ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙
海堂 尊 (著)
猫田看護師長に学び、最後のアツシくんに涙した。
読み終えた直後は、自分の内側をどのように形容していいのか言葉の整理がなかなかつかない。
どのような言葉で形容しても自分の気持ちをこぼしてしまうような気がしているからだろう。
客観的に1つの作品として客観的に評価してしまえば自分の気持ちをつぶしてしまうような気がしているからだろう。
最近の傾向なので偏っていることは否定しないが、小説を読むということは一種の経験なのだなと思う。ビジネス書を読むことが学習であることと比較して。
ビジネス書を読むときも自身の経験を重ねて読んでいるつもりでいるが、小説が織り成す世界との一体感とはまた異なるのだ。ケーススタディとも異なる。
普段何気なく身を置いているビジネスの世界においても、小説のような、小説よりも色彩鮮やかなストーリーがあることに自分が気が付いていないだけなのだと思う。もっと現実を深く味わう努力をしていきたい。
[2008/03/07 0:35更新]
猫田看護師長からの学びを一部紹介したい。

患者に対する過度の感情移入は危険。共感は大切だけど過度だと、看護が壊れる。

迷った時は患者に返ること。医療の原点は患者にある。

看護は本の中にはない。現場に足をつけることが大切なの。

あたしはね、負けてはダメと言っているんじゃない。負けてもいいの。人間なんて必ずどこかで負けるんだから。だけど怪我をしないような負け方を覚えないと、ね。

間に合わない仕事はやったうちに入らない。