真実の瞬間

真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか
ヤン カールソン (著), 堤 猶二 (翻訳)
以前からどこかでこの本が良いという話は何度も聞いていた気がする。最近ちょっとサービスについて知りたくて手にした。これほどサービスについて学びに溢れた本を今のところ僕はまだ知らない。そして驚いたのが初版が1990年。今からおよそ20年前に書かれたものであるということだ。僕は本を読むときはペンで線を引くわ、端っこは折るわということをするのだけど、読み終わってぱっとみたところおそらく2/3-半分程度のページが折られていた。
感想を色々書こうと思ったのだけどもう少し自分の頭の中に寝かせておこうと思う。頭の中で色々結びつき始めているような感覚で、まだ上手くアウトプットできない気がしているので。
印象に残っている部分をいくつか紹介。

人はだれもが自分が必要とされているということを知り、感じなければならない。
人は誰でも一人の人間として扱われたいと望んでいる。
責任を負う自由を与えれば、人は内に秘めている能力を発揮する。
情報を持たないものは責任を負うことができないが、情報を与えられれば責任を負わざるを得ない。

P.158
だれでも自分が貢献していることを認めてもらいたいと思っている。仕事をして、それを認めてもらうことで、自負が培われる。ことに、従業員の自負心と現場での意欲が顧客の満足度を大きく左右するサービス業の場合は、成果に見合う賞賛の言葉は非常に効果的だ。

P.161
ピラミッド機構を崩した企業では、従業員ひとりひとりの自負心を高めることが、ことのほか重要である。古い階層的機構の企業では、役職、肩書、給与といった、権限に関連するものを重視する。階層的機構内での”昇格”は、多くの場合、能力のある人間を重要な職務からはずして閑職につけ、給与額を上げることを意味している。極めて有能な社員が、単なる上層部の意思決定伝達役におさまってしまうことが多い。

P.188
真のビジネス・リーダーとは、大聖堂を設計士、人々にその完成予想図を示して、建設への意欲を鼓舞する人間のことである。

生命保険のカラクリ

生命保険のカラクリ
岩瀬 大輔 (著)
気がつけば発刊からはや1ヶ月が過ぎようとしている。今日ようやく読むことができた。読み終えて一番自分の中で印象に残っているのは序章の内容だ。大きく2つの内容。1つは岩瀬さんと社長の出口さんが初めて死亡保険金を支払いに、遺族の方々のもとへ出向き、霊前に手を合わせるシーン。1つはこの本の位置づけを説明している内容、プロが書いたプロ向けの本でもない、プロが書いた一般人向けの本でもない、この業界に一歩足を踏み入れた一般人が書いた一般人向けの本だというもの。
1つめは情緒的にとても強く印象を受ける。その一連のシーンの中に登場する各人物が何を何を思ってそのシーンに入り、その切り取られたシーンの後に何を抱き動くのか。コンサルティングや投資銀行では人の死であり、その遺族の今後について想いを馳せるという経験はプライベートを除いてほぼないと思う、一方で生命保険を扱う立場にいれば、それは少なくとも自分達が保険料を支払う回数分だけ存在する。実際に経験する・身をもって感じるところに自分を置くかどうかはさておき。
文中で、”GNPでマイホームを選ぶ人はいない。ならば(人生でマイホームについで2番目に高い買い物である)生命保険も知り合いだとか、いい人だという理由で選ぶべきではない”というくだりがある。確かにそのとおりだ。でももし商品に違いがなかったとしたら(違いを認知できなかったとしたら)、やはり上記にあるような、お客様個々にどこまでキチンと向き合いきることができるか、それができる会社であり続けるかというのは大きな違いになってくるのだと思う。
シンプルでわかりやすいホケンという今の業界における商品面での強い差別化要因にとどまらず、上記にあるような情緒的な側面においても、今後企業体が大きくなっても変わらずに持ち続けていたらどれほど素晴らしいだろうと思う。
2つめは一般人による一般人のための本。そう、カンタンではない。セイホの素人からしてみたらこの本でさえカンタンではないと思うのだけど、それでもとてもわかりやすく書かれていると思う。本人が情報に触れ、理解し、整理したそのエッセンスを整理する過程も含めて書かれているからかなと思う。過去に外資セイホの営業マンの方の話を聞いたことは何度かあるのだけど、それとは違うわかりやすさなのだ。何が違うかというと、
営業マンは、具体的なイメージに訴えかけられることによって想像しやすい。感覚的にわかりやすい。
この本は、明快なロジックで、構造の問題も踏まえて訴えかけられるため、そもそもセイホが何かということを理解しやすい。
のだ。前者が魚の味や料理の味をイメージで理解させてくれるのに比べて、後者は釣り方 / どんな魚を釣るべきか / その魚を調理する上で気をつける点を教えてくれる。といったところか。
手元においておいて、ホケンを考える過程では何度か立ち戻りたくなる一冊だと思う。

uniqlo +J

今日はuniqlo.online.comで買い物。+Jのセーターとダウンジャケット。ニュースでは見ていたのだけど、明日まで、onlineでも一部の製品が安くなっているようで、セーターが25%程度安く買えました。着るのが楽しみです。社会人になってスーツやシャツを買うようになると、大学の頃はあまり意識していなかった自分の寸法がわかるようになるのでネットでも買い物がしやすくなりますね。とはいえわかったもののなかなか自分にぴったりくる寸法の服が無いのですが。
http://store.uniqlo.com/jp/CSaDisp/Mplus
#クリスマスイルミネーションの写真はこれで最後です(丸の内-銀座)