チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光
海堂 尊 (著)
三谷さんの”観想力”の中で紹介されていたのをきっかけに手にした一冊。amazonにしてもiTMSにしてもそうだがビジネス書等の分野で高いランキングを得ている本で紹介されている本のランクや、音楽でメロディが似ているとうわさになった曲のランクが上がっている。
この本は映画化されたことの方がランキングに対するインパクトは大きいと思うが。
小説は今回久しぶりに手にしたのだけどなかなか面白い。360ページくらいあり、読み終えるのに3-4時間程度かかるのだけど、その世界に没頭できることが気持ちよく、また現実の世界で活かせる学びにも溢れている。
例えば、今回の本で言うと、白鳥の言動から仮説思考を具体的に学ぶことができるし、田口の人間関係の描写から人の機微を学ぶことができる。
学ぶというより感じることができると言った方が適切なのかもしれない。これはおそらくビジネス書からの学びが形式知の吸収であるのに対して、こういった小説からの学びが暗黙知の吸収だと考えられるからだろう。抽象度が高いというのか、何を学ぶのかは読み手次第というのか、そのあたり。
で、学びはさておきと。
病院という世界の組織の壁の高さ、権力への執着の強さ。医師というプロフェッションの持つべきプライド、目的への飽くなき情熱と客観的に事実を踏まえる冷静さのバランス。最高のチームという薄いカバーの裏に潜むひずみ、そのひずみの隙間を縫って動く人間の存在。
人の命を扱うテーマだけに、”面白い”の一言で済ませることができないが、とても素晴らしい作品になっていると思う。
最後に、田口と白鳥、それぞれのキャラクターとそこからの学びを端的に表す言葉を1つずつ抜粋しておきたい。

人の話に本気で耳を傾ければ問題は解決する。そして本気で聞くためには黙ることが必要だ。大切なことはそれだけだ。

大切なのは事実かどうかを証明することではなくて、事実と仮定して物事を動かしていった時に、最後まで矛盾なく成立するかどうか確かめるというやり方をすること。全ての可能性を検討して同時に全てを疑うこと。

「チーム・バチスタの栄光」への2件のフィードバック

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    いいでしょう~

    海堂尊さんでは、最近出た
    ブラックペアン 1988
    もお勧めです。
    チームバチスタの高階病院長が講師時代のお話。

    佐伯教授は白眉を上げた。

    「どけ、小僧たち」

    佐伯教授が、言い放つ。

    「ブラックペアン」

    最終盤、格好いいですよ。

  2. SECRET: 0
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    mitani3さん、よかったです(^^)純粋に世界に入れますし学ぶこともありますし。
    海堂尊さんの作品、全て買ってしまいました(^^)勿論ブラックペアン1988も。

    楽しみにしています。

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