2014年上半期は、ケースの前後に思考を巡らせ、自然体で常にポジションをとり、現地の人とふれあう旅をしたい。

2014の目標を考えると、どうしてもあと半年を切っているMBA生活で何を成し遂げようかというところに集中してしまう。そしてそうすると自分の頭から離れない言葉がある。留学するに際して尊敬するパートナーの方から頂いた言葉だ。

”何かに挑戦することは良いことです。ただし、初期の目的を達成できれば”

その方らしい言葉だと思い握りしめている(初期の目的を達成できれば)。なのでここでまず初期の目的を振り返りたい。なぜ僕はIESE Business Schoolにきたのか。3つの目的があった。

まず自分の持っている”経営”に関する知識・スキルを体系的に整理したかった

大学を卒業しシステムエンジニアとしてキャリアをスタートした僕は、その数年毎に専門領域を変えてきた。IT、イノベーションマネジメント、そしてグローバル展開に関するコンサルティングだ。その都度、さらに言えばプロジェクト毎に必要な知識をひたすらインプットし、考え、イシューに対する解を出してきた。結果として凸凹ありながらそうして積み上げてきた自身の経験を、体系的に整理し固めたかった。

次に自身のとれるリーダーシップのスタイルを厚くしたかった

特にグローバル展開に関するコンサルティングをする中で、僕は複数カ国に跨るプロジェクトチームをリードする経験に恵まれた。そこで身を持って感じたことは、リーダーの力がそのプロジェクトの価値を規定するということだ。

プロジェクトには担当パートナーがおり、体制上彼/彼女がプロジェクトの品質に責任を負う。しかし実際に彼らでありクライアントと議論しプロジェクト進めるのはプロジェクトリーダーの責務だ。僕がもともと持っているスタイルはサーバント・リーダーシップに近い。

しかし、その1つのスタイルだけでいかなるシチュエーションもリードできるかといえばそうではないだろう。時に、クライアントが反対しても、仲間が反対しても、自身のポジションをとり、粘り強く会話を重ね、チームを引っ張る必要があるだろう。限られた期間・リソースの中でのプロジェクトなのだから、それぞれが真剣に考えぶつかり合う、そういったシチュエーションが多くてしかるべきだ。

その状況で自身のパフォーマンスは満足のいくものとはいえなかったと解釈している。結果が全てだが、結果の良し悪しをコントロールするためには手段にこだわる必要がある。その際に自分をリーダーとしてもっと良い存在する必要があるという思いを強くしていた。

そして海外で生活してみたかった

仕事で新興国へ行く機会が増えるまで、自身の人生で海外に滞在したことは合計して3週間しかなかった。しかもそのうち2週間は大学時代の旅行だ。海外・英語とは無縁の人生を歩んできた。

どこかに書いたかもしれないが人生で初めて受けたTOEICは430点だった。リスクニングの時間には起きていることさえままならない事もあったし、リーディングは時間内に全問考えて選択する余裕なんてなかった。

ただ自分の人生を日本に住んでいるだけで終えていいのかという漠然とした思いだけ心の隅に常にあった。日本とは異なる街並みであり風土、文化、人、言語、等の中に自分を置き、それらと出会い人生の幅を広げたかった。

 

では今それらに対してどのように評価できるか、達成したと言うために何が足りないのかを考えたい。

”経営”に関する知識・スキルで足りないのは”リアリティ”と”使う力”だ

体系的に学べていると思う。一方で気付かされるのは、リアリティが不足しているということ、現場で使う力を育てにくいということだ。2つは関係している。レクチャーよりケーススタディのほうがリアリティも使う力も身につくと考えている。一方で、何のクラスであるか、どのテーマを扱うクラスであるかが明らかであり、それを学ぶためのケースであるという前提の存在は大きい。

現実において、今回は戦略にイシューがあります、財務にイシューがありますなどと教えてもらうことはできない。また1つの学問領域のみに課題が閉じて存在することもない。その最も大切な部分を抜かして学んでいる以上、リアリティと、得たスキルを統べて使いこなす力はまだ不足している。

リーダーシップのスタイルに関して足りないのは”経験”だ

特に1st yearのチームにおいてたくさんの経験ができたと思う。コンサルタントとMBAのチームワークの違いとして説明した(2nd TermのクラスとMBAとコンサルティングのチームワークの違い3つ)ような中でチームのアウトプットを良い物にし続ける必要があった。すっとんきょうな事をいう仲間に対しては明確にNoとポジションを示し議論を前に進めていく必要があった。

しかしまだ足りないだろう。リーダーシップの経験の一番根本にあるのは、リード・マイセルフ、自分自身をリードすることだ。次いでリード・ピープル、リード・ソサエティと、リーダーシップの現象を起こす範囲が広がる。日常から自身の行動を省みて変えていくことで、習慣を変え、自然体で、自身のリーダーシップの幅を拡げることができるだろうと考える。

海外での生活で足りないのは”旅”と”人とのふれあい”だ

自分の場合、MBA生活に集中していると生活のほとんどの時間を家と学校の周辺で過ごすことになる。これはこれで貴重な経験だ。60カ国から集まった仲間と日々切磋琢磨するということさえその前の自分の人生と比べたら。

それでも、その生活もMBAという括りで考えれば多様性に乏しい集合だ。当初考えていた日本とは異なる街並みであり風土、文化、人、言語、等へ自分をもっと浸けるためには、バルセロナでありスペインを出て、多くの場所をめぐり、その過程でMBAの外の人とふれあうことが必要だ。

 

ということで、2014上半期は、初期の目的を達成するために、次の3つの目標を掲げる。

ケースの前後を考える

”リアリティ”と”使う力”をMBAの学びの中で磨くためには、ケースの前後を考えることが有用なのではないかと考えるに至った。経営戦略を扱うケースであっても、そもそもなぜそのシチュエーションにこの企業が陥ったのか、そして経営戦略に関する変化を加え、意思決定を新たにした後にこの企業はどうなるか。実行し結果を得るために何をどう実行しきらねばならないのか。

ケースに取り上げられる状況は、企業のライフサイクルからすれば一瞬だろう。そこで何らかの解を導出しても、実行しきって初めてその価値を享受できる。であればその先をいかに見通すかというのは、思考実験(ケース)の域を出ずともリアリティを磨くのに資するのではないだろうか。

(どっちでもいいと)流すことを禁止する。”常に”ポジションを明確にする

自分を振り返ると、ポジションをとるべき時は明確にとるようにしてきたが、そうでもないときは流してきた。イシューに関係のない議論になった際にはその議論が終わるまで自分の中で関係のあることを考え続ける等。

そうして議論から浮くことを禁止する。関係のない議論になったと感じたら、関係ないから議論が不要だというポジションを明確にとるもしくは、関係を教えほしいと明確にメッセージするようにする。その上で、関係性が認められるのならその議論におけるポジションをとる。認められないのなら関係のある議論に集中するよう動く。不要な軋轢をうまぬよう、しゃちほこばらず肩の力を抜いていきたい。

旅行して、現地の人と会話する

卒業しスペインでの生活に幕を下ろすまでの間に特に欧州を色々と巡りたい。そしてその過程で極力現地の人と近づいてみたい。バルであったり、街で建築物の写真を撮りながらであったりの何気ない会話かもしれない。仲間内で旅行に行って、仲間内でワイワイして、という旅行も楽しいし勿論好きだ。加えて自分をもっと海外に近づけるために、一味違う旅行も楽しみたい。

 

2014の目標ではなく残りのMBA生活での目標となった。来週から5th Termが始まる。1Hはこの方針で走っていきたい。