トップコンサルタントがPTA会長をやってみた

トップコンサルタントがPTA会長をやってみた発想力の共育法
三谷 宏治 (著)
この本を手にした理由は、三谷さんという方の考えに触れてみたいと思ったからだ。そのきっかけは三谷さんが書かれている”学びの源泉”というショートエッセイを読んだことだった。
視点が面白く、文章表現が豊かかかつ柔らかく、ロジックも簡潔。読みやすく面白い文章で、徐々に興味を持ち始めたのだ。
案の定とても読みやすい・わかりやすい。
本の体裁(文字の数・大きさ・スペースの比率)が程よいし、書かれている文章も迷子にならずスムーズに頭に入るように書かれている。内容は三谷さんらしい、この本でのメッセージをまさに体現した独創的な視点から練られており、適切な言葉で表現されている。
この本のターゲットは子供をもつ親なのだけど、子供を持たない私もこの本から学ぶことができた。子供を初めて持つ親なら、子供が幼稚園/小学校に行くのも初めてなのと同様に、マネージャとして駆け出す人にとっては、若手メンバー/中堅メンバーとチームを組むのも初めてなのだ。
そしてこの本の中で言われている、”子供の前に、まず親が変わろう”というのも親・子供の関係に限った話ではない。
論理的に考えること、徹底的に考え抜くことは仕事上基本的な行動の1つになるのだけど、その前提にある事象に対する着想がつまらないものにならぬよう、論理が通るという理由で着想の幅を狭めてせっかくの独創的な発想を抑えこんでしまわぬようにしていきたいと思う(発想力はきっと誰しも持っている。気づかないか、無意識のうちに押さえ込んでいる/無視してしまっているだけなのだと思う)。
そうして将来、これからの時間を生き得られたものを何かしらの形で社会でありなんであり、自分がお世話になったところへ還元することが出来ればと思う。
個人的に印象に残っている言葉をいくつか抜粋する

「曖昧な返事」は、コミュニケーションの放棄であり、思考の停止である。

情報や経験は、ただそれだけでは意味がない。価値ある情報だけを選ぼうとすることも、大した付加価値にはならない。
もっとも大事なコトは、それらの中に潜む「意図」や「真実」を見いだす力であり、その姿勢だ。

「常識とは『自然』ではなく『人為』なのだ」

現実はどんどん移り変わり、あまりに複雑だ。しかし、その混沌の海を渡るのに必要なのは「単純な美しさ」なのだろう。強い組織は必ず美しく力強いビジョンや理念、戦略を持つ。
そしてそのシンプルな美しさを持つ「船」は、素朴な問から創り出される。

実現可能か不可能かはあまり重要ではない。そのビジョンが素晴らしければ、それを実現すべく不可能を可能にすることこそが人生の価値だからだ。

「意識」や「常識」の壁が、ヒトを独創的な発想から遠ざける。
「ありえない!」「ムリ!」と、すぐに思考を停止させないこと。
3回やろう、3倍を目指そう、ちょっとした苦手を克服しよう。その積み重ねこそが大人を、親を、発想の場へと立たせるのだ。

楽しさの中で共に学び、共に問う姿勢こそが、相手を導く最強の手法だ。

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