投資銀行青春白書

投資銀行青春白書
2時間程度だろうか、ストーリーも面白くわかりやすくあっという間に読み終えた。実際に所属したことのない祖組織の話とはいえ、Consulの仕事と重なっている部分も多々あり、なるほどという納得感を持ちながら読み進めることができた。各Phaseの詳細の業務内容そしてその業務遂行に必要な知識やスキルを獲得するために理解すべき理論等はつど補っていけばいいとして、実感を持ちながらM&Aにおける投資銀行の役割の全体像を簡単に掴むにはとても良い本だと感じる。岩瀬さんのBlogのなかでも触れられているのだけど、あくまで1つの側面からみたストーリー。
最近Consulのこれからの競合は投資銀行だったり総合商社だったりと言う話も聞く。確かに戦略なりオペレーションを考える際にオプションの1つとして他社との提携だったりというものも検討するべきであり底に強みを発揮できるようになると結果として競合するようになるのではと考える。
また、コンサルには”お金”の感覚と実際にビジネスを実施するうえでの”リスクテイク”に関して弱いと感じるという声も聞こえる。
自分が目指す姿が上で言われているようなConsulに重なるかどうかはさておき、自分の出すべき価値をだすのに必要な知識であり技術であり経験というのは身に着けていきたいし積み上げていきたいと思う。

The World Is Flat

フラット化する世界(下)
ようやく読み終えた。気がつくと上巻を読み終えてから1ヶ月半近くが経とうとしている。
ここで上巻もあわせて振り返りたい。小難しいことを考えて書こうと思ったのだけどどうも窮屈なので頭の中に印象として残っているものをそのままアウトプットしたい。
上下巻を通して感じたことは3つあった。1つはフラット化する世界の中で生きていく上での健全な緊張感。1つは同じくフラット化する世界の中で生きていくことへの期待、1つは自分が持っているIdentityの大切さ、未来を描くことの大切さ。
●フラット化する世界の中で生きていく上での健全な緊張感
 アウトソーシングについて、またインドや中国の成長意欲の高さを見ていて感じた。コンサルティングにおいても業界や市場の基礎情報の調査程度はすでに一部のファームはインドあたりにアウトソースしている。彼らのコストパフォーマンスもさることながら、より感じるのは高い成長意欲。本の中で具体的には米国の大学へ行くための勉強への姿勢や普段の仕事への姿勢が具体的に書かれている。簡単に言ってしまうと、仕事の後の勉強なんて苦にならない。一日中何時間働こうと苦にならない。だってその先には自分たちの更なる成長が待っているのだからというスタンス。素晴らしいと思う。僕らは彼らと同じトラック上にいることを、そして同じ時間が流れているということを忘れてはいけない。
●フラット化する世界の中で生きていく上での期待
 より面白い世界になると思う。俗に言うWeb2.0の世界とフラットな世界は多分に重なっているところがある。ネットワークにつながることができる環境といくつかのソフトウェアがあればこうしてBlogとして誰しもが自由に自分の考えをUploadすることができるし、その逆に世界中の誰かがUploadした情報をDownloadすることもできる。F2Fで会わなくてもWeb上でつながることができるしCommunityを形成することができる。またそのCommunityがWeb上で実現できるCollaborationはF2Fであうのに限りなく近いことができるようになっている。後はそのCapabilityを活用する側の人間のReadinessの問題だと思う。
 で、何に期待してるのか?なんだろ…これまでより、Globalレベルでより多くの人と、より深くつながれるようになった。その可能性が何かしらの可能性の広がりそして期待を感じさせるんだと思う。BusinessにしてもPrivateにしても。
●自分が持っているIdentityの大切さ、未来を描くことの大切さ
 フラット化する世界の中でこれまでに書いてきたような緊張感や期待の根元で感じるのがこれ。自分ヶ持っているIdentityっていうのを大切にしていかないといけないし、こうして変わりつつある世界の中で描ける未来って言うのを描いていかないとなと。フラット化すればするほど自分がリーチできる相手っていうのは多くなっていって、その相手の多様性も増していくのだと思うけど、そのときに自分が何者なのかっていうところはこれまで以上に意識しておきたいと。例えば日本人だということと。日本の文化だったり歴史だったりとかをこれまで以上に大切に思う。
 後は未来を描くこと。期待してるように、これから先”個人”が行使できる影響力というのかなんというのか。存在感って言うのが大きくなっていくんだと思う。そういう世界に生きていく上で、Identityになるのかもしれないけど、自分の未来、自分だから描ける未来って言うのはしっかり描いていきたい。

専門性とばか

27日はベンチャーを経営されてるYさんと食事。22時前くらいにお店に入ったのだけど、久しぶりにお会いしたこともあり、お互いの仕事の状況、キャリアについて、プライベートについて、いろいろと話が弾む。その中で印象にあった(かつBlogに書きやすい)話を書くと2つあった。
●自分の専門領域って、CxOで考えると何なの?
 ”今の”自分がCxOになるとしたら、xって何が入る?という話。聞かれてみると結構すらりとは答えられない。Sを入れられるほどStrategyって自分の強みだっけ?Mを入れられるほどMarketingって…Fが入るほどFinanceって…Oが入るほど…、不思議とEはあまり考えなかった。これを考えると、CxOレベルに当てはまるレベルまで自分の強みが何なのか普段意識して動いてるかということ、また自分が何を自分の専門にしたいのかということに意識を向けられる。
 中長期的にどうありたいかって言うのを考えるのも大事だけど、今前の前にあるたくさんのチャンスを自分でどう生かしていくのか、自分の何をどうやって磨いていくのか考えながら生きていくことも大切。
●経営者になって変わったのは”ばか”をやれるようになったこと。
 Yさんが今年一年を通して変わったことは何か、という話になったときの答え。”ばか”やれるようになったかな、と。それまでは投資家との会話にしてもその他の会話にしても、どこかで必要以上に胸を張るというか、自分のVision、Missionそして戦略や戦術というものを”キレイ”に見せること、そしてそれができる自分であることをメッセージしようとしていたところがあったのだけど、この一年でそいういうのがなくなったと。事実わからないものはわからない、ただやりたいことはある。だとしたらそれをうまく考えられる人、うまく形にできる人の力が必要だって言うのは自明だし、そこは素直に聞けばいいんだと。
 DeNAの南波さんが似たことを言っていたのを思い出した。Consulをやっていたころは自分が”ばか”だなんて言うことは表に出せなかった。むしろそれは隠すべきことだった。でもベンチャーを立ち上げてからは、素直に”ばか”なんですってカイミングアウトできるようになった、と。徹底して磨かれたロジックや動かない膨大なFactなんかよりも、わからないけどやりたい、力を貸してほしいっていう不器用だけど確固たる意志の方がよっぽど人を動かすことができる。無理してかしこぶる必要なんてないと。
後はプライベートの話は具体的なベンチャーの支援の話。僕らのように何らかの組織に属して、そこで守られてビジネスをしている人間とはまったく違う、自分のMissionを果たすためにリスクも全部背負って日々戦っている方に自分が何ができるか。改めて考え直した。