できそこないの男たち

できそこないの男たち
福岡伸一 (著)
今春に読んだ『生物と無生物のあいだ』の著者の作品。
『生物と~』程のミステリーと呼ばれるような内容とは少し違うが、表現も平易で物語として非常に楽しめるし、素直な気づきもある。面白く平易な例えをもって書かれているので読みやすい(逐一厳密に理解しようとし始めると読みにくいのだと思うが)。
印象に残った部分は後ほど。
[2008/10/29 23:58 updated]
ストーリーや面白いところが見えない程度に。

P.37
教科書はなぜつまらないのか。それは事後的に知識や知見を整理し、そこに定義や意味を付与しているからである。(中略)教科書はなぜつまらないのか。それは、なぜ、そのとき、どのような知識が求められたのかという切実さが記述されていないからである。そして、誰がどのようにしてその発見に到達したのかという物語がすっかり漂白されてしまっているからである。

P.54
かつての私もまた、初めて顕微鏡を覗いたときは、美しい光景ではあるものの、そこに広がっている何ものかを、形として見ることも、名づけることもできなかった。(中略)つまり、私達はしっているものしか見ることができない。

コメントを残す