拙速の背景

ゆっくり丁寧よりは雑に素早く。
この頃、改めてその大切さ、見極めるタイミング、そして決断するタイミングについて考えていた。
孫子の言葉で”拙速”という言葉をつかった有名なものがあったと思い調べてみると、その裏にある背景が書かれていた。
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故兵聞拙速。未睹巧之久也。 -兵は拙速を聞く。未だ巧久を見ざるなり。-
 孫子の曰う「拙」は、政治の手段としての戦争の目的である(得るべき)勝利の達成度合いの意です。また「速」とは、その戦争を手段とする政治目的の達成の速やかさを意味しています。
 『拙速』の背景には以下のような孫子の戦争哲学が流れています。
 即ち、戦争は不祥の器であり、凶器である。たとえ止むを得ざる事情により開戦したものといえども、長引くことにより、国力を疲弊させ、国を滅亡させたのでは元も子もない。
 
 ゆえに、戦争によって得るべきものがたとえ不十分(これが拙の意味)であったとしても、本来の政治目的が達成できていれば、それ以上の欲をかかず、速やかに戦争を終結させること(これが速の意味)が賢明である。とりわけ、戦争というものは、あたかも燎原の火の如き性質を持つものゆえに勝利に酔い痴れて調子に乗り欲望の赴くままに振る舞っていると最後はみずからをも焼き尽くしてしまうものである、と。
 つまり『拙速』とは、老子の曰う「足るを知る」あるいは「止(とど)まる知れば殆うからず」と同意と解されます。
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「拙速の背景」への4件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    ちわ、いつも「サガさんらしさ」に感心しています。  視点が特にラシイと思う。 本来の目的が達成できていれば・・・のくだりが、そうやなぁと思うよ。 でも、その見極めってどうすりゃいいのだろうね。 面白かったので少し調べてみると、当時の中国の置かれる状況もわかって面白かった。 要は一国を相手にしすぎる(疲弊して)と、他の群雄に足元をすくわれる恐れがあるとのこと。 う~ん、深い。。。

  2. SECRET: 0
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    おっコメントありがとうございます(^^
    上記の注釈は他のHPから拝借したのですけどね(^^;

    でもカッツさんがいわれている通りで、”本来の目的が達成できれば手段は…”というのは僕の中で常に拘っていたいところです。自分のCapabilityがその手段に届かなくともその手段が最善であるならば、他の力を借りてその手段を選択し得るCapabilityを満たせばいい等。

    なぜこだわるかというと、それが出来ていないからなのですけどね(^^;
    情けないですね。

    孫子、簡単な本を一冊読んだのですが、深いというか、本質的というか。真理はいたってシンプルで合理的であると思います。(戦争がいたるところで起こっているその時代でシンプルな考えを貫けたことは素晴らしいことだと思いますが)

    最近特に色々と俗に言う”人間関係”を考えることが増えてきているので、その中でも頭はシンプルに、心で柔軟に、目的に対してアプローチしていけるよう頑張りたいですね(^^)

    またコメント下さい☆よろしくお願い致します。

  3. SECRET: 0
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    ありがとうございます。2年半近く前のEntryであり引用元を記憶していないのですが他のWebページを引用した記憶があります。おっしゃるとおり明記すべきですね(^^)

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