[書評] 影法師

夏に永遠のゼロを読み([書評]永遠の0)、百田氏の著作に興味を持ち全巻近く購入したものの読む時間はなく実家に置き去りにしていた中の一冊。

言葉や表立った行動で表現されない感情について考えさせられる一冊だった。これまでの仕事の経験でもMBAでの生活の中でも、自分の考えは主張し、ポジションをとって議論を重ね、より良い解でありチームワークにたどり着く、ということを当たり前のように感じ、納得し、それがより上手くできるように意思決定でありコミュニケーションの訓練を積んでいる。

それであっても、それが全てだというわけではない、人の感情でありつながりというのは、議論で言葉に表現するだけが全てではない、ということを改めて感じた。

相手の目的を達成するためにはそもそもその自分の意図さえ隠さねばならぬこともある。そしてそうするのならば、その意図に従うのもその結果も、全て責任は自分にあるという覚悟をもって臨む必要がある。

これは阿吽の呼吸を相手に期待することとも、言葉にせずとも読み取って欲しいと相手に甘えることとも全くもって異なることだ。

人間関係を、厚みを持って理解していきたいと思う次第。

[書評] 挫折力―一流になれる50の思考・行動術

洋書と並行して和書を読んでいる。結果和書を早く読み終わりこうして書評を書くに至る。冨山氏の著作は『会社は頭から腐る』や『指一本の執念が勝負を決める』から読んでいる。

と書き、自身が過去に何を感じていただろうとブログを検索してみると真っ先にヒットしたのが次のエントリーであった。

挫折力ー一流になれる思考・行動術

1年半ほど前に読んでいた。すっかり忘れていた。

これを機会に過去に感じていたことと今感じていたことを比べる。2012年の5月に読んでいるがこのタイミングは既に留学を決めており、最後のプロジェクトで単身中国に渡る前のタイミングになる。

昔と同様幾つか印象に残った部分を以下に抜粋しているが、そのいずれもが前回とは異なるものだ。

おそらくもしこれから何度同じ書籍を読んだとしても、その度に異なることを感じ、異なることを学ぶのだろう。そこに書かれていることは同じでも読む側が変化しているからだ。

新たなプロジェクトに臨む前に自身が同じ本を読んで書いたエントリーに触れることで、一層、はたらきたいという気持ちを新たにする次第。

 

「組織のために、あなたには死んでもらいます。」といえるかどうか、そこが有事のリーダーには問われる。

勝負勘、自分自身の得意不得意は、軋轢の修羅場、特に自分より強い立場の人たちや集団全体を敵にまわすような体験をして初めて身につくものだ。

能動的、建設的に考える力、現実的で実行可能な提案を行う能力は、万年野党精神では絶対に身につかない。

「悩んでいる暇があったら、とにかく働け」

肝心なのは、「相手に興味を持つ」ということなのだと思う。相手に興味を持てば、当然そのクセも見えてくる。

悪徳の中に善良を見る視点、善良の中に悪徳を見る視点、この両方を身につけると、人の世は突然、立体的で、カラフルで、面白いものに見え始める。