企業統合

企業統合―あるPCメーカー、成功の舞台裏
ポストM&A、M&Aが行われた後のフェーズでどのようなことが起こっているのか。プロセス・システム・人等の側面からの企業統合について小説形式で書いた書籍。
ある日突然、事業部が他企業に買収されたという話を聞く。それと同時に3ヶ月(100日間)で企業統合を終えろという指令が下る。それをConsultantを使って協力しながら実行していく。
読んでいて感じるのは、まだちょっと自分に経験が不足しているのか、もしくは感受性が低いのかな、ということ。ポストM&Aといっても、ここに書かれたようなやり方から得られるのはProject Management(Program Management)の手法ではないかと感じられたからだ。一部はChange ManagementやCBMの方法論も含まれているけど。しかもそれらはポストM&Aに限った話ではない。
で、この理解のGAPを埋めるのが経験なのかなと。実際にM&A後の企業統合時に生じる利害関係のぶつかり合いや文化の違いのぶつかり合いを体で感じるか、感受性を高くして当事者意識を持って本を読めたらまた違う解釈ができるのかなと思う。とてもわかりやすく書かれていてさらりと読み終わってしまうのだけど、ここからどれだけのことを学べるかは自分次第(^^)
この会社(事業部)はおそらく買収した会社の日本法人として立ち上がったと思うのだけど、日本の中にも買収先の法人があったとして、物理的に同じ組織に人が混ざり合う時にはもっと難しい問題が生じてくるのだと想像する。コンサルティング、システム構築と同様、M&Aが価値を生むのは合併した後どのように1+1の答えを大きくできるかにかかってくる。くっついた時点ですべての価値が出るという話ではない。
あ、あと1つ。今回のProjectに自分がConsultant側で参画したときに、周りのステークホルダー心情をどのように察し、どのように調整していくことができるのか、そう考えるとConsultantが発する言葉や彼らが考えた行動の優先順位から学ぶことは多い。そう考えると、M&Aという単語をはずしてみると、そしてConsultantという立場から見ると、学んだことは多いかな。

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