個の力

結構前からになるがスーツ、シャツ、ネクタイといったビジネス用品を買うお店はほぼ固定している。それぞれのモノが気に入っていたし、お店の雰囲気が好きだからという理由から。先日もスーツを一着新調したのだけどそのときに付いてくれた人が素晴らしかった。
”せっかくのお買い物ですし、既製のスーツでもオーダーメイドに近づけたいのです”
という言葉のとおり、着丈・袖丈は勿論のこと、スーツの立体感、ジャケットのシルエットや背中にできるたわみまで見て、直したほうが良いところを教えてくれる。ディテイルの用語は忘れてしまったのだけど質問したことは詳しく教えてくれる。直すのに必要な費用がいくらかもキチンと伝えてくれる。
何着か同じお店でスーツを買っているが、これほどまで熱意と知識を持って接客してもらったのは初めて。結果とっても自分にしっくりくるスーツが出来上がった。
規模が大きくなるにつれて、意図的にしてもそうでないにしても、組織としてのスタンダードはできてくるものだと思う。勿論それを下回るようなサービスは避けるべきだ。しかしそれを上回ってはいけないというルールはどこにもないと思う(それを定めている組織を見たことがない)。
スタンダードはその組織に属する人間にとって、下回ってはいけない最低限度のレベルを規定するものであり、その上にそれぞれの個の+αを乗せていく。そうであるべきだと感じた。それを上限とみなして、そこに重なっていれば良い、重なっていることが良いのだと解釈されはじめたら、その瞬間からその組織の成長が止まってしまうのだと思う。
自分の力、自分ならではの+αの価値。こだわっていきたい。
#スーツを受け取りに行った際、その方にお礼をいいそびれてしまった。次にお店を訪れたときには是非お礼を告げたいと思う。

意識しない

仕事に閉じず、生きている中で感じること、考えてしまうことや考えるべきこと、やりたいことやるべきこと等々複数抱えている。おそらく誰しも。
放っておくだけで解決することは少ないが、
往々にしてそれだけに集中して時間と労力をひたすら投下すれば解決するということも少ない。
選択と集中。
選択したものの中でのバランス。
選択しなくても外からとんでくるものの受け容れ方/いなし方。
そのときにも崩さないバランス。
一方で個別の状況に応じた自分の配分、そのタイミング。
そんなこんなを大切だと言って逐一意識・認識しようとしていると、何かとうまくいかなくなるんじゃないだろうか。

読書進化論

読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~
勝間 和代 (著)
Webと本との使い分け、本との付き合い方、本・ブログを書くということの意義とその勘所、出版業界の改善点、といったところについて書かれている。平易で読みやすいし、面白そうな本がいくつも紹介されているのでうれしい。
本の内容とそれるところがあるが、印象に残ったのは勝間さんに対するプロノバの岡島さんからの印象。”実は壮大な社会実験をしているだけなのでは(p.187-188)”と。その言葉にうなづいた。
純粋に学び、学んだことは徹底的に活用・検証し、その結果から学ぶ、次に活かすために学ぶ、活用・検証の結果は還元する。
それを繰り返しているのかなと。本を書く中でも、Webとの違いといったところから本ならではの価値を定義して、それを取り扱っている出版業界の取るべき戦略というか方向性を描いてみたりとか。それを自分の出版のプロセスで検証してみたりとか。
本の内容通り越して、シンプルで面白そうな人だなと感じた。
最後に本の内容について、印象に残った部分をいくつか抜粋。

目次
勝間式「相手がわかりやすく読みやすく書く」ための4つの技術
技術1. 「自分の事例」「アンソロジー形式」を利用して、親しみを持たせる
技術2. 「役に立つフレーズ」を必ずいれ、読書だけに経験を閉じない
技術3. 「共通体験」や「流通していることば」を使って行動を促す
技術4. 「コンテンツ力」と「編集力」で進化していく

P.36
本を味見してみるのです。そのとき、「あ、この著者ともっと話がしてみたいな」、と思えるかどうかがポイントになります。

P.72
アジェンダを設定しないミーティングが、だらだらしがちなのと同じで、本を読むときには、その本の著者とどういう話をしたくて、何を質問したいのか、という意識を持つことが重要なのです。

目を見れば

人の目や顔の筋肉の動きをよくみている(いつも目を合わせている/凝視しているというわけではなく)。言葉よりも多くのことを伝えてくれるように思う。バイアスかもしれないが言葉よりその表情のメッセージが本音に近く感じる。勿論それが正しいとは限らないし、自分に向けたメッセージだとも限らないのだけど。
なんでこんなことを言い出したかというと、人と対面でコミュニケーションをとるときに大切なことが2つあるかなと今日思ったのだ。1つはメッセージを受け取る側として、相手が背負っているもの(相手のふるまいをそう動機付けるもの)を理解すること。1つはメッセージを発信する側として、目の前の相手に集中すること。
具体的な話は省くのだけど、すれ違いがすれ違いを生んでいくコミュニケーションは望ましくない。たくさんのものを背負って走っているときはなおさら頭の切り替えが難しくなるのも事実だけど、相手と面と向かってコミュニケーションをとるときは、そういったもろもろのものは横において、そのコミュニケーションでありその目的でありに集中していたいと思う。

史上最強の人生戦略マニュアル

史上最強の人生戦略マニュアル
フィリップ・マグロー (著), 勝間和代 (翻訳)
内容は汎化すれば7つの習慣とも重なるだろうし、他の自己啓発系書籍とも部分的に重なるものだと思う。けど、個人的には自分の人生には自分が責任を負い、自分だからこその人生を再構築する、一歩を踏み出す、という点からいくと”具体性”と”筆者の力強さ”の2つがとても価値があると思う。
具体的に人の経験であり著者自身の経験でありと、そこからの示唆が記述されているし、自分の人生に責任を取り戻し、目標と戦略と計画を考える上での課題が設定されている。
また、一貫して筆者は熱く(assertiveに)読み手に語りかけてくる。心を打ってくる。
邦訳タイトルが少し苦手ながら、出会えて良かったと思える一冊。