プロフェッショナルの条件

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか はじめて読むドラッカー (自己実現編)
年末年始あたりで読んでいたこの本、振り返る時間がとれたのでここで振り返っておきたい。
ネクストソサエティ、私の履歴書等ドラッガーの書籍を読んだが、今回のこの書籍が自分にとって最もインパクトが大きかったと感じる。勿論どの書籍においても(私の履歴書はまた違うが)、社会の過去から未来へ至る流れが前提にあり、その中で、企業とは何か?マネジメントとは何か?そしてプロフェッショナルとは何か?というものを論じている。どこにおいても前提の流れは変わらないのだが、やはりその中で社会についてを滔々と語っているより、その社会における組織の中での活動について語っているものに触れたほうが自分としては影響をうけやすいからだ。
「プロフェッショナルの条件って何?」
この本に尋ねる最も大きな質問がこれだろう。そして考えるべきは、「そもそもプロフェッショナルって何?」というところからだろう。
それはこの本には書かれていない。この本の原著のタイトルは、
「THE ESSENTIAL DRUCKER ON INDIVIDUALS: TO PERFORM, TO CONTRIBUTE, AND TO ACHIEVE」
である。
訳者が、成果をあげ、貢献し、目的を達成する(し続ける)人間をプロフェッショナルと読み替えたのだろう。
というようなことは拘るべき点ではない。この本を通じてプロフェッショナルの条件として上げられているのは大きく7つである(本の中では成長と自己変革を続ける条件として記述されているが。)
1. ビジョンをもつ
2. 誇りをもち、完全を求める
3. 日常の中に継続学習を組み込んでいる(自らに対し、常により優れたことを、優れた方法ですることを課している
4. 自らの仕事ぶりの評価を、仕事そのものの中に組み込んでいる
5. 自らの強みを知っている、改善・変更・学習すべきものを知っている
6. 仕事が要求するものについて徹底的に考え、理解している
7. 自らの啓発と配属に自らが責任をもっている
自らの人生に責任を持ち、その人生で体現したいビジョンを持ち、そのために最善を尽くす。そしてそれが最善なのか?自分は最善を尽くせているのか?を評価し、常により良くあろうとする。
ということだと解釈している。
他に、個人的に感銘を受けた言葉は「権限ではなく貢献に焦点をあてよ」という言葉。
自分が何をしていいか/いけないか、というような組織・職務上の権限に縛られるな、というもの。自分として何ができるか・何に貢献できるかに焦点をあて、それを実践するという習慣が大切だと。
知識労働者の成果は、つくりだした知識であり技術でありを他者へ供給し、他者がその知識や技術で価値を生んで初めて成果となる、という前提で、貢献に焦点をあわせることで、成果を上げることに注意を向けるようになると。

この本は本当に濃密だ。
他にも意思決定について、リーダーシップについて、組織のあり方について、イノベーションについて。書き出すときりがないほど素晴らしい内容に溢れている。
Blogを書きながら、あらすじを書いて終わる読書感想文を思い出していた…。
行動につなげていきたい。