世界一やさしい問題解決の授業

世界一やさしい問題解決の授業。最近、ポジションが徐々に変りつつあり、考えることの幅も深さも求められる中で頭の中が整理しきれずに無理やり走っているところがあった(走れてるのかもがいてるだけなのかもわからないかも、というくらいだ)。
そんな中、一度基本に立ち返ろうと思って手に取った一冊。クリティカル・シンキングの一連の流れとポイントが、わかりやすく、小学校のケーススタディを通して書かれている。さらさらと読めるし、ポイントはおさえられてるし、子供に限らず大人にとっても価値のある本だと思う。
頭で理解する。知ってる/知ってないっていうレベルで解釈するならさらっと読み終わって”で?”で終わってしまうのかもしれない。
実際に試行錯誤を繰り返し、複雑性の高い問題をロジックでシンプルに整理しきれない、してみると何かキモの部分もぼやけてしまっているような気がする。というような状態にいる中でさらっと読み返してみると、てっとりばやく基本の部分を思い出させてくれる。
プロジェクトを進める中で、相手に物事を伝える、そして相手に主体的に動いてもらうために”小学5年生に説明するつもりで話をしろ”といわれることがある(もちろん相手による/目的による)。それをやろうとすると簡単にはいかなかったりする。
小難しい言葉遣いで自分の理解のあいまいな部分を隠してしまっていないか
その後具体的に行動してもらうのに何を何処まで理解してもらえればいいのか?
その過程で集中力を切らさず、かといって他人事のように考えられずに自分のこととして学習してもらうにはどうやって当事者意識を継続的に持ってもらえるのか?
これらの問いかけに具体的にこの本が答えてくれるわけではないのだけど、頭の整理・シンプルで核心をはずさないメッセージングというのをじかに感じることができる。

象の背中

最近、平日のばたばたにかまけてBlogの更新を怠っていた。今になるといつの週末だったのか思い出せないのだけど、象の背中を見に行った。こういった映画の感想で”良かった”、”面白かった”っていう形容は何か違う気がいつもしていて、じゃあなんていえばいいのかというとうまい言葉が見つからなかったりするのだけど、”見て良かった”と思える映画だった。
#まだ映画を見られていなくて内容を知りたくない方は以降飛ばしてください(気をつけているつもりですが念のため)
最初は役所広司の冒頭のシーンの演技を関心しながら見ていた。それまで普通にサラリーマンとしてそれなりの地位でやりがいのある仕事をしていて、ひょんなことから検査を受けて結果余命がもって6ヶ月だという事実を告げられたときのリアクション、そしてその後、周りがまだ知らない状態で仕事に戻った後の周囲とのやりとり。リアリティに溢れた素晴らしいものだったと思う。
ここで演技の視点をもって映画を見ていたのだけど、そうするとその事実を知っていく、息子・娘・愛人・妻のリアクション、過去を清算するべく再会していく各人のリアクション。選択された言葉であり、表情であり、態度であり、コミュニケーションの間であり、それらが逐一なるほどとうならされるものばかりだった(こういう視点で映画見たことなかったので素人の素直な感想ですが)。
そして残された時間が短くなるにつれていっそう強まる家族の絆であり、一時的な愛情や嫉妬を超えたところにある夫婦の絆でありを見て感動した。映画の中のせりふであもるが、死について考えることが結果として生について考えることにつながるというのを改めて感じ、よくいくつかの本の中で書かれている、キャリアであり人生でありについて考えるときに”自分の葬式をイメージする”ということの意味をより具体的に、心で理解することができたような気がした。
そうこういっている僕も普段から健康にちゃんと気遣えているかというと、そうとはいいがたい生活を送っていたりする。小さくでも少しずつ健康を意識した生活に軌道を載せていきたいなと思った。