[書評] 影法師

夏に永遠のゼロを読み([書評]永遠の0)、百田氏の著作に興味を持ち全巻近く購入したものの読む時間はなく実家に置き去りにしていた中の一冊。

言葉や表立った行動で表現されない感情について考えさせられる一冊だった。これまでの仕事の経験でもMBAでの生活の中でも、自分の考えは主張し、ポジションをとって議論を重ね、より良い解でありチームワークにたどり着く、ということを当たり前のように感じ、納得し、それがより上手くできるように意思決定でありコミュニケーションの訓練を積んでいる。

それであっても、それが全てだというわけではない、人の感情でありつながりというのは、議論で言葉に表現するだけが全てではない、ということを改めて感じた。

相手の目的を達成するためにはそもそもその自分の意図さえ隠さねばならぬこともある。そしてそうするのならば、その意図に従うのもその結果も、全て責任は自分にあるという覚悟をもって臨む必要がある。

これは阿吽の呼吸を相手に期待することとも、言葉にせずとも読み取って欲しいと相手に甘えることとも全くもって異なることだ。

人間関係を、厚みを持って理解していきたいと思う次第。

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