レバレッジ勉強法

レバレッジ勉強法
本田直之 (著)
読書の目的を明確にし、その目的達成に必要なところのみを読み込み、実生活の中ですぐ活用する。そんな、過去に読んだレバレッジ・リーディングであり本書、レバレッジ勉強法のポイントを少しはずしているかなと思いつつ読んでみた。
「超」文章法に比べると読みやすいし、ページの端を折った個所も少ないが、勉強することそのものではなく、その先にあるゴールに最短でたどり着くことを狙った勉強法についてまとめられているので手元にあっていい1冊だと思う。
ただ、この本を読んでまず最初に感じたことは、
”本のデザインがいい”
ということだった。帯も含めた本全体での色使いのパターン、フォントサイズ・フォント自体の種類、文字の揃え方、目次と見出しのデザイン、チャート等うまくまとめられていて読みやすい(見やすい?)のだ。
印象に残ったポイントをまとめてみると、やはり結局のところ目標を明確にして、必要なもの・レベルを見極めてからそれを得るために情報に当たりましょうということだと思う。
かといって最初から誰しもが目的をいきなり明確になってるわけじゃないし、人生全てを意図的にゴールと現在のGAPとそれを生めるための活動、という関係になっているとは思わない。直感的にこれだ!と思うものもあれば、短期的にこうしたいというものを追い求めながら生きていく人生もある。
そんな中でも、しゃちほこばらずとも何かしら”こうなりたい”というものがあったなら、それに本当になりたいのならばそのために必要なタスクを整理していくことは近道になるだろうというのがこの本の前提にある。

目的をフォーカスしないと必要が無い無駄な勉強もやるはめになる。だからといって最初から狭い知識で小さなことに絞るのでは本末転倒。選択肢はあくまで幅広く。その中から必要なものを吟味し、徹底的にフォーカスする。

人生の選択は、熟考するより、憧れや直感に従ったほうが有効なときがある。しかし、憧れや直感に導かれ、ゴールという全体像を俯瞰した後は、逆算して具体的なタスクを決める作業が欠かせない。

やる気がなくても作業を開始すると、脳の側座核という部分が興奮してやる気が出てくる。「作業興奮」といい、この理論はやる気のメカニズムとして予備校やコーチングの世界でもとりいれられている。
考えずにとにかくやる。そのためにちょっとでもいいから動き始めるような仕組みをつくってしまうことが大切。

物事はインプットとアウトプットがセットになった時はじめて定着する。

記憶には単純記憶とエピソード記憶がある。単純記憶が苦手な場合は覚えたものをアウトプットして体験に落とし込みエピソード記憶として定着させる。

「超」文章法

「超」文章法
野口 悠紀雄 (著)
この本を読めばいきなり人の心を惹きつけてやまない導入部から文章を始められる、なんてことはない。
それでも私はこの本に会うことができてよかったと思う(blogの中での一人称、最初はカタく感じますが”私”にしてみます)。
本を読みながら重要度に応じて色分けした線を引き、線を引いたページの端を折り曲げていくのだが、おそらくこの本はこれまで読んできた本の中で一番端を折り曲げたページの割合が多い。
職業上、使う日本語であり、伝えたいメッセージの徹底的な結晶化であり、それを相手に対して過不足ないロジックで支えることであり、それらからの納得・感動に結びつけるストーリー構成でありは常に念頭において動いている。
が念頭に置くこととできることは違う。
往々にして上記のいずれかを意識すればいずれかが弱まりといったことを繰り返しながら進んでいくことになる(メッセージはぶらさないが事実であり、そこからの示唆が当初のメッセージと違うのであれば当然メッセージもかわる)。
その文章について具体的なtipsも含めて構造的に書かれた一冊。印象的なメッセージをいくつか紹介する(私の解釈含む)(一番最後へ)。
と言ってぱらぱらと端を追った部分を読んでいた。結局今の仕事を考えた時に大切なのは3つだと気付いた。

・意見と事実を区別せよ
・読者がそこまでに読んだことによって理解できるように書く
・不要なものは捨てよ

ファクトとして明確になっている部分とそこから得られた示唆や新たな仮説を切り分けるのは基本中の基本。しかし最近気付いたのだが、人間何かしらの強いプレッシャーがかかるとその厳密性をあいまいにして何かしらメッセージを言い切ろうとするパターンが存在する。また長く同じメンバーで活動する過程で明確に断らなくても自明だろうという感覚に囚われる場合がある。
最初はメッセージと骨組みから作り始めるので問題ないが、そこに対して推敲を重ねることで文章としてよれてしまうことがある。また使う言葉も前後してしまうことがある。結果、そこまで読んだことによって理解できる文章ではなくなってしまうことがある。
不要なものを捨てるのは極めて簡単だ。難しいのは何が不要なのかを見極めることだ。何度も推敲を繰り返し、中身に対する理解と思いが深まるにつれて捨てられなくなることがあるようだ。思いが深まった細部まで伝えたい・理解してもらいたいと思うあまり相手が理解できる/できないという部分への配慮が欠け結果として”で何が言いたいの?”とつっこまれてしまうような文章が出来上がってしまったりすることがある。
文章に限らず、チームで活動している時のメンバーのアウトプットについても同じことが言える。が、ここはプロとして、プロのチームとしてClient Interest Firstを貫いていきたい。

メッセージとは何か?
・読者にどうしても伝えたい内容であり主張や発見である
ひとことで言うことができる
どうしても書きたい、書きたくてたまらないものである
・盗まれた場合、あらゆる手段を講じて自分が発案者だと主張する意志がある
・見たまま/感じたままではなく焦点が絞られ、ピントがあっている

冒険のストーリーと意図
故郷を離れて旅に出る:論述を面白く、ためになるものにするため
仲間が加わる:主張を補強するため
敵が現れる:主張したい概念の性格を明確化するため
敵との間で最終戦争が行われる:主張と反対論のどちらが正しいか示すため
故郷へ帰還する:一般理論を現実に応用するため

パラグラフ
・150字程度
1パラグラフ1メッセージが目安
・パラグラフ内での論理の逆転はできるだけ避ける

文章構成は3部構成
序論:「何が問題か」を述べる。なぜこの問題を取り上げたのか、この問題を取り上げることがなぜ重要なのか、問題の背景は何か。
最初に結論やクライマックスを述べる(ドラマチックに始める)
本論:分析と推論の展開。仮説を提示し、それをデータによって検証する。
結論:結論は明確に述べる。結論の含意、未解決の問題、扱わなかった問題、今後の課題などについて述べる。
最後から読む人もいるため結論(最後)は重要。印象深く終える。

新年明けました

新年明けましておめでとうございます。
あっという間に2007年終わりましたね。毎年毎年はやくなる時間の流れに驚かされるばかりです。
遅ればせながら2007を振り返ります。
去年は仕事・プライベート双方に渡っていろいろとあった1年でした。自分の人生で初めての出来事の連続でした(過去を振り返って大した経験してないな、良くも悪くも恵まれていたなと気づけました)。
当たり前のことなのかもしれませんが、経験を重ねるほど人を思いやることができる / 自分の弱さを知れただけ人に優しくできる。そんなことを身に沁みて理解できたような気がしています。
経験が無いからこそ、他人に、他人の経験に敬意を払い自分に謙虚でいることができる。(自分も含めて)人はいつも強いわけではないという前提を受け入れることで自分の弱さ/他人の弱さを受容れ、優しく包み込むことができる。
だからといって今の自分が他人に対して敬意を払い謙虚に優しくできていると思い込むのは尊大だと思っています。まだまだです。
そう思いながら経験があるという事実は相手に対して”この人ならわかってくれそうだ”という信頼を築く大きな要因の一つになっており…ってもういいですねこのあたりは。
これらをまだ気づきへ昇華できていない状態で、仕事ではマネージャの役割へのチャレンジが始まりました。自分の仕事のできの良し悪しに関わらず時間は流れるわけで、素晴らしいメンバーに支えられつつもタフな日々でした。かといってそのタフさで他の事を忘れることもできず。アクセルとブレーキを両方踏んでいるような、そもそも踏んでも燃料が不足しているような。そんなことを感じたこともありました。
それでも時間は進むわけで。自分の中では毎日が正念場だったような気がしています。
仕事は年末に区切りがつきました。過去にEntryしてきましたが、チームの価値を最大化するためにどうすればいいのか、やる気の上下であり円滑なコミュニケーションでありに心を砕きつつもなかなかうまくいないところもありました。終盤にさしかかったところでは目頭を熱くする場面もありました。
学びという言葉だけで片付けてしまうには心惜しい場面の連続でした。
オレがオレが、と個人として”とがろう”とすることの良い点・悪い点に気付いているつもりでしたが、仕事面では少しチームとしてどするかに偏ってしまったかなと感じています(結果としてチームとしてどうするかという方へもネガティブに影響してしまいました)。
簡単にまとめてしまえば、他人とのつながり、チームワークの大切さ・難しさ・素晴らしさに気付き、それを強めるために活動する一歩を踏み出せた1年ではないかと思います(まとめが明らかに仕事よりですが…)。
また2008のことは考えますが今回は遅ればせながら2007を振り返りました。
そしたさらに遅ればせながらですが、昨年お世話になりました皆様、本当にありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m
*寝坊して初日の出(どころか太陽さえも)は圧倒的に見逃しましたが(^^;)また心晴れる太陽をおさめたいと思います。