人生を切り開く「学び」の極意

人生を切り開く「学び」の極意―ローランド・ベルガー会長 遠藤功氏
改めて成長とは何かを考えさせてもらえた。
一部、印象に残っている個所を抜粋。
心に灯がともっていることを確認することができた。

学びの目的は主観を磨くこと
 そもそも勉強って何か。私は「自分の主観を磨くこと」だと思います。自分の思い、気持ち、意見は全て主観ですよね。どんなに客観的に分析をしても、最後は自分の主観で判断して、人生を切り開いていくわけです。
 人間は勉強しなくても主観を持っています。でも原始的なレベルで放置するのではなくて、主観を磨くために鍛錬する。主観の品質を高める。そして「こう思う」「これをやりたい」と主張するわけです。その主張に対して相手が「やる気があるな」「なるほどな」と思ったりします。そこに人生を切り開く突破口があるのです。
 コンサルタントは客観的な人間だと思われているが、数字やロジックを並べてもお客さんはまったく動いてくれません。最後は自分の思い込みで「おたくの会社こうすべきだ」と言い切る。その主張は、証明や裏づけが不十分かもしれない。でも社長は「そうか」と受け止めるわけです。客観的なデータだけで言っても、相手は全然反応してくれないわけです。「言っていることは、もっともらしい。でも何か気持ちがない」となる。一流のコンサルタントというのは、自分の主観をぶつけて、それをお客さんが飲み込んでくれる人なんですね。
 そうは言っても単なる思いつきではだめで、思いつきというものを吟味して、揉んで、裏づけをとって、客観的な分析というのがあって、主観を論理的に説明する能力がなければいけない。質の高い主観というのは洞察、本質を見抜いているものです。
強靭な信念は客観を超える
 マザーハウスという会社があって、山口絵理子さんという20代の起業家がいる。起業家の賞を受賞して、メディアで売れっ子になっています。何をやっているか。バッグを作っている。どこで作っているか。バングラデシュです。世界の最貧国で、ジュート(黄麻)を使って、日本で売れるようなバッグを作っている。
 彼女は元々、国際貢献がしたいということで、国連の機関でインターンをし、金だけばらまいて現地に根ざした貢献ができていない現実に直面した。そこでバングラデシュに飛んでみたわけです。そして考えた。「私に何ができるのか」と。
 「ジュートを使って日本を始め先進国でも、高いお金出して買ってもらえる商品を作る。彼らが誇りを持って売り出せる商品を作って、自分たちで稼ぐようなことをやっていかないといけない」。そう彼女は感じたわけです。これは「主観」です。
 ビジネススクールで分析したらその合理性は説明できない。早稲田のビジネススクールでケースとして取り上げた経験がある。バングラデシュで、ジュートを使って欧米など先進国で売れる商品を作れるか、可能性を検証しなさいという宿題を出した。GDPは低い、インフラは整っていない、カントリーリスクは高いと学生たちが分析するわけです。そしてみんなNOだった。こんなビジネスは成り立たないと。多分、私でもNOです。
 でも彼女は現地で工場を建てて、従業員も雇って、日本で売っているわけです。これって何なのか。彼女の強靭な信念というのは、数十の軟弱な出来ない理由を駆逐した。MBA的な知識を使えば、「出来ない」という証明はいくらでもできる。しかしそれは、「出来る、やる」という思いを覆すものではないということです。
 自分は何をやりたいのか、何ができるのか、何を目指すべきなのか。腹から沸きあがってくる強烈な思いを常に意識して勉強してほしい。単に知識を詰め込んでも、ビジネススクールで学んでも、強い主観は見つかりません。自分の心の中で探すものです。

新しい朝

新しい朝を迎える。
古い朝を迎えることがあるのだっけ?
ふと考える。
出発の準備を進めるうちに見る見る空が白んでくる。
6時前には厚い雲に隠されていた空が徐々に顔をのぞかせ始める。
青と灰色が混ざったような色の山々は、色をはっきりさせ始める。
不思議なもので、
そうやって新たな顔を見せてくれる空の様子を見ていると、
自分も心を新たにすることができる。
そんな気がしてくるのだ。
#そして20-30分後、チェックアウトを済ませて駅からの写真を撮る。一段とその色合いを濃く、はっきりとさせた空。そんな空に見送られて、東京に戻る前に別の地へまた旅立つ。
#今日は酔う前にPCを閉じます(^^)