久しぶりの朝日

今朝は気がつくと5時近くになっていた。
寝支度を済ませてベッドに横になってみるとブラインドからオレンジの光が差し込む。
その光を受けた部屋の中にいると穏やかな夕方と錯覚する。
外を見たくてベランダに出る。
ベランダからそれを見ても、空気の温度・におい、街の音くらいを除いてしまえば太陽の周りの空の雰囲気は夕方のようだった。
シャッターを切って、覚めかけた眠気をひきとめて、ベッドに横になった。

デザインの原形

デザインの原形
日本デザインコミッティー (著), 深澤 直人 (著), 佐藤 卓 (著), 原 研哉 (著)
タイトルのとおり。日本デザインコミッティーの面々が”原形”だと思われるデザインのプロダクトを集めている。本の中で”原形”というものの定義について以下のように書いている。

デザインの原形とは「類」や「種」の元を成すもので派生ではない。また原形とはオリジナリティとも少し違う。オリジナリティは独自であることが目的で、それは作者の個性や主観的意思の表れである。原形は作者が探し出した必然である。それが必然であることは、そのものが長い年月で活かされ、生活に溶け込んできたことで実証される。
(略)
原形の意味を知る者は、つくり出そうとするのではなく、生活の背景になり、人の行為にはまり込む必然を探し出そうとしている。原型となりうるデザインには時代の流れや一時の刺激に迎合されない強さと自由度がある。
(略)
むしろ原形たるデザインは一時の刺激や輝きを放つものたちの背景となって、それらをより際だたせる力がある。それは時代と共に移り変わる人の心理が回帰するよりどころである。

ということで、この本で紹介されるプロダクトには一切の無駄が省かれている。まさに”洗練された”という言葉で形容するにふさわしい。そしてその洗練したデザインを支える精緻な設計・高度な技術にところどころで触れられている。
素直にそれぞれのプロダクトが魅力的で、見ていて楽しい。
そして少し考えてみる。自分の原形ってなんだろうかと。
人に限らず色々な出会いがある。そこから広がる様々な経験がある。自分に色々な色でありパーツでありが加わっていく/失っていくのだと思うが、そんな時間を経る中でも自分の原形が何か、それは見失わずにいたいと思う。