富の未来

富の未来 上巻
富の未来 下巻
A. トフラー (著), H. トフラー (著), 山岡 洋一 (翻訳)
4年近く前の発売時に買っていたのだけど本腰いれてひらいてはいなかったこれら著作。本日ひたすら自分に情報をインプットする中でヒントになりそうな分野であったのでついに開いた。今回は目的を絞っての情報サーチだったため全体についてキチンとコメントはしない。ただ上巻にあった知識等に関する定義と、下巻にある日本についての洞察は目的関係なく興味をひいたのでそこに触れたい。

P.192
データは通常、状況から切り離された個別の項目だとされる。たとえば、「三百株」はデータである。データとそれを取り巻く状況とを組み合わせると、情報になる。たとえば、「われわれは医薬品会社Xの株式を三百株持っている」というのは情報である。
情報を組み合わせてもっと幅が広く、もっと高い水準のパターンを組み立て、それを他のパターンと関連づけたときに、知識と呼べるものになる。たとえば、「我々は医薬品会社Xの株式を三百株もっており、相場全体が上昇するなかで二ドル高くなったが、出来高は少ないし、連邦準備制度理事会が利上げする可能性が高い」というのは知識である。

(情報と知識の定義の違いが曖昧に感じるが)

P.234
何かが真実かどうかを判断する際には、少なくとも六つの競合する基準が使われている。
常識
一貫性
権威
啓示
時の試練
自然科学

P.235-250
科学と技術だけで先進的な経済が生まれるわけではない。そして知識集約型の経済で成功を収めるには、製造業だけを基盤にするわけにはいかない。先進的なサービス業も必要である。日本は、製造業の進歩を速め、世界全体で供給連鎖の速度を速めてきたが、コンピュータと情報技術、新しいビジネス・モデルと経営減速をサービス業に適用する点では、動きがはるかに遅い。
(中略)
要するに、日本の経済発展が不均衡なことから、かなりの程度の同時性のズレが生まれており、いまだに日本経済全体に歪みが生じている。製造業とサービス業でいまだに同期がとれていないのだ。
(中略)
技術系のベンチャー企業はベンチャー・キャピタルを必要とするが、日本ではこれが不足している。ベンチャー企業に適した環境のひとつは金融の民主化であり、資金調達にいくつもの道があって、それぞれが競争しあっていることが重要だ。(中略)経団連の白髪の紳士が重い腰を上げてデジタル・ニューディール構想を提唱したが、成果は上がらなかった。
(中略)
日本の集団決定方式は今後衰えていくだろう。高速の変化から圧力を受け、個性を重視する若い世代が力をつけていくからだ。
(中略)
日本はこれまでくり返し示してきたように、きわめて創造的な国であり、他国がまだ気づいてもいない問題で、小さくはあるが鮮やかな解決策を見つけだしてきた。いま山積している問題を解決するには、この創造性と新しい方法を考え実験する意欲を、もっと大きな規模で発揮する必要があるだろう。

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