志を育てる

昨日は外資系コンサルティングファームの日本法人を立ち上げられ、1桁台の組織からスタートし4桁台にまで大きくされた方がIESEへ来訪され、お話をお伺いする機会を頂いた。とてもシンプルに研がれた内容の話をゆっくりと、堂々と、笑いをまじえながらお話される姿を見ているだけでも学ぶ点は多かった。

リーダーのなすべきことに関してもお話をいただいた。最も大切な点はその際の最上位のレイヤーにあった内容、MissionでありVisionでありを掲げる、ことであると感じている。掲げた/掲げられたそれらを実現するための知識でありスキルでありコンピテンシーでありは学び修めることができる。MBAもその手段のひとつだろう。一方この、MissionでありVisionでありを掲げること、は学ぶものではないように感じるからだ。そしてそれがなければ、社会・組織はおろか自分自身であえもリードすることはできないと考える。導く方向がないのだから。

MissionでありVisionからして生み出せる人間こそが強く求めらるようになっていると感じた。自分たちに背中を見せてくれる存在に追いつこう、そして追い抜こうとしていた時代は(とうの昔に)過ぎ、かつ日本国内だけに集中しているだけでは成長どころか過去と同様の富を維持することすらままならない。世界をより豊かにするポテンシャルを持っているにもかかわらず、だ。だからこそ日本国内だけではなくグローバルでのコンテクストに鑑みた、後追いではない自身たち固有のMissionでありVisionでありを掲げる必要性が一層強まっているのではないか。それが求められているリーダーなのではないか。そう感じた。

それだけのことをするのにまず必要なものは高い志なのだろうと思う。若くしてそれだけの高志を抱き実現に人生を捧げられる方もいる。少数だと思う。多くの人は自分の経験を通じて、新たな外部環境とのつながり、それを咀嚼する内部環境の進化を経て、自身の志を高次に押し上げ、実現に向けて邁進し、その過程で変化を経て、という軌跡をたどっているのではないだろうか。

自覚の有無にかかわらず、人間はその時々で自身の望む選択をし続けていると思う。行動がその人の志を語っているとも言えるだろう。なのでその行動を変えていけるように、自分がなぜその行動をとるのか、その先に何を望んでいるのか、それは自分が本当に重なりたい未来なのか、そのような問いかけを自分に投げかけながら、新たな経験に臨み続ける必要があるように感じている。

コメントを残す