大人げない大人になれ!

大人げない大人になれ!
成毛 眞 (著)
普段購読しているいくつかのブログに書評があがっていたので面白そうだなとおもって手にした一冊。文字数は少ないし内容も平易でとても読みやすい。
僕の周りにも大人げない人は多い。なんだかんだいって僕も大人げないと言われることも結構あったりする。でも往々にしてそういう人の考えのなかに面白いモノを見つけられる可能性が高いようにも感じられる。往々にして行き詰まったシーンにブレイクスルーをもたらすのが大人げなさであるように感じる。
さて、印象に残った部分をいくつかご紹介。

P.23
やりたいことは我慢できないという、ほとんど小学生並みの行動原理で動くことができる人こそ最も強力なのである。

P.73
ベンチャービジネスとは、権力や権威に反抗し、他人が無視しているようなものに己の人生を賭けることである。これに価値が付加され、人を追従させることができると、そこに差益が生まれ大きな儲けを手にすることができるのだ。

P.97
話し方は、常にその人の考え方に大きく影響しているのだ。意味不明のカタカナ語を使うたびに、メールでは「お世話になります」と書くたびに、あなたの中からはクリエイティビティが失われていくはずだ。

P.109
目標を設定するならば、変化に対応する中で、各人の創意工夫をの果てにやっと達成されるようなものでなければならない。(中略)大人はこの落とし所という言葉が大好きなのだが、こんなものに意味があるはずもないのだ。これではすべての可能性を引き出すことができないのである。

P.119
年をとるにつれて、顕著になる特徴は、保守的、悲観的独善的の3つである。

P.122
若者には、おじさんの言うことは9割が間違いだと考えてほしいというわけである。
ところで、こう書いた私も50歳をすぎた立派なおじさんである。本書の読者には、この内容の中に1割だけ隠されている、あなたにとって正しいアドバイスを探して欲しい。

P.135
「空気を読む」という風潮は、明治中期以降の大衆操作を平易にし、人々から考える力を奪っていったのだ。少なくとも無言の圧力の中で、自らの考えを放棄してしまうのは、恐ろしいことだと認識したほうがよい。

P.175
読書において重要なことは、本の内容を頭の中に入れることではない。大事なことは記憶することではなく、本をよむことで衝撃を受け、自分の内部に精神的な組み換えを発生させることだ。