力を抜いて

日曜日は私がコンサルを始めてから何かとお世話になっている方を含めて会社つながりで新年会。久しぶりにお会いしたのだけど元気そうで、そして力が抜けた感じ・飄々とした感じもそのままで何よりだった。
その人を見ていて尊敬するのは、知的好奇心の高さと意志→行動→修正サイクルの速さ・柔軟さ。
知らないことはぽんぽん質問がでてくる。それをあっという間に吸収する。人の話の受け答えもウィットに富んでいて面白い。頭の中でモノを結びつけるのがうまいのかな。適当さなのなせる業でもある(その当たりが力の抜けた感じ・飄々とした感じを醸すもとになっているのかなと思う)。
やると決めたことはやる。やらないと決めたことはやらない。自分を律することができ、一方で違うな/無理だと思ったら即軌道修正。これをやるためには2つ必要だ。1つは、他人の軸ではなくて自分の軸で自分を評価できること。1つは、やることはベストを尽くすこと。それらを2つとも持っている。
自分の軸を持っているからどんな状況でも主体的に・自責で考える・行動できる。常にベストを尽くしているから、それで違う/無理と感じるようなら他だなと軌道修正ができる。勿論壁にぶつかることはいくらでもあるし、人知れず努力して、ストレッチして、その壁を超えて来たのだと思うが。自分が心から磨り減ってしまうような/折れてしまうようなことはしていないように見える(感じさせないので直感)。
こうして、努力を重ねて自分を押し上げていっている人に触れると改めて気を引き締めて自分も頑張ろうという気になる。自分の気持ちが常に盛り上がっているわけではない。相手の立場からしたら自分がベストだなんて一生言えない気さえする。
それでもそれで苦しめば解決するのか?と考えると違う。
楽しむことも解決の立派な手段の1つになりうると考えている。キレイごとで済まされる程単純な現実ではないが、苦しい経験の中にも楽しみを見出して前に進んでいきたい。
(今苦しい経験をしているわけではないのだが。。。)
#写真はその方が撮った、フィンランドのオーロラ。いいなあ。。。

観想力

観想力 空気はなぜ透明か
三谷 宏治 (著)
後ほど。
[2008/02/12(Tue) 19:58 更新]
気が付けば本を読み終えてから2週間程度経っている。
この本は読み方次第で、さらりと終えることもできれば、存分に時間をかけて読み込むことも出来る本だ。
三谷さんが本の中でページを割かれているケーススタディでありいくつかの例題を流して進めていけば読むのにそれほど時間はかからないだろう。一方でその1つ1つについて自分で頭を動かし、三谷さんの記述からどのように思考したかを読み解いていけば、かなりの時間を要するだろう。
私の場合は半々。興味深いケースについては考え、そうでない部分は素直に読み進めていった。
今までの自分の思考をもう1歩、2歩深く踏み込むことができるきっかけを与えてくれる本だと思う。本の中で三谷さんがいわれているとおり、自分もこの本で得られたものを意識して、日々思考を繰り返し続けることで、”観想力”を鍛えていきたいと思う。
印象深かった言葉をいくつかここに挙げる。

正しい答えに行き着くための、正しい視点を持つにはいくつかの方法がある。1つは徹底的にシンプルな論理性だ。(略)もう一つは知識の拡大だ。

直接的解決が困難な領域で、「常識的な発想」や予測に基づいた行動は、無益であるばかりでなく大きなマイナスとなる。

ほとんどの場合、平均値はその集合を代表しない。

6つのヒューリスティック・バイアス
1. 事前確率の無視
2. 偶然の誤認
3. 標本サイズの無視
4. 代表性の無視
5. 検索容易性への偏差
6. 第一印象への依拠

常識的な考えや事象、「問い」に遭遇した時に「あれ、おかしいな」「なんか気持ち悪いな」と思えるかどうかが勝負だ。

「大体の視点は『正しくない』」
(略)
マイノリティとしての気持ち悪さに耐えよう。それを「楽しい」と感じるようになろう。それが出来なければ、決して正しい視点など持てはしない。

ヒトが高い視座を持てない一番の原因は、当事者であるが故に全ての事象を自分より大きく感じ、それを外から見られない精神状態になることだ。

ケイパビリティに逃げない

2×2マトリクスは、「何が重要か」を自らに問う思考ツールであり、厳しい「トレードオフ」を経営者に迫るための表現ツールだ。

(一度の会話でわかってもらうために)より簡単に、より単純に、より本質的に、そしてより面白く(キャッチーに)。

全ては(センスと)意識的・継続的な努力次第だ。そこでは、ただの盲目的努力ではなく、極めて「意識的な努力」が求められるだろう。それを24時間(寝る時間の管理も含めて)、365日、3年、10年と積み重ねて、初めて得られる力、それが「観想力」だ。
(略)
必要なのは「効率的に教わる力」ではなく、「自ら学ぶ力」である。

これは巻末にある三谷さんの日記から。

自らを不要にする。それが我々コンサルタントの究極の存在意義だ。もちろん簡単にはそうならないように、常に自らを鍛え、相手の先を行き、追いつかれるべき存在であり続けよう。