ロジカルリスニング

ロジカル・リスニング
船川 淳志 (著)
以前に流し読みしていた一冊。いつだったか友達コンサルタントに”インタビューとかコミュニケーション系で何かいい本ない?”と聞かれていたのでオススメした。その内容を再確認する意味で、また自分でも今一度相手の話をちゃんと聞くという基本を確認する意味で読み返した。
ロジカルリスニングというタイトルではあるが、内容は(そのために必要な)クリティカルシンキングであり、ダイアローグであり、傾聴であり、会議の準備・ファシリテーションの手法でありと人のインプット/アウトプットについて幅広くおさえている。一つ一つのボリュームは限られるがエッセンスを一通りおさえるには良い本だと思う。

P.3
「あの人はなかなか話してくれないし、口を開けば、何を言いたいのかさっぱりわからない。第一、こちらの話を聞こうともしない」
(中略)
相手のせいにする前に、
「自分はあの人がどれだけ話しやすい環境を提供したのか?相手の発言をどこまで理解しようとしたのか?発言の中の隠れた前提を考えてみただろうか?また、こちらの話を聞いてもらえる環境づくりをしtだろうか?」
と考えるところから始めなければならない。

P.32
「話せばわかる」と思い込むのも、「人を意のままに動かす」なんて考えるのも、人間の驕り以外の何ものでもない。

P.120
「妥当な反論」とは発言者の人格を攻撃したり、相手の発言を無視して自分の主張を述べることではない。あくまでも、発言者の論理構成に注意を払って、もし論理的な弱さがあればそこを指摘するものだ。言い換えれば、かみ合う議論でもある。

P.166
話す自由は相手にあり

P.186
(補足:会話の相手と協力関係が築けていない状態えあればまずそこを構築する必要がある、という話に続いて)相手がドッジボールのつもりでボールを投げても、こちらはキャッチボールのスタンスで誠心誠意投げ返す

P.202-203
高い成果を出せるチームの特徴
(1) 目的とアウトプット(成果物)がメンバー間で確認され、共有されている
(2) メンバーの参画を高めながら議論を進められるファシリテーター型のリーダーがいる
(3) 個人作業と共同作業のバランスがとれている
(4) プロセスの進捗とチームワークのモニタリングができている
(5) 忌憚のない、かつ建設的なディスカッションができている
(6) 問題解決と意思決定のツールに関する共通言語を共有している
(7) アウトプットを出すことにモチベーションが高い

成果を出せないグループの特徴は、先の要件が反対なのだ。指示を聞いていないため、アウトプットが不明確なチーム。聞き間違いをして、そのかわり思い込みの強い人が他の参加者を勢いだけで説得しながら進めるチーム。誰もが遠慮して議論を進めることなく、部屋がシーンとしているチームなどなど様々だ。