いちばんやさしいファイナンスの本

いちばんやさしい ファイナンスの本 (実務入門)
保田 隆明 (著)
企業におけるオカネについてとってもカンタンにまとめている一冊。詳細なBS/PL/CFの読み方や考え方等、本格的な内容は明確に他書籍に譲り(巻末に著者オススメ書籍一覧あり)、ここではそれら3つの関係と、MAのEvaluationの種類や、例えば事業計画におけるファイナンスの考え方でありをシンプルにまとめている。
ビジネスパーソンに必要なのはITと英語と会計だ!と頑張って、会計→ファイナンス→Corporate Finance上下→挫折→・・・なくてもなんとかなるしな・・うん→忘却→でもなー・・・、という感じの人が入り口に選ぶには適した本だ。
あとがきで保田さんも書かれているが、これだけシンプルにまとめるのは相当の知識・経験と思い切りがないとできない。その道に精通するほどに、これでは○○がカバーできない、厳密には△△と矛盾する可能性がある等々気になってしまって結局難しくなってしまうことはよくあること。それを避け、かといって単に粒度を上げてなんとなくの内容におさまることなく見事にまとめられている。
最後に、印象に残っている言葉をひとつ抜粋する。

P.11
会計士の仕事は「飛行機整備士」の仕事と同じです。整備士は飛行機の機体をチェックし、機体整備書を作成します。これに対して「会社の経営を考えること」はパイロットの仕事に例えられるでしょう。パイロットは整備士が作った機体整備書を見て、「よし、今日はどうやって操縦しようかな」と考えます。つまり、「機体整備書を読むことそのもの」は仕事ではありません。

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