決断力

決断力
羽生 善治 (著)
他の書籍、雑誌、人との会話の中で何度か登場していた羽生さんの書籍。きっかけは忘れたのだけど手にとった。何らか閾値が超えたのかもしれない。
全体の雰囲気からの印象は”松井”に似ているなということ。そう、巨人の松井秀喜。以前彼の書籍『不動心』を読んだのだけど(過去のエントリー)、それと雰囲気が似ているのだ。おおらか、どこか楽観的、やわらかい、あたたかい、自然体etc…当たり前のものとして体現している徹底したプロフェッショナリズムとは裏腹にそういった印象を与える表現であり考えであり。なんとなくついでに考えると、中田やイチローと良い比較対象になるんじゃないかと思える。
そんな雰囲気の中印象に残った言葉をいくつか抜粋する。

P.27
知識は単にえればいいというものではなく、知識を積み重ねて理解していく中で「知恵」に変えないと生かすことはできない。

P.62-63
将棋にかぎらず、ぎりぎりの勝負で力を発揮できる決め手は、この大局観と感性のバランスだ。感性は、どの部分がプラスに働くというのではなく、読書をしたり、音楽を聴いたり、将棋界以外の人と会ったり・・・・・・というさまざまな刺激によって総合的に研ぎ澄まされていくものだと思っている。

P.89
一気に深い集中力には到達できない。海には水圧がある。潜るときにはゆっくりと、水圧に体を慣らしながら潜るように、集中力もだんだんと深めていかなければならない。そのステップを省略すると、深い集中の域に達することはできない。焦ると浅瀬でばたばたするだけで、どうもがいてもそれ以上に深く潜っていけなくなってしまう。

P.156
自ら努力せずに効率よくやろうとすると、身につくことが少ない気がしている。近道思考で、簡単に手に入れたものは、もしかしたらメッキかもしれない。メッキはすぐに剥げてしまうだろう。

P.171
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。

P.187
勝負に勝つことは、企業でいえば目先の利益である。目先の利益も大事だが、先行投資的な研究もしなければならない。長く将棋を続けていくには、目先の勝負以外のところで何かしなければならないのだ。

「決断力」への2件のフィードバック

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    ikukichiさん、おおお。最近インプットに偏っていて、感想もかかずにおりましたがお役に立てたようで何よりです(^^)ちょっと感じたことをup致しますね。またikukichiさんのご感想などもお聞かせ下さいm(_ _)m

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