デザインの原形

デザインの原形
日本デザインコミッティー (著), 深澤 直人 (著), 佐藤 卓 (著), 原 研哉 (著)
タイトルのとおり。日本デザインコミッティーの面々が”原形”だと思われるデザインのプロダクトを集めている。本の中で”原形”というものの定義について以下のように書いている。

デザインの原形とは「類」や「種」の元を成すもので派生ではない。また原形とはオリジナリティとも少し違う。オリジナリティは独自であることが目的で、それは作者の個性や主観的意思の表れである。原形は作者が探し出した必然である。それが必然であることは、そのものが長い年月で活かされ、生活に溶け込んできたことで実証される。
(略)
原形の意味を知る者は、つくり出そうとするのではなく、生活の背景になり、人の行為にはまり込む必然を探し出そうとしている。原型となりうるデザインには時代の流れや一時の刺激に迎合されない強さと自由度がある。
(略)
むしろ原形たるデザインは一時の刺激や輝きを放つものたちの背景となって、それらをより際だたせる力がある。それは時代と共に移り変わる人の心理が回帰するよりどころである。

ということで、この本で紹介されるプロダクトには一切の無駄が省かれている。まさに”洗練された”という言葉で形容するにふさわしい。そしてその洗練したデザインを支える精緻な設計・高度な技術にところどころで触れられている。
素直にそれぞれのプロダクトが魅力的で、見ていて楽しい。
そして少し考えてみる。自分の原形ってなんだろうかと。
人に限らず色々な出会いがある。そこから広がる様々な経験がある。自分に色々な色でありパーツでありが加わっていく/失っていくのだと思うが、そんな時間を経る中でも自分の原形が何か、それは見失わずにいたいと思う。

写真がもっと好きになる。

写真がもっと好きになる。 菅原一剛の写真ワークショップ。
菅原 一剛 (著)
写真のノウハウはさておき、その道のプロフェッショナルの撮る写真であり、その考えでありに触れたい。そう考えていて見つけた一冊。
カメラやレンズの選び方や露出等の技術も簡単に触れられているが、写真・カメラを扱う腕ではなく扱う心について語られている。
カメラに限らず何にでも言えることだが、人間、自分の中で気持ちよりもノウハウが大きくなり始めると、それを駆使することに喜びを感じるようになる。気がつけば技術的に美しい写真を撮ることが目的化してしまい、何のための美しさか、技術的ではなく自分という存在として何を美しいとするか、といった心が薄れてしまう。
自分という世界に唯一の存在の追い求める貴い美しさを、被写体・アングル・フレーム・露出・絞り・シャッタースピードといった技術的な要素で分解して捉えてしまう。それらだけでは捉えきれない、大切な何かをなおざりにしてしまう。
腕を磨くことと、それによって表現する心を磨くことをトレードオフの関係にしてしまう。
そんな気がする。
なのでまずは、自分の心に何かしらひっかかったものを、自分の好きなように写す。自分の感性に任せてシャッターをきっていきたい。そして今回手にしたようなプロフェッショナルが過去に残してきた写真や考え方・感じ方に触れていきたいと思う。
なんだかんだいって、自分の心の底から楽しければ良いのだ、と思っている(^^)
#仕事にも同じことが言えると思っている。僕は、Clientであり自分でありの大切な何かを、構造立てて考える過程でばらばらにしてしまってはいないだろうか、取りこぼしてしまってはいないだろうか。
印象に残った言葉をいくつか抜粋したい。

それが庭先に咲く花だとしても、ただ何となく撮られた花の写真と、話かけるように撮られた花の写真とでは、まったく違う写真が出来上がると思うのです。

その人ならではの”景色のようなもの”を見つけることができたなら、いい写真が出来上がるのはもちろんのこと、今まで以上に、その人のことが大切に思えてくるはずです。

”思い”というものは写真に現れるし、あなたが被写体を見る気持ちが、あなたらしい写真をつくります。でも、そんな気分になれない時は、光の色を意識してください。すると、気分さえも驚くほどに変わることがあります。光の色を感じることで、ものの見え方は大きく変わってくるのです。

光の中に、”目に見える光”と”目に見えない光”の両方があることを、少し意識してください。

「一枚の写真の中には、とても大きなつながりが写っている」

僕は、ある種のコンセプトを掲げて写真を撮る感じが嫌いです。それは、写真は”時間”というものに大きく関係していますが、コンセプトなんかでは太刀打ちできないほど、とても大きな流れの中に存在しているからです。

ダイアローグ

ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ
デヴィッド・ボーム (著), 金井真弓 (翻訳)
目的がありゴールがありアジェンダがある。一連の意図があって進められるディスカッション。
目的をおかず、ゴールをおかず、アジェンダを設けず。創発的なコミュニケーションから真の何かを生み出そうとするダイアローグ。
といったところだろうか。詳細は後ほど。

写真の撮り方手帖

写真の撮り方手帖 ~たいせつなもの、撮ろう~
繁延 あづさ (著)
#今見てみると”在庫切れ”になっている・・・。
色々な写真に触れたい。自分らしさを表現できる写真を撮りたい。
ノウハウが詳細に詰まった本はまだ今の自分には必要ないと思うので、それよりは新しい作品やその作品に至った作成者の意図だったりが書かれている本を読みたいなーと思っていて手にした一冊。
技術的なことはかなりコンパクトにまとめられており、後は実際にとった写真(食べ物・生物・植物・工場等いくつかのカテゴリに別れている)に簡単なメッセージが添えられているだけ。加えて写真家の方や写真を好きなモデル・芸能人の方との対談が入っている。
素晴らしい作品と、その意図、人それぞれの写真との関係を綴った、全体にゆったりとした一冊だった。
今度は時間をつくって、写真展でも見に行きたいと思う。