キャリアにおいてもオプションを持つことが大切だ

Ethicsのクラスでは様々なハラスメントに対してどのように対応すべきかという点も議論になる。上司からのパワーハラスメントに対してどのようにふるまうべきなのか等。様々な意見が出る。構築すべき内外での関係は何か。どういうプロセスを踏んで物事を進めていくべきなのか。その中で何に注意すべきなのか。
個人的に最も大切なことはオプションを持つことだと考える。
例えば、問題を抱えている組織の外、企業の外に自分のポジションを持つことだ。転職先を見つけるということだ。問題を自分と上司の関係だと捉えると、この手の問題の結論は、上司が替わる、自分が替わる、上司が変わる、自分が変わるのいずれかになる。問題がこじれる程、上司も自分も変わることは難しくなるだろう。そうなると残された結論は、上司が替わるか自分が替わるかだ。上司が優秀であるほど、上司が替わることも難しいだろう。違法行為をしていれば話は異なる、組織がパフォーマンスよりも良識を正面から重んじる文化であれば話は異なる、しかしそうでなければ組織にとって価値のある人材が優遇される。
結果、自分が替わる。
問題をクリアにする過程、問題のエビデンスを集める過程、スピークアップしコミュニケーションをはかる過程、内外に仲間を見つける過程、それぞれにおいて、その行動が問題関係にある上司に伝われば事態は悪化する。その組織における自分の立場は悪化する。
そういう状況でまずもって大切なのはオプションを持つことではないか。上記において自分の望む結果を得られずとも、一層難しい状況に身を置くことになろうとも、いざとなれば(もしくはそうなる前に)身を移す場所があることが大切ではないか。
問題解決に向けた過程においては、状況が悪化する可能性も抱えて動くかつ日頃と変わらぬパフォーマンスが求められる。そのプレッシャーにオプションなしで耐えるのは難しいのではないだろうか。勿論話を聞いてくれる仲間はいるだろう。つくるべきだ。しかし自分のキャリアに、自分の人生に責任を持てるのは自分だけなのだ。リスクをとるのだから、自分のすべてをその1つのバスケットに載せるべきではない。他を用意をしておくべきだ。仲間といってもそのバスケットの中に敷く薄いスポンジのようなものだ。勿論大切な存在だが。
言いようによってはオプションを持つということは逃げ道をつくるということだ。つくるべきだろう。問題から逃げずに、結果解決できず本人も燃え尽きてしまっては意味がない。その組織にいることが自分のキャリアのゴール(の一部)になっているのなら話は別だ。ゴールを達成するために手を尽くすべきだろう。しかし違うのではないだろうか。多くの人にとって、企業は自身のキャリアのゴールを達成する、自己実現をする手段なのではないだろうか。そして企業からみれば社員は企業のゴールを達成する手段だろう。適切でないと判断すれば、お互いがその関係を解消する権利を持っているのではないか。
自分のゴールがその組織に所属せずとも叶えられると知り、実際に他のオプションを持ったのなら、そうでなければとれないリスクもとれる、そして苦しい場面においても冷静に考え自分を動かせるのではないか、結果自分の望む結果を得られやすくなるのではないか。

PAINTBALL(簡易サバイバルゲーム)に初挑戦

土曜日はPAINTBALLをしてきた。日本で言うサバイバルゲームをシンプルにしたようなものだった。参加者は100人を超えていて、大きなイベントになっていた。キャンパス前に集合してそこからバスで出発。
金曜日に送別会で大盛り上がりしていた結果、二日酔いを抱えての参加となった。
そしてその結果前半は欠場。朝起きたときは調子もそんなに悪くなかったのだが、徐々に悪化。会場に着く頃には、激しく動くとまずいことになるな、という感じで。着替えて、マスクと銃を持って、ベンチに座って仮眠。”オレも二日酔いだよー!”と明るく笑っている仲間もいた。元気だなと眺めながら自分は安静に。
調子が良くなった後半から参加。休憩の時に、朝とはうってかわって”二日酔いだ、気持ち悪い。。”といっていた仲間が微笑ましかった。気持ちは痛いほどわかる。
初めてだった。とても面白かった。そして痛かった。痕は残らなかったが首にあったたのが少々。。
あまり目立たない白いペイントの入ったビー玉程度の大きさの弾をガス銃で撃つ。帰り道、頭やら顔やらにペイントの残った仲間もいて、大学・街に戻ったら変な目で見られるよと話していたら自分の顔と頭にもべったりついていた。バスが大学に着く頃に教えてもらった。
その後、クラスメイトとラーメンを食べにいって帰宅した。
心地よい筋肉痛と、すっかり治った二日酔いの体でぐっすり眠った。

2年生の送別会

金曜日は日本人の2年生の方々の送別会だった。卒業までまだいくらか時間はあるものの、これから集まれる時間は確保しづらくなることは目に見えているのでこのタイミングで。
何事にも先達はあらまほしきことなり。ということで、昨年の春に留学を決めてからというもの、2年生の方々にはお世話になり続けていた。
・どうやってVISAをとるのか
・生活のセットアップのイロハ(口座開設、携帯契約、不動産探し、NIE取得、その他生活情報)
・クラスにどのように臨むか
等々
実際に経験されている方からのアドバイスは嬉しい。それは通り一遍の話ではなくて、どんなところに落とし穴があるか、うまく行かなかった時にどうすればよいか、と言ったPracticalな話を、実際の経験談をまじえて教えていただけるからだ。
直接の接点はそれほど多くなかったとしてもたくさんお世話になっているのだ。
送別会はとても盛り上がった。学年問わず。
・1次会はこじんまりとした美味しいタパスのお店を半貸切で
・2次会はカラオケへ
・3次会?は僕のうちで
3次会あたりから一部記憶があやしい。起きたら着替えずにベッドの上で寝ていた。Wiiで盛り上がったり、皆でラーメンをつくっていた気がする。そして部屋が散らかっていることが露呈したことは明確に覚えている。普段からキレイにできたらいいのだが、それは自分には期待できないことだろうと思っている。
何はともあれ、盛り上がった会でよかった。こうして学年を超えてタテのつながりを紡いでいくことも大切なことだと思う。そうしていきたい。

自分の期待を外さない努力

今日のOperation Strategyのクラスはゲストスピーカーを招いての議論だった。物理的に厳しい環境、かつ多様なステークホルダーいる環境で、どのようにCollaborativeに戦略を描き、実行していくか。というテーマだった。
と理解していた。
蓋を開けるとそういう話ではなかった。クラスに対してまず”このクラスで何を学びたいか、そのためにどのような貢献ができるか”を考えさせ、次に各人の経験とそこからの教訓を引き出して議論する。というスタイルで終わった。ごく一部当人の話もあったが。議論のまとめ方も、クラスメイトからの発言をまとめる枠組みは特になく、発言を時系列に黒板へ書いていくのみだった。
3つの気づきを得た。
まず最初に議論におけるコンテンツ以外の重要性だ。それは身振り手振りであり、声の大きさであり、身振り手振りであり、そして議論をまとめる枠組みでありその過程であり、だ。素晴らしい経歴を持ち、自分の内側に貴重な知見を持っていても、その伝え方によって聴衆へ伝わるものは大きく減衰する。基本的に僕はそういったプレゼンテーションレイヤーの要素は全て割り引いて、何を言っているのか、キーメッセージ、ファクト、ロジックのみに注目する。そこで価値を見いだせなかった場合には、次に、モノトーンで本人が退屈そうに話をするよりは、本人が意志を込めて楽しそうに話している相手が良いと感じる。
次に情報発信者の立場で、期待値をコントロールする重要性だ。事前情報は、彼の輝かしいプロファイルと過去の経験、それらをまとめた論文や雑誌への寄稿文であった。そして彼からOperation Systemのキモの1つである”人”の部分を開発する上でのTop Managementの役割は何か、という点についてAddressしてもらう、ということだった。この記述と併せて配布された事前資料から冒頭のテーマであると考えその経験を起点に学びたいという期待値を僕は持った。実際は先述の通り。もし実際の内容が既に想定されているのであればそう明記した方が良かっただろう。その場合、資料の位置づけについてもことわりを入れた方が良いだろう。
そして受信者の立場で、期待値を外さない努力をする必要性だ。蓋を開けてみて期待と異なっていても、自分で自分の期待値を満たす行動はとれるし、とるべきだ。折角の機会であるし、事前の情報から当人の過去の経験であり専門性は理解しているわけだ。であれば自分たちの経験をバラバラとはなすよりも当人に質問をするスタンスをとるのが良かっただろう。この点は僕は反省する。ここに書いたふるまいにクラス中切り替えることができなかったからだ。
自分の期待を外さない努力ってできるし、しないと損だなと感じた次第。

最後の夜

土曜日は隣のビジネススクールであるESADEの方々とお世話になっているIESEの2nd yearの方々の食事に誘っていただいた。いくつかのイベント等で既につながっているのだけど会ってみて半年ぶりだったり今年初めてだったりすることに気づくのは2nd termがそれだけタフだったということなのだろうかとふと思ったりする。

2nd yearの方々は卒業が近づいている。ESADEは15-18ヶ月のプログラムなので、参加されていた2nd yearの方は既に卒業されていて、日曜の朝のフライトでバルセロナを後にするという。バルセロナでの、MBA生活最後の夜ということだ。IESEの2nd yearの方々は卒業を先に控えて最後の学生生活に臨んでいる。

社費で来られていて会社に戻る方、私費で来られていて新たな環境に身を投じる方、様々だ。

印象的だったのは、新たな環境に身を投じる方からしたら、卒業して元いる組織に戻るわけではないので、卒業の感慨にふける気持ちもあるが、それよりもこれから先に思いを馳せる気持ちの方が大きいと言われていたこと。なるほどと思った。きっとこれから卒業が迫るにつれて湧いてくる実感もあれば、卒業したあとに気づくこともあるのだと思うが。

僕は勿論実感は湧いていない。しかし僕にも確実に訪れる夜だ。

バルセロナ最後の夜。どういう気持ちで僕は迎えるだろうか。