相手の地図でものを見る

12/8(Fri)はActive Listening(積極的傾聴)について学ぶ機会を得た。その中では2人ペアになってみたり、即興演劇の役者の方とケースをやってみたり、面白く気付きに富んだ内容だった。振り返って整理したい。
まずActive Listeningについての気付きの前に書いておきたいことがある。それはプロの役者さんの雰囲気をつくる力について。
役者さんは同じケースの中で何通りかの性格を使い分けるのだけど、その入り方、そして相手や周りを飲み込む雰囲気をつくる力が素晴らしい。他の人が役者さんとケースをやっているときに第三者としてみていると、どうしたほうがいい/どうすべきでない等いろいろと見える。
しかし、いざ自分が1対1で役者さんと向き合ってケースをやるとなると、すぐにもうそのケースに入り込めてしまう。相手がフレンドリーなのか、怒っているのか、怯えているのか、そのキャラクターの感情がぐぐぐっと伝わってくる。いやいや、これはケースだし、なんて”冷めた”気持ちは微塵も無くなる。すっと自分が引っ張り出される。
中には相手のロールが怒りに満ち溢れているもので、それを受け止めきれずに泣いてしまう人もいたほどだ。
僕の評価は、「とても柔らかいスタンスで、自分が受け容れられている/受け止められていると感じる。安心して話ができる。間の取り方も良いしノンバーバルでのコミュニケーションが豊か。ロジカルに話を整理しながら聴いていくのは良い。ただ、相手が口にしている感情的な言葉についても反応してあげるともっと良くなる」という感じ。
簡単に言うと、相手を受け容れられているけど、カタいよねと。
長所は余り意識していなかったけどカタいっていうのはその通り。つい考えながら人の話を聞いてしまう。この人は何が言いたいんだろう?それがわかったとして、なぜそう感じているのだろう?それがわかったとして、どうすればそれを解決できるんだろう?と。(で、それは”誰の地図”に従って考えているのですか?”と質問されると言葉に詰まる。)
こうして考えよう、整理しようという気持ち、もしくは考えないと、整理しないと、という自分へのプレッシャー、その辺がカタさになって現れてるのかな、と思う。でもこれを考えるのは後。
傾聴するとき。それは相手が自分に対してなんらかのメッセージを送っているときだと思うから。
整理するつもりがつらつらと書いてしまった。最後に印象に残っていた言葉を1つ。即興役者の方が最後に言われていたのだけど。”ストーリーは自分の中に持つんじゃない、相手の中に求めるんじゃない、常に自分と相手の真ん中にある”ということ。
自分の中でストーリーを抱えていて、話をしたら傾聴はできない。相手も自分のストーリーに操られていると感じてしまうし良好な信頼関係は築けない。
相手の中にストーリーを求めていたら積極的傾聴はできない。相手のストーリーが気になって相手の言葉を素直に受け止められないし、自分からの発信ができない。
ストーリーは自分の中でも相手の中でもなく自分と相手の間、真ん中にある。そしてそれは二人でつくって行くものだ、と。
で、おそらくだけどそのストーリーはつくろうとコントロールするものではなく、互いに傾聴の姿勢をもってコミュニケーションをした結果出来上がっているものなのだろうと思う。
即興劇というステージで、すべてがコンサルティングにおいて同じことが言えるとは思わないのだけど、それでもこの姿勢から学べることは多かった。コミュニケーションって楽しいものだと思う(^^)

強烈な経験を

次代のビジネスリーダーに求められる資質と経験、ということでリヴァンプの玉塚さんの講演を聴いてきた。玉塚さんは以前一度他のセミナーでお話を伺ったことがあり、そのときに聴きたい質問があった(時間切れのため聞けず)、それを確認するためにこのセミナーへ参加したのだけど、話の趣旨自体が聴きたかった問いに答える内容でありとても良い学びになったと思う。学んでばかりの自分に少々苛立ちを覚えながらもそれを生かしていくこれからにわくわくを感じたりしているのだけど。
簡単にセミナーを振り返っておきたい。
最初にくるのは玉塚さんの”アツさ”。ロジカルであるとか戦略的であるとか、そんな話の前に本人の”アツさ”がとても強く伝わってくる。ただそれは蛮勇というようなものではなく、スマートさと謙虚さによって凝縮されたものだ(だからこそ相手を引かせること無く胸に響かせることができているのだろうと思う)。この姿勢が彼の、自身の描くあるべき姿へのCommitmentの強さと曲がったことをしない、Integrityの強さを裏付ける。
で、TopManagementに必要な資質について自分の理解をもって振り返りたい。大きくは3つ。心と技と体(心技体)
●心(人間力)
 TopManagementには人間力が必要だ。それは、自社そして自身の目的を描き続け、それを絶対に成し遂げるというCommitmentの強さ。そして、その過程で自身のプリンシプルに反する行動を許さないIntegrityの強さ。そして相手の立場・気持ちを忘れない、独善的にならない思いやり。
●技(スキル)
 TopManagementには技が必要だ。それは問題を構造化し本質を見抜く技。そして問題や結果を定量化して扱う技。そうやって問題を発見し、解決する過程でステークホルダーにしっかりと伝え、理解してもらう技。特に最後は難しいし重要だ。これができなければ絵に描いた餅であり自己満足に終わってしまう。
●体(強烈な経験)
 TopManagementには強烈な経験が必要だ。それは自分の価値観を根底から揺らすような、できれば失敗の経験がいい。そこから生まれる強烈なMotivationが、TopManagementとして成長していく上で、判断を下し行動していく上で大切な糧になる。
上記3つはバランスが大事。人間力だけでも体を使った具体的な結果をだせなければ社員はついてこない。かといって自分が体を動かしてばかりで心を磨く・伝えることをしなければ、そのときもまた社員はついてこない。大志とそれへのCommitmentを宿した心、経営のために必要なスキルの蓄積と実行できる体をもって、社員が求めていることを感じ、それに応えていくことが求められる。
上記を聴いていると、玉塚さんが地で上を満たそうと今も成長されている(勿論満たしているとは思うのだけど、それでもなお上を目指している)ことがにじみ出ていることを感じざるを得ない。
彼の話しの中にもあったけど、ちょっと成長して、それまでできなかったことができるようになったことにあぐらをかいたらそれで終わり。強烈な経験から、そこより上に行くことを諦めるという選択をしたらそこで終わり。おごらずあきらめず、素直に愚直に走り続けていくことが成長の秘訣である。で、それができるためには成長への”飢え”が必要で、それは強烈な失敗経験からもたらされることが多いと。
経営者(玉塚さん)のアツさとパワーを感じ、それに高揚感を覚えるとともに、こういった方々に対してもConsultantとして価値を出していきたいと強く感じた。心技体。意識して磨いていきたい。
強烈な失敗体験は、他人の失敗やメッセージ、そしてケーススタディの中で自身の感性を働かせれば近いものが得られると思うし今後もできるだけ感性を鋭くして他人の経験を(も)吸収していきたい。
で、たまには”アツく”いきたいかな(^^)

Iwaseさん出版記念Party / 講演会

11/30(Thu)は岩瀬さんの出版記念パーティ、そして12/2(Sat)は岩瀬さんの講演会だった。
●11/30(Thu)岩瀬さん出版記念パーティ
HBSのHigh Distinctionでの卒業、出版、新会社の立ち上げ、これからのChallengeはありつつもお祝いすることがいくつもあるこのParty。面白かった(^^)パーティに集まっている人も志の高い、優秀で面白い方が多かったし、岩瀬さん本人も勿論魅力的な人間だし。
Webが進化したことで誰でも世の中にアウトプットすることができるようになった、という話を言われていると思うのだけど、よくよく考えてみるとBlogのように自分の考えを文字や絵・写真にしてWebにUpする技術って言うのは昔からあった。
Webの進化に含まれているのかもしれないけど、変化として着目すべきは2つかなと思う。1つはインフラ。1つは検索。それらによってWeb上に優秀な人間も容易にアウトプットできるようになり、それを見つけるのが容易になった。そうやってつながるということに対して抵抗を感じない人が増えたかな、と。
インフラの強化によって世界がWebに乗っかれる土台ができた。検索の強化によって、Web上の情報と自分が欲しい情報とのMatchingが容易になった、ひっかける情報量も格段に多くなった。またさらに言えば検索結果が情報の価値の大小を判断する基準の1つになった。
岩瀬さんがパーティの中で「人間、その気になればできないことってあんまりない。ただ、やりたいで終わるのか、その思いに従って動くのか・動き続けられるのか、その違いだ」というようなことを言われていたのだけどそのとおりだと思う。例えば誰かにつながりたいと思ったときに、上に書いたような世界があるのだし、つながるためにやれることはある。
加えて思うのは、そういうつながりたい人がいたら、直接言葉を交わすべきだということ。そして自分を自分らしく磨き続けろということ。勿論岩瀬さんのBlogから学べることは多いし、刺激を受けられることは多い。でも直接会って話をする中で本人の口から出てくる言葉、そして本人が醸す雰囲気はBlogよりも、自分の心に対してずっとずっと雄弁であり、学びと刺激に富んでいると思うからだ。
そして、WebにUpする情報は勿論、直接人と会ったときに自分の価値を誤魔化すことはできない。つながれる人間/つながりたいと思う人間がGlobalに広がるにつれて、自分の価値をはかる市場もGlobalになっていく。Blogで出会うために限らず、Globalで自分の価値を出していくために自分を磨き続けることを怠ってはいけないと思う。そして世間一般に求められる価値にとびつくのではなく、自分らしい・自分が自分の人生を使って出したい、自分らしい価値というのを見失ってはいけないと思う。
人生って面白いと思う(^^)
●12/2(Sat)岩瀬さん講演会
渋谷の伊藤塾にて岩瀬さんの講演会。そろそろHBSも終わりにたいな(^^)と言っていた岩瀬さんが印象的であった。ただ本ではなく、他人の評論ではなく、本人が直接発する言葉には頭で理解するだけにとどまらない何かを感じることができ、それが嬉しかった。
個人的に印象に残っているのは”Consultantはどこかこう、お金のにおいがしない”という話。最近は変わってきていると思うのだけど、最終的なアウトプットがお金等物理的な価値ではなく、どうすべきだという提言になるConsultantにはどこかこうお金のにおいがないと。
最近考えていたのは、このあたりってConsultantによる、ということ。例えば岩瀬さんが今Consulをやるとしたらおそらくこの”お金のにおい”を感じさせるConsulができると思うから。
そうなることを目的としたときに、Consulだけの経験でなれるものなのかそうでないのか等、考えるところはあるのだけど、実際に自分をみたときにFinance系のスキルが不足しているのは事実(ほかにもいろいろと足りないものありますけど(^^;))
普段のコンサルティングの中でも外でも、意識して磨いていきたいところ。