戦略パワー・プロフェッショナル

以前に読み終えたのだが、Blogに感想を書くのを忘れていた(^^;)そして先程ウィニング 勝利の経営について書いていて思い出した(^^)
最近、この手の本や勉強からは遠ざかっていたし、久しぶりに頭の整理をしてみようと思い購入、読んでみた本であったが、復習するには十分な一冊であった。勿論新たな発見もあった。
今参画しているProjectがコンサルティングとは少し色が違うからか、コンサルティングであり、○○Thinkingでありに対する見方が変わりつつある中で、いい一冊に出会えたと思う。以下の4つの力に関して書かれているのだが、それぞれの中で自分が感じたことを簡単に書いてみようと思う。
*あらすじだけの読書感想文のようになってしまった(^^;)…反省。大切なのは自分の頭で考えて、実践することです。

1. フレーム力 『問題をとらえる切り口は、正しくユニークなのか?』
簡単に言うとPESTからSegmentation、Targettingするまでの考え方である。それを問題を捉える切り口と表現しているが、ここでは①どの視点から捉えるのか②どの範囲を捉えるのか③どの程度大きく見るのか④フレームの制約条件や前提条件の4つの確度から捉えている(①~③がSとT、④がPEST)
ここで重要なのは、どの括りで市場を捉えるかということ。何を持って自分が扱うフレームとするのか、というところだろう。1つの業界を見たときに、業界全体として成長が停滞してきていたら成熟・衰退市場として扱ってそれなりの戦略を立てに行くのか、もう一歩細分化してその中のどこが業界全体を見たときに成熟・衰退市場たらしめているのか、その中でも新しく生まれている市場は無いのか?成長している市場は無いのか?と考え、そこにFocusして、導入期・成長期の戦略を立てていくのか、等で事業の方向性は大きく変わってくる。
そして、具体的に考えるということ。これはMKTで言う、Segmentを切る変数は顧客の中にあり、Positioningとは顧客の中における位置づけを考えることである、というのに通じるものである。具体的に考えるとは、日常生活で使う消費財であれば、ユーザーを想定し、各ユーザーの日常生活を具体的に考えるということだ。そして、その消費財を使うシーンだけを想像するにとどめず、そのシーンの前後にある彼らの行動も想像するということだ。
そして、この中でもいくつかのフレームワークが紹介されている。ここで感じるのは、”フレー実ワークの意味は使う目的に順ずる”ということだ。何らかのフレームワークを使うときに、それをつかうなら目的はこれ、というように、フレームが目的を決めることは無い。目的がフレームを決める(ときに壊し、新たに生み出す)のだ。

2. コンセプト力 『これから進むべき具体的方向は、どこか?』
1で考えた対象となるフレーム(受け手)にどういう価値(実用的/感情的)を届けたいのか?という、前に進むときの指針となるものを構想する力だと思う。ここで大切なのは、対象フレームをどれだけ理解しているかということ。対象フレームに望まれない、求められていないコンセプトを打ち出してそこへアプローチしてもそのフレームにいる人の心には響かない。
対象フレームにいる人々が何を望んでいるのか(そもそもその望み等の共通項でくくられた人が集まった結果のフレームなのだが)を捉え、それに応える明確なコンセプトを打ち出すことで、そのコンセプトは具体的にどのような属性になるのか、その各属性がどういった価値を提供するのか、それを実現するためには何をどうすればいいのか、伝えるためには何をどうすればいいのか…等々の戦略でありマーケティングでありの話へ展開されていく。
ここで、著者が提唱している「優れたコンセプトの条件」は以下の4つ。
2.1 製品・サービスの受け手が誰か、具体的に見える
2.2 受け手にとっての実用的・感情的価値をガイドする
2.3 ビジネス活動上の思考や行動の具体的指針となる
2.4 作り手から受け手まで、すべてのビジネス展開に一貫性と整合性を生み出す
製品やサービスというのは受け手が見えないままコンセプトだけが一人歩きすることはありえない。また、コンセプトを商品に結実させるためには、受け手にとっての実用的・感情的な価値を明確にする必要があり、受け手の切実なニーズは何かが語られているはず。そして、優れたコンセプトは、ビジネス上のすべての関係者が、ビジネス活動を行う際の指針になる。コンセプトがクリアであれば行動の結果は必然的に一貫性のあるものとなる。

3. ロジック力 『なぜそうなるのか? それをやると、どうなるのか?』
So what? Why so?を考え抜く思考力だ、と僕は考えていたが、それは少々カタい考えであったのかもしれない。もしくは甘い考え方。ここで筆者は、”モノゴトの因果律を見抜く推察力と、ストーリーの筋書きをつくる創造力”であると言っている。
僕が考えていたのは前者の推察力に係る部分であり、それだけでは不足していると。その上でストーリーの筋書きをつくるのだ、でそのストーリーは関係者の頭と心に響き行動に訴えるものである、というところだろう。
筆者は以下のように言っている。
「なるほどそうか!」「明快で確信できる!」「よし、やってみようか!」と実践にポジティブな影響力を持つのが真のロジックだ。「理屈はそうかもしれないが…」「正しいことは理解できるが…」という反応が出るのは机上の理屈だからであって、人を動かすロジックにはなっていないのである。
ビジネスに求められるロジック力は、さまざまなミクロやマクロの視点から、また過去から将来にわたって幅広く、深く、五感すべてを動員してモノゴトの関係性をとらえる力である。

勿論上記全てが正しいとは僕は思わない。特に前者に関しては、受け手の納得感であり行動への結びつきに関与する変数はロジックの筋だけではないはずだ。それを伝える人のバックグラウンドであり、人格であり、伝える方法でありタイミングであり…他にも要素があると思うからだ。勿論、間違ったロジックを今書いたような他の変数を操作することで通すことはあってはならないが。
ただ、このように自分としてのポリシーを持ってモノゴトを自分の腹に落とし、実践しきれる人というのは僕は強く尊敬する。自分もそうありたい(^^)
また、筆者はこうも言っている。
ビジネスのロジックは、常に変化する。したがって、ビジネスを完璧に科学することはできないが、だからこそビジネスを科学しようというマインドがなおさら求められるのだ。
自分としても注目しているロジック力だからだろうか。それとも筆者が力を入れているパートだからなのだろうか。筆者のメッセージというものが他のパートに比べて強く感じられた。
で、ロジックに執着すべき視点として筆者は5つの点をあげている。
3.1 業界構造のロジックを理解する
3.2 ビジネスモデルが成功のロジックを示す
3.3 問題発生のメカニズムを解明する
3.4 打ち手のインフルエンスを推理する
3.5 相互関係のシナジーのロジックを明かす
読み返してみたが他のパートに比べてこのパートは学ぶ点が多く感じる。嬉しいことだが危ないことだ。他のパートへの自分のAttentionが下がっているからかもしれないので。拘りを捨てて素直に学びたいものである(^^)

4. ポジショニング力 『どのように位置づければ、成功するのか?』
相対的に優位な状況を構想し、その位置づけを受け手に認知させる力。筆者はそもそもポジショニングを意識することの重要性を強調している。それは企業に対しても個人に対しても、である。
ポジショニングという作業は、他との違いを戦略的環境で相対化する作業であり、ポジショニングのプロセスにおいてさまざまな相違点がクリアになる。つまり、ポジショニングを考えること自体が、自分を切磋琢磨し、洗練する機能を有している。
”自分の名刺”を作るという作業が、自分自身の市場でのポジショニングを確立するための始まりであり、自分のポジショニングを進化させる機能を持つ。
で、優れたポジショニングは、ポジショニングがゾーン型とパーセプション型の2つに分かれる上で、4つの条件がある。
4.1 他社との明らかな相違点を示す
4.2 相対的優位性が受け手に認識される
4.3 将来にわたって優位性を持続できる
4.4 全体ポートフォリオの限界を超えない
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久しぶりにクリシンのクラスへ戻ったような感覚がした(^^)昔はロジック力の中の前半のパラグラフの中で必死にもがいていた気がする。
今の自分はどこまでがんばれているだろうか。己を知ることが成長の第一歩であると感じている(^^)そして避けたいのは、こうして様々な学習を続けるのはいいものの、その目的を見失うことである。ただの耳年増になることは避けたい。実践(^^)!

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