コンサルタント新時代

type コンサルタントのキャリアデザインとは何か?
キャリアデザインセンター
石倉洋子さんのブログから存在を知った雑誌。早速購入して読んでみた。
コンサルタントという仕事について、クライアントにとっての価値、その仕事に就くものにとっての価値、そしてそれらのこれまでと今後を幾人ものインタビューから描き出している。この内容で300円というのはとてもお得だと思う。
本題に入る前にWorld Business Reviewとしてグローバル各領域について語られているページも刺激的だ。橘・フクシマ・咲江さんのインタビューにある次の言葉がとても強く自分の中に残っている。

P.18
いまだに日本、日本人の市場での優位性を信じている人たちがいる。彼らは一刻も早く気付かなければならないだろう。すでに日本は”追われる”立場ではなく”追い抜かれた”立場の可能性が高いということを。(中国、インド、韓国を主としたアジア人と比較して)

重要なのは何を考えているか、何を思っているかではない。現実にどう行動し何を変えたかだ。
そしてコンサルタント新時代について。勝つ経営参謀になるには、というテーマでインタビューをされている。
印象に残っているのは石倉さん、岩瀬さんのインタビューでのコメントだ。

P.27
やはり実体験としての知識がないと感度が磨かれないのです。例えば誰かに『今はアジアがすごいらしい』と聞いたとしましょう。そこで何が凄いのかを確認するため、ネットサーフィンをするだけで終わる人と、各地を回っていろいろ見てきた人とでは、身に付く知識、視野の広がり方がまったくく違うでしょう?情報感度とは、多くの経験をつみ、多くの人に触れながらでしか高まらないのです。」

P.46
「気持ちは良く分かる。けれど、会社にとって大事なのは、社員が自分で考えて、自分達で動けるようになることじゃないかな」

内容は新時代とか勝つ経営参謀というキーワードを抜きにして、コンサルタントとして大切なことがちりばめられている。

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト
酒井穣 (著)

酒井氏を知ったのは彼のブログを読んでいたのがきっかけだった。とっても濃い内容のブログを書かれていて、自分のブログと比べて反省した?ような記憶もある。

そして今回この新著を、最近人を育成するというテーマに興味があったので手にした。常々思うのだけどこの新書というのはコストパフォーマンスが良い。手ごろな値段で、面白いテーマを程よいレベルで学ぶことができる。

この本の特徴は3つある。

まず第一に本の構成ロジックがシンプルでわかりやすい(目次をみれば構造がすぐわかる)。次にノウハウが学問としてのフレームワークやコンセプトも織り交ぜながらわかりやすくまとめられている。小難しい言葉が使われることもないし、フレームワークだけでてきて話が宙に浮いてしまうようなところもない。最後に、極めて具体的だ。筆者含めて誰かの経験の裏づけが記されている。ちなみに後半には筆者の企業の人材育成のビジョンからKPIから実践における工夫からかくすところなく紹介されている。

社内人材育成や個人的な勉強会の運営方法等について考える/実際に動かす立場にある人は最初にこの本を通ってから専門性の高い書籍等にはいっていくのがいいのではないかと思える。それほどシンプル&コンパクトかつ具体的にこの本はまとめられている。
印象に残った部分をいくつか抜粋する。

P.38
能力の向上には適度な居心地の悪さが必要

P.55
人脈とは「誰を知っているか」ではなくて、「誰に知られているか」で決まるもの

P.80
企業における教育的瞬間としては、以下のようなものが挙げられます。
○内定から入社3年目程度までの新入社員期間
○新しいメンバーで新規プロジェクトが立ち上がるとき
○出世や異動の直後
○人材が仕事に行き詰まり、途方にくれているとき
○人材同士のぶつかり合いが度を越えてしまったとき
○中途入社の入社前から入社後3ヶ月程度の期間
○退職の前後

P.99
人は「教えた瞬間に学ばなくなる存在」なのですから、人材育成のデザインは「教えずに学ばせる」ことをめざさなくてはなりません。

P.122
修羅場の経験は大きく言って5つに分類することができます。それらは(1)業務上の大失敗、(2)昇進の遅れや降格、(3)部下の問題、(4)職制の変更や転勤、(5)個人的なトラウマ

組織は人なり

組織は人なり
野中 郁次郎 (著, 監修), 吉田 久 (著), 成田 康修 (著), 坂井 秀夫 (著), 平田 透 (著), 磯村 和人 (著), 咲川 孝 (著), 東京電力技術開発研究所ヒューマンファクターグループ (編集)
野中さんが書かれたものだと思って購入。よくよくみれば監修でした。内容は論文集のようなかたちで各著者が2-3名で各章を書かれている。理論→ケース→ガイドブック→学説という流れで各章が構成されている。はじめに主張している理論があり、それを裏付けるケースがある。その理論を理解するのに参考になると思われる書籍が数冊紹介されて、最後に学説。
以下に抜粋するように個人的に学ぶ点は多かった。コンセプトも好きだし。しかし、ケースはボリュームが少なく、ガイドブックと学説の位置づけが不明確であるように感じた。研究過程の中間アウトプットを本に纏めてみたという感じか。

P.34
楽しめる仕事の条件
・変化に富むこと
・適切で柔軟な挑戦
・明確な目標
・直接的なフィードバック
(出典: Csikszentmihalyi, M. (1990) Flow: The Psychology of Optimal Experience, New York: Harper Collins)

P.46
成功 人間にとって成功とはいったい何だろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。
(出典: 岡本太郎、『強く生きる言葉』 イースト・プレス)

P.71
信頼関係の破壊は、簡単に起こってしまう。その原因の具体例として、以下のようなものがあげられる。
1. 秘密を漏らす
2. 約束を破る
3. 公の場で恥をかかす
4. 嘘をつく
5. 情報を流さない
6. 当然入ると思っていたグループから除外される

P.78
およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということをよく心得ておかなければならない。
人を動かす秘訣は、まちがいなく、一つしかないのである。すなわち、自ら動きたくなる気持ちを起こさせること – これが、秘訣だ。
人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ。
(出典: デール・カーネギー、『人を動かす』 創元社)

P.108
魅力的な物語の条件として、以下のようなことがあげられる。
1. 聞き手を引き込む、期待と現実のギャップがあること
2. 人間の汚れた部分を隠さないこと
3. 見えない部分に真実が見えること

P.257
人のすべてえを科学的な指標により評価できるわけではない。科学的な経営学は、人間の創造性、そして主観や信念といった非合理的だが重要な側面を軽視してしまう。人は意志や信念の力によって、不可能とも思える目標を達成してしまう潜在性をもっており、問題は組織においてその能力を発揮する場を与えられているかどうかなのである。

弾言

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方

小飼 弾 (著), 山路 達也 (著)

今年最初に読了したのがこの書籍。小飼さんのブログは以前から見ていたのだけど、なんとなくこのタイミングで手にした。なんでだっけなあ。

内容はとてもわかりやすく書かれていて良いです。ボリュームも各トピックが短くまとめられているのが良いです。キレイごとが書いてあるわけでもなく、かといって極端に尖った話が書いてあるわけでもなく。と言いながら自分がどれだけ実践できているかと省みるとなかなか難しいですね。

実際にこの本を読むときには、まず目次を見て、次に巻末にある”弾言一覧”を見て中身に入るのが良いと思います。キーメッセージがまとめてあるので自分にひっかかったものの中身に入っていくのが良いかと。バランスシートの観点での構造で目次はきられていて、その中に散りばめられている小飼さんの考え方の結晶(弾言)の観点からきられているのが巻末の弾言という感じです。

印象に残っている部分を次に一部抜粋します。特にモテる人のくだりは、恋愛関係におけるモテる/モテないに限らず、ビジネス含めて人間関係全般に言える話だなあと思います。アタマがとっても良いのにクライアントとの信頼関係をうまく築けない(モテない)とか。

P.27
本を読み終わったら、今度は「自分を読んで」みてください。その本を読む前の自分と読み終わった後の自分がどう変わったか。

P.114
従来 : 業界のアウトプット = Σ(業界に属する人間)
現在 : 業界のアウトプット = max(業界に属する人間)

P.125
日本に生まれたという事実だけでも相当な幸運といえます。運にはいいも悪いもなく、それをどう受け止めるかが重要です。

P.131
僕が見るところ、そういう人たちに欠けていたのは、勉強力というか学習意欲です。例えば、オン・ザ・エッヂでは週1回Techミーティングという社内勉強会を開いていました。この勉強会への参加は任意ですが、伸びる人間はどんなに忙しくても出席していました。僕自身も、出張が入らない限り出るようにしていましたよ。

P.135
伸びていく人間は、他人と情報をやり取りするための「インターフェイス」がしっかりしているように思います。要は、自分のことをきちんと説明できて、人の話を聞けるということです。

P.149
モテる人というのは、異性の単価を高めに設定している場合が多いですね。逆に、イケメン/美人だけどなぜか恋人ができない人は、単価を低く設定しているようい思います。要は、相手を安く見ているということ。ほとんどの場合、そういう気持ちは相手に見透かされます。

P.160
誤解を恐れて冗長に話すことは、受け手にコストを払わせることになる

人を助けるとはどういうことか

人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
エドガー・H・シャイン (著), 金井壽宏 (監修), 金井真弓 (翻訳)
先日読了した『選ばれるプロフェッショナル』に引き続き自分を振り返るのにとても良い一冊であった。内容は平易なのだけど、文章表現が全体的に難しく感じたけど。まあこれは自分の日本語読解力の問題かな。
そもそも支援とは何か、その支援をうまくやるためにはどうすればよいのか(勘所とかかりやすい罠)が書かれている。おそらく読んでみると、斬新な気付きがあるというよりは自分が普段意識せずにふるまっていたこと、感じていたことを言葉でひとつひとつ自覚させてくれるような感覚に近いのではないかと思う。
印象に残っている部分をいくつか抜粋する。

P.46
他人を信頼するとは、われわれがどんな考えや感情、あるいは意図を示そうとも、相手はこちらをけなしたり、顔をつぶしたり、自信を持って言ったことを利用したりしないと思うことだ。

P.69
そもそもどんな支援関係も対等な状態にはない。クライアントは一段低い位置にいるため、力が弱く、支援者は一段高い位置にいるため、強力である。支援のプロセスで物事がうまくいかなくなる原因の大半は、当初から存在するこの不均衡を認めず、対処しないせいだ。

P.72
たとえ当面の問題はクライアントが関わらないで解決できたとしても、いずれクライアントは状況に責任を持つことになる。(略)支援の大半の状況では、問題がふたたび起きたときにクライアントが解決できるようにしてやることが目的の一つである。

P.77
あまりにも早く助言を与えれば、クライアントの立場をさらに下に置くことになる。この反応は、提示された問題が真の問題だという支援者の思い込みも暗示している。クライアントが代わりの問題を提示し、自分を試しているだけだという可能性を支援者は無視しているのだ。

P.139
どんな状況であれ、支援者が決してとるべきでない行動は、どれほどクライアントの態度が挑発的でも、苛立や嫌悪をあらわにすることだ。

P.186
要するに成果をあげるチームとは、自分の役割を心得て、その役割を果すことが快いと感じるメンバーがいるものだと特徴づけられる。

P.195-197
一般的にフィードバックは、求められたものでない場合は有益と言えない。(略)フィードバックは求められる必要があるだけでなく、具体的で明確なもであるべきだ(略)有益なフィードバックをするつもりなら、行動を再検討する中で行わねばならない。(略)フィードバックは評価的なものより、説明的なもののほうが機能する

P.199
選択肢を与えてクライアントを巻き込むことは、支援を求めるという、一段低い位置にいる気持ちを間違いなく改善させる、基本的な方法である。

P.233-249
支援を受ける用意

P.286
プロセス・コンサルテーション10の原則