ワラシー

実家には植物が多くあります。その中のひとつにワラシーというサボテンがあります。名前が変わっているのでちょっと調べてみたのですがなかなかまとまった情報ってないのですね。名札?にEriocactusとあったのでそちらで検索してもなかなか。サボテンはwikipediaにあるのですがその中にもワラシーもEriocactusもない。
どうやら黄色いキレイな花が咲きそうだということです。ふむ。
http://www.botanica.uk.net/cacti.htm

マッキンゼー式 最強の成長戦略

マッキンゼー式 最強の成長戦略
Patrick Viguerie (著), Sven Smit (著), Mehrdad Baghai (著), 斉藤裕一 (翻訳)
マッキンゼーが成長戦略についてまとめた本。グラニュラリティ(粒度)をこれまでよりも細かく捉える必要を訴え、その上で成長のために必要なアーキテクチャを提示している(ITが事業をグラニュラーに捉えてマネジメントするコストを下げた)。個人的にこの本を見て最も惹かれたのは、位置づけが”The Alchemy of Growth”を補完するものだというところだ。こちら本(The ~)は2001年くらいに出されたもので、彼らが成長についての研究をまとめた最初の書籍となる(これに関しては現在取り寄せ中)。3 Horizon等のコンセプトもこの中で語られている。
上記から、個人的に偏った点に注目して読んでいる可能性はあるが、それでも分析の手法・打ち出すフレームワーク(成長パフォーマンスマトリクス、成長マップ、成長のアーキテクチャetc…)、そしてそれを基にした企業の診断例、グラニュラーなマネジメントの方向性(クラスターに分けたマネジメント)は有用だと思う。
いくつか印象に残っている言葉を以下に抜粋する。

P.59
成長の方向性を定めるためには、目的地への全体的視野を維持しながら、同時にグラニュラリティーの各レベルを自由に移動する柔軟性が求められるのである。(中略)必要なのはグラニュラーな具体的戦略をG4とG5レベルで行動に移すことなのである。

P.125
成長戦略は決定論的問題ではない。それは、可能な限り戦略的柔軟性を保ちつつ、企業としての能力構築につながるものである。とりわけ階段式アプローチは、成長事業の確立という拾いながらも明確な意図の範囲内で、構成化された実験を可能にする。

P.126
問うべきは、「新たな市場に進出するべきか」ではなく、「選択する市場で発揮できる際立った洞察と能力があるか」である。

P.180
ホライゾン3は、新規事業よりもさらに先に目を向け、将来的な成長のための胎動期のオプションに焦点を置く。(中略)ホライゾン3での取り組みは、ホライゾン2の事業の構築に対してコミットメントを行うこと—自社が選択した範囲内で、今後数年間にわたり学びと階段を上っていくことによって—なのである。

P.186
「リーダーが自分の目指す先を知らないのなら、どんな道でも進めさえすればいいということになる。もしどんな道でもいいのであれば、CEOはアタッシュケースを持って釣りに出かけていくかもしれない。どこに進んでいるのかを知らない組織、あるいはそれに無関心な組織は、わざわざお飾りの人形を立てて、その事実を宣伝するまでもない。遠からず誰もがそれに気づくのだから」

P.217
成長の方向性を組織に伝える最善の方法は、それが仕事でどんな意味を持つのかを具体的に説明することである。(中略)つまり成長の方向性は、組織末端までの全レベルにおいて行動に移せる具体的戦略としてまとめ上げなければならない。

P.286

  • 会社をグラニュラーな成長のクラスターにセグメント化する
  • それらのクラスターの戦略を明確に打ち出す
  • 漸進的KPIを通じてパフォーマンス・マネジメントをクラスターに組み入れる
  • クラスターのレベルでポートフォリオを積極的にマネジメントする

理性の限界

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性
高橋 昌一郎 (著)
息抜きのつもりで読んでいたのだけどつい入り込んでしまった。
次の問いかけに、選択・科学・知識の3つの限界からアプローチする。

P.8
私たち人間は、何を、どこまで、どのようにして知ることができるのでしょうか?いつか将来、あらゆる問題を理性的に解決できる日が来るのでしょうか?あるいは、人間の理性には、永遠に超えられない限界があるのでしょうか?

全体にパネルディスカッション形式で各分野の識者が話し合うように描かれているので、面白く読み易い。
表現したい主張があってそれに必要な識者を登場させているのだと思うけど、いったい何人出てくるんだ?っていう位多彩な人々が登場する。しかもそれぞれの立場が明確にされている。これだけのキャラクターをデザインして登場させられる筆者の幅広い知識と表現力は尊敬に値する。各理論にわかりやすい(できるだけ身近に感じられる)事例が示されているのも良い。
選択の限界で、特にゲーム理論について論じられているところは、比較的自分の仕事に近いこともあって興味を惹いた。
科学の限界は個人的に全て面白かった。ニュートン力学と相対性理論、相対性理論と量子論、不確定性原理。実在定期解釈と相補的解釈。”パラダイム”の定義。

P.168
「パラダイム」を「一定期間、科学者集団に対して、問題と解答のモデルを与える一般的に認知された科学的業績」と定義しています

これはトマス・クーンが1962年に『科学革命の構造』で記述したもの。この本は前から興味があって既に購入済み。読むのが楽しみだ。
知識の限界は、ロジックをどのように数式に置き換えていくか、シンプルな公理のもとにおくか、というのが読んでいて面白かった。途中あまり興味を惹かない内容もあったが。