勝負は既についている -人が立ち返る場所

不測の事態に見舞われ混沌とした状態に陥った時に企業運営の成否を分かつのは、そうなる前に何をしてきたか、何を価値観として行動規範として自分たちの心に刻んできたかである、という話。

以前所属していた組織ではプロトコルが明示的にも暗黙的にもあったように思う。それがあるからコミュンケーションのロスが少なく効率的に物事を進められた。

それを持たない経験はMBAでのチームワークが大きい。こちらにまとめている(プロトコルという言葉を使っていないが)。

2nd TermのクラスとMBAとコンサルティングのチームワークの違い3つ

英語だったということもあったが慣れるまでむつかしかった。プロトコルがあるという中に、それを具体的にどういうシーンでどう使うのか、共にしてきた経験があるということも含んでいるのだと思う。

ただ、物事を進めるのをむつかしくするインパクトは、プロトコルの有無は小さく、それよりに大きいのが価値観が共有されているか、という点にあると感じている。例えば上記のリンク先で言えば、何を最も重要視するか、優先順位の置き方は価値観の1つに当たるだろう。

 

多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが運営する、プロトコルを持たない組織が不測の事態に見舞われ、情報の連携がとれず事実関係が不確かな中で行動することが求められた。

結果として、後から振り返れば組織としてうまくまとまった行動がとられていた。当時を振り返る会話の中で共通してでてきたのが、意思決定をするとき、それに従い行動している時、振り返ったのは自分の行動が共有している価値観にそぐうものであったか否かであったということだった。

共通の価値観というものは、ある時決めたらその日から根づくようなものではない。文字に起こして配ればそれがそのまま価値観なるものでもない。仲間の日々の言動と一致してはじめて組織の価値観となる。

なので、勝負は不測の事態を迎える前にすでについていたのだと。

 

自分であり自分たちでありの日々の言動がどのような価値観に根ざすものなのか、そしてそれがふさわしいものなのか。そこに齟齬なく生きていきたい。

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