スタートアップで一歩を踏み出す。自分が発現できる能力が企業の能力を規定する

この秋からベンチャーでパートタイムのインターンをしている。どこの国のベンチャーという言い方がうまくできない。ただ、2人のファウンダーはイギリスとドイツにいる、新たに参画したメンバーはアメリカにいる、そして開発チームはドバイにいる。

僕が今のところ担当しているのはパートナー戦略策定と獲得。サービスのバリュープロポジション、市場の環境や競合のふるまいが明確でないのでそこを理解し、仮説をたて、前に進めていく。現状から大きく乖離しない範囲で持っているサービス像から価値が高いであろう要素を抽出していく、その一方で創業メンバーとともにパートナー候補となる企業をリストアップする、と同時に彼らはすでに人づたいでコネクションを開拓しつつある。

他のタスクも含め多くのことがパラレルに進む。短い時間軸の中で。全てのタスクで1から10まで事前に立直しうる情報で検証することはおおよそ難しい。なので実際にコンタクトしながら検証していくより他ない。とりかえしのつかない失敗のリスクがないのであれば余程効率的だ。

ベンチャーであれ大企業であれ、イシューをごまかすことは許されない。イシューを特定し解決策を検討するために必要なフレームワークにも妥協は許されない。

ただ、どの程度の段階で意思決定をするのか、どこまで立ち止まって考え、どこから走り出すのか、その程度が圧倒的に大きく異なると感じている。今週すでにパートナー候補との会話の場がみえている。

 

まずは第一弾だ。

 

僕はこれまでコンサルティングの提案をする際、コンサルティングというものを売る、という考え方はしてこなかった。相手の課題について仮説を立て、解決策もしくはそれを検討するためのオプションを出し、それに必要な期間とコストを提示する。相手の課題を自分たちよりうまく解決できそうな企業があるのならそちらを頼るべきだし、そもそも自分たちでやった方が良いことであればそうするべきだと考えてきた。

自分たちがやるべきなら、価値を出すために必要な期間とコストを確保する。それがないならプロジェクトの中で価値をつくり上げるために一層の他のリソースを割いてもらうか、そのプロジェクトの価値を減らすか、直接価値を受けとることを諦めプロジェクトのアウトプットを引き継いで自分たちで価値にしてもらうかだ。そのいずれもができないのなら、そのプロジェクトはするべきではないと考えてきた。価値の望めないことはしない、この側面だけをみれば至極当然のことであると思う。

今参画しているベンチャーに関しても、自分の中でパートナー企業へ価値が提供できるであろうという仮説は立っている。各企業が本当にそれを必要としているのか、相手にとって本当に価値になるのかを見極めて進めていきたいと思う。と同時に、価値が届けられるよう、仮説検証の結果に応じて、サービスのインプリへも貢献していけたらと思う。

 

また、スタートアップに関与して思うのは、やるべきことが山積みだということだ。その”やるべきこと”が何であるのか、その優先順位は何であるのか(何がキモなのか)、という状況の理解は人に応じて異なると思う。人によって見える課題もあれば見えない課題もあるだろうし、自分で解決できることもあればできないこともあるだろう。

そう考えると、どういう人間がそのスタートアップを興すのかがその成否を(これまで想像していた以上に)大きく分かつと思うに至る。だからこそ共に働く人にこだわるのだろう。

そして、最終的には行動し何らかの結果を得ることが全てだ、知っている、分かっているだけでは物事は解決しない。従い、自分が創業者であるなら自分が発現できる能力がその企業の能力を規定するという側面は大きい。だからこそチームを組むのであり、自分の能力の限界を知ってこそ適切な仲間を探し求めることができるのだろう僕は今学生の立場でパートタイムのインターンシップだが(気持ちとしてはコミットしていると言いたいが)、フルタイムでコミットしている創業メンバーであればその意識の強さとそれを要請するプレッシャーは圧倒的に大きであろうと感じる。

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