その手に何を持っている?

木に釘が打ってある。
金槌を持っていたらそれを叩こうとする。くぎ抜きを持っていたらそれを抜こうとする。彫刻刀をもっていたら釘を気にせず何かを彫ろうとするかもしれない。かんなをもっていたら釘を避けて気を削り始めるかもしれない。
道具に精通していればしているほど上記のように振舞う。金槌に精通していたら釘の角度や打ち具合が真っ先に目に付く。彫刻等を持っていたら木目や木の質といったものが目に付く、どういう形ができるかすぐイメージが始まる。
道具は物理的なものにとどまらない。イメージや考え方も同じ。
何らかの対象を眺めているとき、その手に何を持って見ているかを意識すると結構眺める前から持ち物を決めいることがあることに気づく。
そして、目的を達成する前提として、その手に持ったものを使う必要があると思い込んでいることに気づく。そしてその思い込みと相手のGAPに悩んでいる場合がある。
道具を持って相手を見るのは、仮説を立てる時に大事なことだけど、あくまでそれは仮説。時には見る角度もそもそもの扱う目的も、そしてその手に持っているものも、全部ほっぽって考えてみると案外すっきりと新たな方向がみえてくる。

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