今年一年を振り返って

今年一年を振り返るといろいろなことがあったと思う。仕事で言えば戦略コンサルティングへ移った事が最も大きい。気持ちよいほどに自分を成長させる必要性を感じることができるしそれができる環境にいる。
正直今後のCareerであり人生でありについて考えていることもいろいろと変わりつつあるのだけど、心身をゆっくり休めて来年、また計画と目標を持って走り出したい(^^)
お世話になった皆様、今年一年、本当にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m

12/29,30と大学時代のサークル仲間で京都に集まった。会えば瞬時に昔に戻れる、思い切りバカのできる存在。感謝するとともに笑いっぱなしの一泊二日を過ごしてきました。大学を卒業してそれぞれが社会に出た。それから年を重ねる毎にこういったCommunityの大切さを感じます。

株式市場とM&A

図解 株式市場とM&A
仕事のことを気にせずのんびりできるこの時期、実家へ読みたい本を5冊程度持ち帰ってきている。そしてそろそろ今年一年を振り返ろうかなと思いつつ、今日読んだのがこれ。2時間くらいあれば一読できる内容。投資銀行青春白書と同じく、保田さんが書かれている。
”あなた”と呼ばれる主人公がカフェを起業し成長していく過程で経験する資本政策について、株式分割や他社の買収さらには敵対的買収(?)について簡単な流れや基礎知識を押さえることができる。FinanceにしてもAccountingにしても、本格的に学ぶ中でもしくは学ぶ前に、”具体的に身の回りで考えるとどういうときにこの知識やスキルは使えるんだろ?”っていうのを忘れずに実感を持って学習したい、おカネ周りの実経験を持たない人にはいい内容だと思う。物語の流れ自体もなかなか良い(最後すきです)。
ここの知識についてはGMSで身に付けていたと思うのだけど、この本を読んでいて改めて考えるのは学習の仕方について。ケーススタディと自分の当事者意識の重要性についてだ。結論から言うと、何かを学び始めるときに、その分野において経験がない場合は、わかりやすい、かつ自分が入り込んで主人公と重なって話を進めていける物語(ケース)から始め、その後その疑似体験を中心に各シーンで必要になる専門的な知識の細部を学習していくのがいい。その中で自分の目的意識と活用シーンが具体的に描けている人はそのシミュレーションの中で細部を学習していけばいい。
なんでこう思ったのか自分で考えてみたのだけどおそらく”ゴールを具体的に、正しく描き、それを維持しながら学習に臨むことができる”からだろう。
一番避けたいのは、例えば漠然とFinanceの知識が必要だと思いたち、やる気をもって”やるからには基礎から体系的に身に付けたい!”と有名MBAのテキストとして採用されているような書籍を購入し、1ページ目からかじりついて30ページ目あたりでおなかいっぱいになってしまうケースだ。
ケーススタディは上記のような事態を確実に回避する。ケースの主人公にとっては具体的な目的があるのかが明確になっている。1ページ目からかじりついてたら目的に答えるにはあまりに非効率的だと気づくことができる。また目的に答えることがゴールだというように、その背景も含めてゴールを具体的に正しく把握することができる。また、物語の流れをきらないために、登場するレクチャーというか具体的に知識を教える部分は必要最小限のレベル・スコープにおそらく絞られているので、目的意識を維持しながら物語を進めていくことができる。
これからも読みやすく流れをつかめるソースと、そのここの流れを詳細に教えてくれるソースを組み合わせて知識を吸収していくことができればと思う。
#もう1つ感じたことがあった。おそらく”図解”と言うほど図は使われていない。

企業統合

企業統合―あるPCメーカー、成功の舞台裏
ポストM&A、M&Aが行われた後のフェーズでどのようなことが起こっているのか。プロセス・システム・人等の側面からの企業統合について小説形式で書いた書籍。
ある日突然、事業部が他企業に買収されたという話を聞く。それと同時に3ヶ月(100日間)で企業統合を終えろという指令が下る。それをConsultantを使って協力しながら実行していく。
読んでいて感じるのは、まだちょっと自分に経験が不足しているのか、もしくは感受性が低いのかな、ということ。ポストM&Aといっても、ここに書かれたようなやり方から得られるのはProject Management(Program Management)の手法ではないかと感じられたからだ。一部はChange ManagementやCBMの方法論も含まれているけど。しかもそれらはポストM&Aに限った話ではない。
で、この理解のGAPを埋めるのが経験なのかなと。実際にM&A後の企業統合時に生じる利害関係のぶつかり合いや文化の違いのぶつかり合いを体で感じるか、感受性を高くして当事者意識を持って本を読めたらまた違う解釈ができるのかなと思う。とてもわかりやすく書かれていてさらりと読み終わってしまうのだけど、ここからどれだけのことを学べるかは自分次第(^^)
この会社(事業部)はおそらく買収した会社の日本法人として立ち上がったと思うのだけど、日本の中にも買収先の法人があったとして、物理的に同じ組織に人が混ざり合う時にはもっと難しい問題が生じてくるのだと想像する。コンサルティング、システム構築と同様、M&Aが価値を生むのは合併した後どのように1+1の答えを大きくできるかにかかってくる。くっついた時点ですべての価値が出るという話ではない。
あ、あと1つ。今回のProjectに自分がConsultant側で参画したときに、周りのステークホルダー心情をどのように察し、どのように調整していくことができるのか、そう考えるとConsultantが発する言葉や彼らが考えた行動の優先順位から学ぶことは多い。そう考えると、M&Aという単語をはずしてみると、そしてConsultantという立場から見ると、学んだことは多いかな。

投資銀行青春白書

投資銀行青春白書
2時間程度だろうか、ストーリーも面白くわかりやすくあっという間に読み終えた。実際に所属したことのない祖組織の話とはいえ、Consulの仕事と重なっている部分も多々あり、なるほどという納得感を持ちながら読み進めることができた。各Phaseの詳細の業務内容そしてその業務遂行に必要な知識やスキルを獲得するために理解すべき理論等はつど補っていけばいいとして、実感を持ちながらM&Aにおける投資銀行の役割の全体像を簡単に掴むにはとても良い本だと感じる。岩瀬さんのBlogのなかでも触れられているのだけど、あくまで1つの側面からみたストーリー。
最近Consulのこれからの競合は投資銀行だったり総合商社だったりと言う話も聞く。確かに戦略なりオペレーションを考える際にオプションの1つとして他社との提携だったりというものも検討するべきであり底に強みを発揮できるようになると結果として競合するようになるのではと考える。
また、コンサルには”お金”の感覚と実際にビジネスを実施するうえでの”リスクテイク”に関して弱いと感じるという声も聞こえる。
自分が目指す姿が上で言われているようなConsulに重なるかどうかはさておき、自分の出すべき価値をだすのに必要な知識であり技術であり経験というのは身に着けていきたいし積み上げていきたいと思う。

The World Is Flat

フラット化する世界(下)
ようやく読み終えた。気がつくと上巻を読み終えてから1ヶ月半近くが経とうとしている。
ここで上巻もあわせて振り返りたい。小難しいことを考えて書こうと思ったのだけどどうも窮屈なので頭の中に印象として残っているものをそのままアウトプットしたい。
上下巻を通して感じたことは3つあった。1つはフラット化する世界の中で生きていく上での健全な緊張感。1つは同じくフラット化する世界の中で生きていくことへの期待、1つは自分が持っているIdentityの大切さ、未来を描くことの大切さ。
●フラット化する世界の中で生きていく上での健全な緊張感
 アウトソーシングについて、またインドや中国の成長意欲の高さを見ていて感じた。コンサルティングにおいても業界や市場の基礎情報の調査程度はすでに一部のファームはインドあたりにアウトソースしている。彼らのコストパフォーマンスもさることながら、より感じるのは高い成長意欲。本の中で具体的には米国の大学へ行くための勉強への姿勢や普段の仕事への姿勢が具体的に書かれている。簡単に言ってしまうと、仕事の後の勉強なんて苦にならない。一日中何時間働こうと苦にならない。だってその先には自分たちの更なる成長が待っているのだからというスタンス。素晴らしいと思う。僕らは彼らと同じトラック上にいることを、そして同じ時間が流れているということを忘れてはいけない。
●フラット化する世界の中で生きていく上での期待
 より面白い世界になると思う。俗に言うWeb2.0の世界とフラットな世界は多分に重なっているところがある。ネットワークにつながることができる環境といくつかのソフトウェアがあればこうしてBlogとして誰しもが自由に自分の考えをUploadすることができるし、その逆に世界中の誰かがUploadした情報をDownloadすることもできる。F2Fで会わなくてもWeb上でつながることができるしCommunityを形成することができる。またそのCommunityがWeb上で実現できるCollaborationはF2Fであうのに限りなく近いことができるようになっている。後はそのCapabilityを活用する側の人間のReadinessの問題だと思う。
 で、何に期待してるのか?なんだろ…これまでより、Globalレベルでより多くの人と、より深くつながれるようになった。その可能性が何かしらの可能性の広がりそして期待を感じさせるんだと思う。BusinessにしてもPrivateにしても。
●自分が持っているIdentityの大切さ、未来を描くことの大切さ
 フラット化する世界の中でこれまでに書いてきたような緊張感や期待の根元で感じるのがこれ。自分ヶ持っているIdentityっていうのを大切にしていかないといけないし、こうして変わりつつある世界の中で描ける未来って言うのを描いていかないとなと。フラット化すればするほど自分がリーチできる相手っていうのは多くなっていって、その相手の多様性も増していくのだと思うけど、そのときに自分が何者なのかっていうところはこれまで以上に意識しておきたいと。例えば日本人だということと。日本の文化だったり歴史だったりとかをこれまで以上に大切に思う。
 後は未来を描くこと。期待してるように、これから先”個人”が行使できる影響力というのかなんというのか。存在感って言うのが大きくなっていくんだと思う。そういう世界に生きていく上で、Identityになるのかもしれないけど、自分の未来、自分だから描ける未来って言うのはしっかり描いていきたい。