新ハーバード流交渉術

新ハーバード流交渉術 論理と感情をどう生かすかamazonに掲載されているタイトルと表紙に書かれているタイトルが異なるのが少し気になるのだけど(表紙は”感情をポジティブに活用する”)読み終えた。
この7-9月の間に2つの交渉を経験した。1つはProjectにおいて、1つは自身のCareerにおいて。客観的に見ると大したことは無いのだろうが、自分にとってはどうやればWin-Winの関係を築くことができるのか、お互いにポジティブに、協力して目的達成に進んでいけるようなつながりを築くことができるのかを考えながら(模索しながら)Communicationを続けた期間だった。この経験を得て、それを反省したくて当書籍を購入したわけだ。
そしたら既に購入済みで2冊目だったわけだ(^^;)
(2冊目は無事に引き取って下さる方が見つかり、今はその方に開かれ読み進められていることと思う。GMSつながりの方でその方の文書を見る限り非常に思慮深く、また心の動きに深い洞察をもたれている方なのでより有用な示唆をその方から得られるかもしれないと思っている。)
で、自分の経験を振り返りながら、本の中で使われているフレームワークに自分の行動・相手の反応を重ねながら読み進めた。不思議なものでPositive/Negative、捉え方によってはどちらとも取れる内容が結構多かった。当時Negativeに捉えていた行動・反応も客観的に見てみれば合理的な行動であったものもありその逆もある。
さて、この書籍の中で有用なフレームワークは3つある。5つの社会的欲求、交渉の7要素、交渉の3つの準備、だ。
5つの社会的欲求:
この本の前提として、感情は捨てられない、無視できない、直接対処できない、だからそれを生み出す根本にある社会的欲求を満たすようにはたらきかけようという考えがある。その社会的欲求は5つある。

1. 価値理解: 相手の考え方を理解する。相手の考え、思い、そして行動の中に価値を見出す。自分のその理解を、言葉や行動を通じて相手に伝える。
2. つながり: 構造的な結びつき、個人的な結びつきを強め、協働作業をする。
3. ステータス: だれもが複数の領域で高いステータスを持っていることを認める。自分の知識・これまでの成果に自信を持つ。
4. 自律性: 自分の自律性を拡大し、相手の自律性を侵害するのを避ける。自分の意思決定の権限がどこまであるのかを明確にする。
5. 役割: どのような役割であっても役割に含まれる活動内容を自由に決めることができる。一時的な役割を自由に選択し、自分にパワーを与え、活動を促進することができる。

交渉の7要素:

1. 人間関係: よりよい関係を築くためにどうアプローチするか。
2. コミュニケーション: 傾聴できているか。伝えたいメッセージは何か。
3. 関心利益: 自分たちの関心利益、その優先順位何か。相手の関心利益は何か。
4. 交渉オプション: 考えうる合意点のうち、双方にとって受入れられるものは何か。
5. 公平さの基準: どのような正当性の基準が双方にとって納得がいくか。
6. BATNA: 交渉の合意以外の最良な代替案は何か?
7. コミットメント: 相手から引き出すべき良い約束は何か?自分たちが相手に出来る約束は何か?

交渉の3つの準備:
基本的には交渉の7要素 + 感情への準備。

1. プロセス: 交渉プロセスの構造についての準備。目的・成果物・合意形成ステップ。
2. 問題内容: 当事者それぞれの関心利益は何か。自分たちの主張の正当性を裏付ける基準は何か。両者がとりうる現実的なコミットメントは何か。
3. 感情: 自分と相手の側の欲求は何か?それをどのように満たしていくか。

こうして整理すると交渉における自分の強み/弱みも明確になってくる。この学びをこれからの実践につなげていきたい(^^)