おわりとはじまりと

この週でこのプロジェクトも最終報告を終え、ひとつの区切りを迎えた。クライアントからすればあくまで1つのプロジェクトに区切りがついただけであり、自分達がつくっている戦略であり計画でありを実行に移すのはまさにこれからになるのだけど。

前夜、クライアントとの打上げを終え。朝、今後についての打合せも終え。昼前から自由のみとなる。これまで、時に思いっきり転んだり、互いに手を引いたり、時におんぶをしあってきたりしたコンサルタントの方とすこしはやめで、すこしゆっくりしたランチをとりに繁華街へ。自分にとっては少し懐かしく、彼にとっては新しい街だ。”いやー、やっとこれましたね(笑)”なんて話をしながら繰り出す。食事をしながら話をするのはこのプロジェクトの話、そして今後の話。振り返れば(一部はその当時からはやくも)ネタになる笑える経験(今になれば修羅場も笑える?)、そのときは気づいていても口にしなかった互いの胸の内、これから先もっと伸ばした方がいいところ等々、話は尽きない。

面白いもので、そのときは気づいていても口にしなかった互いの胸の内は、いざ口にしてみると既に互いに気づいている。当時の自分の機微を理解しており、そして相手の言葉以外で表現されているメッセージを受け取っていたようだ。言葉以外のコミュニケーションでやりとりできる情報の多さに素直に関心する。いただいたたくさんのメッセージの中で1つだけ書いておこうと思う。

(このプロジェクトの中で何度か自分のやり方や価値に迷いを持った時があった。それを話した自分に対して)

それは違います。確かに一緒にやっていてドライブする力が弱くなった時が1-2度ありましたけど。違いますね。何でかって言うとそれはお客様の目を見ていればわかります。このプロジェクトでお客様がsagadさんを見る目が変わっていくのを横で見ていました。彼らが迷っている時、相談したい時、それを僕らが答えるとき、彼らが見ていたのはsagadさんの方でした。それは彼らに信頼されているからこそのことです。自分でどう思うかというのはあるのかもしれませんが、彼らの視点からみて価値がなかったということはないと思います。

価値を考える視点がそもそも違ったのだなと反省しながらもらった言葉を噛みしめた。まだ”自分”だけに焦点があってしまってるのだなと。そして、プロジェクトとは別だけどプロフェッショナルサービスというものについて気づかせてくれるエピソードを1つ。

(彼が以前欧州へ行ったときに、ある有名な靴ブランドの本店で靴を買った時の話)

靴づくりの職人さんが似合う靴を探してくれるんです。その時点でまずお金を扱う方と、お客様にあった靴を探す方が分けられているんですね。で、実際に靴を探すときなんですけど、その職人の方が次から次へと靴を持ってくるんです。これを履いてみろ、あれを履いてみろと。で、だんだんと疲れてくるんですよね履かされてる方は(笑)で、なんとなく良さそうなやつがあって、”これがいい”って言うと、職人さんが”ダメだ”っていうんですよ。

彼は僕の言葉を聴いてないんです。僕の目であり表情でありを見てるんです。”お前はまだ心のそこから”これだ!”って思えてないだろ”って。それでまたたくさんの靴を履く。そうすると、でてくるんです、”あ、これだな”っていうのが。そしたら今度は僕がそれを言う前に、”こちらですね。”って言うんですよ。

これだけのこだわりをもって自分がコンサルタントとして活動できいたかなーって思うと、いやー、考えさせられますよね(笑)

今回のプロジェクトで感じたのだが、おそらく彼はこれだけのこだわりをもってコンサルティングということに携わることができている。

自分はどうだろうか。

今回のプロジェクト、彼との出会いで学べたことを旨に前に進んで行きたい。

そのためにまず自分のメンテナンスもしていこう。