポンスに時間を要するがそれでしかない。ストーリーであれロジックであれは英語力云々の前に自分のものになっているはずなのだ、プレゼンを実際に行う前に。
プレゼンテーション、磨いていきたい

誰のためのプレゼンか

早いもので今日Term1の中間試験が終わった。Term5まであるので今日でMBAの10%が終わったことになる。
試験の代わりにチームアサインメントを課すクラスもあり今日はそのプレゼンテーションもあった。各チームのプレゼンを見ていて感じたのが誰のためのプレゼンか、誰にフォーカスすべきか、という点だった。
結論から言えば、プレゼンは聞き手にフォーカスすべきだ。誰かに対してプレゼンをする、それはその人に対して起こして欲しいアクションがあるからだ。従って、どうすればその人が気持ちよくこちらの望むアクションをとれるか、そこに集中すべきだ。
1. プレゼンテーションの準備をする際はじめやるべきことは、プレゼン後とって欲しいアクションの決定だ
2. 次にやるべきことは、聞き手の理解だ。聞き手がアクションを起こすのに必要な要素は何か。それらのうち聞き手が既に知っていることはないか?あるとしたらそれは何か?プレゼンテーションを通じてどの要素を提供できればよいのか。
3. 次はプレゼンの場所の理解。広さはどの程度か?聞き手の配置はどうなっているのか?使えるファシリティは何があるのか?
4. 次にプレゼンのデザインだ。それを理解してもらうために / 心深くに届けるためにどのようなメッセージをどのようなストーリー構成で伝えられればよいか、伝える際に使うべきビークルは何かを決める。
5. そしてプレゼンの道具づくりだ。KeynoteやPowerPointを使うなら、この段階でアジェンダと各ページのヘッドラインが決まっているはずだ。それをサポートするためのボディをつくりはじめる。
6. で、それをどのように伝えるかプレゼンテーションの練習。そこで話すスピード、声のトーンや抑揚、立ち位置、身振り手振り、アイコンタクトetc…の練習。最終的に、資料に自分が喋らさせられるのではなく自分の言葉で話しながらそれに資料がついてくるように感じられる状態までもっていく。
面白いもので、コミュニケーションのクラスで自分の身振り対するフィードバックをもらい練習しているからか、プレゼンテーションでの自分の振る舞いがダイナミックにできる人程そこに拘っていたように感じられた。
練られたGrabber、間のとり方、声の抑揚の付け方、空間の使い方etc…
しかしそのようなテクニックのみではプレゼンテーションの価値は多くは増やせない。上記の通り、自分の振る舞い以前の段階でプレゼンテーションの価値の大部分が規定されているからだ。そもそも聞き手を理解せずして、相手へ期待するアクションとそのための自分たちのメッセージ、ストーリーなくしてGrabはできない。
不明確な聞き手に望むアクション、曖昧なアジェンダ、支えるメッセージも構造も練られていないファクト、小さ過ぎるフォント、1ページにすし詰めにされたグラフ。
それを背負って、ただ雄弁に、ダイナミックに語りかけられる聞き手は何を感じるだろうか。
プレゼンでフォーカスすべきは聞き手だ。自分のパフォーマンスではない。自戒の念も込めて。