最後の授業

最後の授業 ぼくの命があるうちに
ランディ パウシュ (著), ジェフリー ザスロー (著), 矢羽野 薫 (翻訳)
この本は発売前から一部で話題になっていたと記憶している。確かtwitterで誰かがこの本に触れていたからだったと思うが気になって手にした。彼の病状や当時の余命というのは話題になっている中でわかっていた。彼のバックグラウンドでありキャラクターでありというのは全くわかっていなかった。
映像が始まる。
教授らしくない?最後の授業らしくない?(教授の服装であり、最後ということでありに思い込みがあった。が、彼はポロシャツとチノパンだった)の出で立ちに、そういうものなんだと思いを改めて見ていた。
第一声と同時に感動を覚えた。
授業が始まってすぐに感動を覚えた。余命2ヶ月余りの癌に侵された人間がこれほどエネルギッシュなものなのかと。ユーモアに溢れ、微塵も陰りを感じさせないほどに燦然と輝くものなのかと。小柄な(おそらく)彼が大きく感じられ、その声には魂が込められているように感じられ、一瞬にして彼の世界に入りこんでしまった。
そしてプレゼンテーションが圧倒的にうまい。
そう。プレゼン自体がうまい。ストーリーの構、資料の構成、スライドでつかわれている言葉。すべて配慮が行き届いているように感じた。そしておそらく数分に一度は会場を沸かせている、笑いをとっているのだ。本筋からそれるが日本の大学でこのようなプレゼンテーションを学生の前で披露する教授はあまりしらない(知っている数名はいずれも海外の大学での教授経験を持っている)ってこの講義と比べるのは少々違う。
あっという間の90分だった。
このDVDであり本は頭で何かを学ぶ類のものではない(書籍の方はDVDでの講義+その裏側が書かれている)。ただ、”今の自分が自分の限界なのか?””今の自分は本当に自分らしい人生を謳歌しているか?”という問いを強烈に自分の内側に生じさせる、自分の心を突き動かすものであると思う。
自分の夢にむかってまた走り出そうと思う。