”交渉における”自分のスタイルを知る。ヒト(チーム)重視かタスク重視か×相手をたぐり寄せるか相手に歩み寄るか

交渉のクラスは今週で修了。あっという間だった。別途教授より自分の交渉スタイルに対するフィードバックがもらえるということで今からそれを楽しみにしている。

ということで交渉のスタイル。

ここの所交渉に関するエントリーがいくつか続いていて、そいういうエントリーをしてきた僕も、4つのスタイルの中の自分が当てはまる1つないしは2つの方向性を強化しているに過ぎない。交渉のスタイルを理解し自身の傾向を理解することで、自分が相手にどういう影響をあたえる傾向があるのか、どういう場面でどうする(してしまう)傾向があるのか、相手はどういうスタイルなのか、であればどう臨むことが交渉をより良いものにできるのか、を把握し、考え、効果的な行動に移せる。 また、診断した際に、Pressureにさらされている場合とそうでない場合でどの特徴が強くでるのかを理解できたことも良かった。

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4つのスタイルはタイトルどおり2軸のマトリクスで表現される。スタイルをごく簡単に紹介する。

ヒト(チーム)重視かタスク重視か
相手をたぐり寄せるか相手に歩み寄るか

1. ヒト(チーム)重視で相手に歩み寄るスタイルは交渉時も穏やかさと調和を確保しようとする。なすべきタスクには無頓着で人間関係を重んじる。交渉にも面白さを加えようとするし愛嬌もある。相手を喜ばせようとする。そして柔軟だ。

2. タスク重視で相手に歩み寄るスタイルは失敗や無駄を避ける。なすべきタスクに集中する。一貫性と安定を確保しようとする。予測可能なものを好む。論理的で系統だっている。

3. タスク重視で相手をたぐり寄せるスタイルは有能であろうとし結果を出すことにこだわる。なすべきタスクに集中する。物事を前に進めること、具体的なアクションにおとすことにこだわる。難しいチャレンジを好む。リスクをとる意思がある。

4. ヒト(チーム)重視で相手をたぐり寄せるスタイルは協業できることを探す。人間関係を重視する。全員をより良い方向へ向かわせようとする。理想主義的で道義を重んじる。

なので例えば交渉のテーブルにおいて突然いいアイデアが思いついたとしたときに、

相手が1であれば前向きに明るくこんなにいいアイデアがあるよ!と言うと受け容れられやすい

相手が2であれば突拍子もないアイデアは突然テーブルに載せず、落ち着いて、話の流れのつながり、そのアイデアを支えるロジックを明確にして説明する

相手が3であればアイデアを話す際に相手のプライドを思いやった伝え方をし、もしそれをやるならどういうアクションが必要なのかまで言及する

相手が4であればそのアイデアによって関係する皆がいかにメリットを享受できるかを強調する。

と言った具合で伝え方を工夫すると交渉がスムーズに進められる、のかもしれない。

自身の診断結果はとても頷けるものだった。まあ自分ならそうなるわなと。プレッシャーがあるときもないときも。

 

最後にこのスタイルの分類の話で気をつけたいことを3つ書いておきたい。

まず、これは”交渉”時のスタイルであるということ。これによって交渉時以外の相手にレッテルを貼るのはおそらく良くない。

次に、スタイルは交渉の局面によってダイナミックに変化するということ。それをセンスすることが大切であること。ああ、このヒトはこういうスタイルだなと一度分類して終わるものではない。

そして、あくまで優先するべきは相手から得られる情報であるということ。4つの型にはめることが目的ではない。一人ひとりが個性を持っている人間が交渉のテーブルについた途端4つに分類できる、もしくはその単純な組み合わせで表現される、ということはないと思っていい。あくまで自分と相手の理解を助け、交渉をよりよいものにするツールのひとつにすぎない。

 

交渉の場だ、言葉の選び方、感情表現、身振り手振りの一挙手一投足に戦略があってのことだと思っていていい。型を演じている人だっているだろう、意識的にしても無意識的にしても。その表面的なものひとつひとつに関して敏感にどの型なのか、どういう人なのかと考える必要はない。

大切なことは交渉の前に相手のことをどれだけわかっているかだ。

人はいつでもその人の性格とその人にはたらく力学(インセンティブ)に従う。だからそのふたつを事前にどれだけ把握できるか、交渉の成否はまずはそこにかかっていると考えていい。

その2つを理解し、相手のニーズや関心、代替案とその幅を事前に想定し交渉に臨み、交渉の進め方や相手との接し方をスムーズにするために、上記のスタイルを参考にする、ということではないだろうかと思っている。

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