天才!

天才! 成功する人々の法則
マルコム・グラッドウェル (著), 勝間 和代 (翻訳)
小飼弾さんのブログで紹介されていて手にした一冊。
タイトルと内容に少しGAPを感じたのを面白く思った。なんでGAPを感じたのか、カンタンにいえば成功する人々の法則とサブタイトルで書いてあるのに本の中にはその法則というものが書いてないと感じたからだ。でもその直後に、”あ、やっぱり書いているわ、うん書いてる書いてる”と思いなおした。そう、確かに法則めいたものが書かれている。ただそれがいかんともしがたい内容だったりするわけだ。生まれた時代・月だであったり、生まれた家の階級であったり、育った国・地域であったり、所属していたコミュニティであったりで左右されるものだと。
要は自責にできない、法則として理解したところでそれに従えないと感じられる内容が多いのだ。それでも法則は法則。いつの間にか、こういった”~な/の法則”という内容を見ると自分がそれを吸収してどうにかできるような前提で本のタイトルを見ていた自分に気づいたのだ。
そして、上記と矛盾するかもしれないが、そのような内容であっても、それをどう活かすかは自分次第なわけなのだ。

P.47
世界レベルの技術に達するにはどんな分野でも、一万時間の練習が必要だ

P.130
何が欠けていたのか?(中略)それは、子どもたちに実社会で生きていく準備をさせるためのコミュニティ(周囲の社会)だ。Cグループは天分を浪費された。その必要はなかったのに。

P.148
逆境を克服したのではない。逆境が好機に変わったのだ。

P.178
成功は行き当たりばったりには起きない。強い影響力を持つ環境と好機から生まれ、そしてそれらは予測可能だ。

P.247
欧米のコミュニケーションは、言語学者の言う”話し手本位”だ。考えを明瞭に、曖昧さを残さずに伝えるのは、話し手の責任だとみなされる。(中略)他のアジア諸国と同じく韓国では”聞き手本位”だ。会話の意図を読み解くのは聞き手の責任である。

P.271
水田がつくる文化の真髄とは、重労働が、水田で働く者に、不確実性と貧困のなかに意義を見いだす方法を与えることだ。

P.279
数学は能力ではなく態度である。試みることを厭わなければ、数学が得意になる。

P.301
マリータはどうしなければならないか?夜と週末と友だち、すなわちマリータの本来の世界の要素を諦め、KIPPと取り替えなければならない。

P.331
一部の社会学者は、成功を「累積するアドバンテージ」ととらえる。わずかな違いが、その後、新しいアドバンテージを生み、そこに乗りおくれた人は成功から漏れてしまう可能性がある