人を助けるとはどういうことか

人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
エドガー・H・シャイン (著), 金井壽宏 (監修), 金井真弓 (翻訳)
先日読了した『選ばれるプロフェッショナル』に引き続き自分を振り返るのにとても良い一冊であった。内容は平易なのだけど、文章表現が全体的に難しく感じたけど。まあこれは自分の日本語読解力の問題かな。
そもそも支援とは何か、その支援をうまくやるためにはどうすればよいのか(勘所とかかりやすい罠)が書かれている。おそらく読んでみると、斬新な気付きがあるというよりは自分が普段意識せずにふるまっていたこと、感じていたことを言葉でひとつひとつ自覚させてくれるような感覚に近いのではないかと思う。
印象に残っている部分をいくつか抜粋する。

P.46
他人を信頼するとは、われわれがどんな考えや感情、あるいは意図を示そうとも、相手はこちらをけなしたり、顔をつぶしたり、自信を持って言ったことを利用したりしないと思うことだ。

P.69
そもそもどんな支援関係も対等な状態にはない。クライアントは一段低い位置にいるため、力が弱く、支援者は一段高い位置にいるため、強力である。支援のプロセスで物事がうまくいかなくなる原因の大半は、当初から存在するこの不均衡を認めず、対処しないせいだ。

P.72
たとえ当面の問題はクライアントが関わらないで解決できたとしても、いずれクライアントは状況に責任を持つことになる。(略)支援の大半の状況では、問題がふたたび起きたときにクライアントが解決できるようにしてやることが目的の一つである。

P.77
あまりにも早く助言を与えれば、クライアントの立場をさらに下に置くことになる。この反応は、提示された問題が真の問題だという支援者の思い込みも暗示している。クライアントが代わりの問題を提示し、自分を試しているだけだという可能性を支援者は無視しているのだ。

P.139
どんな状況であれ、支援者が決してとるべきでない行動は、どれほどクライアントの態度が挑発的でも、苛立や嫌悪をあらわにすることだ。

P.186
要するに成果をあげるチームとは、自分の役割を心得て、その役割を果すことが快いと感じるメンバーがいるものだと特徴づけられる。

P.195-197
一般的にフィードバックは、求められたものでない場合は有益と言えない。(略)フィードバックは求められる必要があるだけでなく、具体的で明確なもであるべきだ(略)有益なフィードバックをするつもりなら、行動を再検討する中で行わねばならない。(略)フィードバックは評価的なものより、説明的なもののほうが機能する

P.199
選択肢を与えてクライアントを巻き込むことは、支援を求めるという、一段低い位置にいる気持ちを間違いなく改善させる、基本的な方法である。

P.233-249
支援を受ける用意

P.286
プロセス・コンサルテーション10の原則