記念すべき

最近行っているオフィスは、家から歩いて30分。電車でも30分程度かかる。
なので晴れた日や気候が穏やかな日(春・秋)はよく歩いてオフィスへ向かう。
そうでない日も勿論歩くこともある。家で仕事をする時もある。他のオフィスにいることも多い。
そんな中で、たまにタクシーを使うときがある。
そして今日は”たま”だった。
朝は雨がちらついていたけど、夜には晴れるという天気予報を信じて傘は持たず。いつものように道路脇に立って、タクシーを見据えて軽く手を挙げる。
ハザードランプをたいてタクシーが目の前にとまる。
乗ってみると”おはようございます!”という大きく元気な声。見てみるとそこには満面の笑み。ドライバーは若い人だった。
行き先を告げる。
”すみません!分からないのでお教えいただけますか?”
”・・・何分今日が初めてでして、お客様が初めて乗っていただくお客様なのです。”
信じていい雰囲気(直感任せ)だったので信じる。
びっくり。意図せずして(意図してできるものではないが)その人のタクシー運転手人生の乗客第1号になってしまったわけだ。
歳が(おそらく)同じくらいだったので、前にどんな仕事をしていたのか、なんでタクシー運転手になろうと思ったのか等会話が弾む。
”よかったですー。最初に乗せたのがお客様みたいな方で。怖い人や難しい人だったらどうしようかと思って怖かったんですよー。”
自分が簡単な人(ってなんだ?)と映っているのかと思いつつ、確かにタクシー運転手というのは、最近事件が多くてニュースに取り上げられているように、リスクの高い仕事だと思うので、まあ怖かったり難しくない自分は良い客なのだろうと理解する(遠距離で使うことがあまり無いのでその点悪い客だが)。
(自分が)間違えなくナビし、無事オフィスに着く。
”これからも頑張ってくださいね(^^)”
と素直な気持ちを伝えてオフィスへ向かった。
4月には社会人に初めてなる人々が僕ら集団の中に入ってくる。彼らも当たり前ながら日々初めての経験をする。何にしても素晴らしい可能性を秘めた、優秀な人々だ。
学生時代の経験や、自覚し始めた自分ならではの強み/アドバンテージを過剰に意識することなく、日々の経験から素直に学んで欲しいと思う。”無私”とまでは自分の中で言い切れないが、そうしたスタンスを取っている中でも自分の価値観、意志、ストラテジック・インテントといったものは滲みでてくる。スタンスにその方向性が相まって、素晴らしい関係が構築される。相手を信頼し、自分に対しても素直に、そして謙虚に学び、尽くす姿勢はいかなるロジックよりも人の感情に訴えるものになる(結果として)。
そして色々といっている自分も、毎日の中に散りばめられている初めての何かをしっかり自覚し、どこかに新鮮さを持ち続けていたいものだと思う。
素直さと謙虚さ、相手への思いやりも。

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